漢字読み講座

「怎」「畄める」「周」全部読めたら漢字マスター!

本日の難読漢字クイズは3つ出題します!

「怎」「畄める」「周」です。

あなたは全部読めますか?

1問目「怎」

ひとつ目の漢字は「怎」。

普段使うことのない漢字ですね。

画数は少ないので複雑な漢字ではないのですが…

「怎」の読み方のヒントは?

1.「怎」をひらがなにすると2文字になります。

2.中国語では日常的に使われる漢字です。

3.『怎なる業をなしても此地に留りて、』森鴎外「舞姫」より引用

正解は…

正解は「いか」でした!

「怎」の音読みは「ソ」「シン」「ソウ」、訓読みは「いか」。

「どうして」「なんぞ」「どのように」など、原因や理由を問う意味を持ちます。

「怎」は中国語で疑問形として多用され、日本では「如何(いか)」の方が一般的です。

古語の「いかでか」という言葉は「如何でか」「怎でか」どちらも正解です。

「怎」の読み方について

「怎」は昔の文学作品によく登場します。

訓読みは「いか」なのですが、「どう」「ど」と読ませるケースが多いです。

「どう」の例:『怎したのか、此鳥だけは人の顏にならずに。』石川啄木「散文詩」より引用

「ど」の例:『でもあのときは怎うもあんな気がしてならなかったのです。言っちゃわるかったか知ら。』室生犀星「童子」より引用

また、一休さんに出てくる「そもさん!」「せっぱ!」という禅問答の「そもさん」は「怎麼生!」と書きます。

2問目「畄める」

次の難読漢字は「畄める」です。

「思」を逆さまにしたような、「宙」に似た不思議な漢字ですね。

早速ヒントを見てみましょう!

「畄める」の読み方のヒントは?

1.「畄める」をひらがなにすると4文字になります。

2.「畄める」の類義語には「阻止する」「食い止める」「押さえる」などがあります。

3.「節約中だから、最低限の買いものに畄めておこう」のように使います。

正解は…

正解は「とどめる」でした!

音読みは「リュウ」「ル」、訓読みは「畄まる(とまる)」「畄める(とどめる)」。

ロシアの通貨単位「ルーブル」を表す漢字でもあります。

「畄」の異字体と旧字体

「畄」は「留」の異字体なので、「留守(るす)」は「畄守」と書いても正解です。

昭和17年の標準漢字表では「留(畄)」と収録されていたため、「留」「畄」どちらも使用できる漢字でした。

しかし、昭和21年の常用漢字表では「留」のみとなり、「畄」は一般的に使用されることがなくなりました。

国語審議会では、何度か「留」より「畄」を採用しては? という議論があったのだそう。どうして採用されなかったのでしょう?

理由はなんと「簡単すぎる」から!

ちなみに2つの漢字の旧字体は「畱」です。難しすぎても簡単すぎてもダメなんですね…。

3問目「周」

最後の問題は「周」!

「周り(まわり)」「周(シュウ)」、おなじみの漢字ですが…

意外な読み方がもうひとつあるんです!

「周」の読み方のヒントは?

1.「周」をひらがなにすると3文字になります。

2.「周」に関連する言葉には、「回転」「宙返り」「らせん」「旋回」などがあります。

3.「庭園には周と垣根が巡らされていた」のように使います。

正解は…

正解は「ぐるり」でした!

「周(ぐるり)」とは、何かが回っている様子、円を描いて動いたり取り囲んだりすることをいいます。

「くるり」は軽くすばやい回転を指しますが、「ぐるり」は大きく鈍重な回転をあらわします。

「周(ぐるり)」と「ぐる」の関係

ところで、「お前たち、ぐるだったのか!」共謀する、悪だくみするという意味で「ぐる」という言葉がありますね。

「ぐる」は「グループ」の「グル」ではありません。

諸説ありますが、悪人たちが輪になって「ぐるり」と取り囲む様子から、「ぐるり」が「ぐる」の語源だといわれています。

また、浄瑠璃や歌舞伎といった芝居関係の隠語では、帯を「ぐる」と呼んでいたそうです。理由は「ぐるり」と輪を身体に巻きつけるから!

どちらも「ぐるりと輪になる」ことが共通しています。

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イシカワマキコ
イシカワマキコです。日本語の奥深さが好きです! よろしくお願いします。