小学生のころに国語の授業で習った言葉の使い分け。
大人になった今でも、自信を持って使い分けられているでしょうか?
日常会話やビジネスシーンでもよく耳にする「おざなり」と「なおざり」。
どちらも「物事をきちんと扱わない・いい加減にする」といった否定的なニュアンスで使われますよね。
では、ここで質問です。
「仕事を完全に放置して何もしなかった」とき、正しいのはどちらでしょう?
- A:仕事を「おざなり」にした
- B:仕事を「なおざり」にした
「なんとなく響きが似ていて、どっちでも通じそう…」
「そういえば、違いを深く考えたことがなかったかも…」
と思った方も多いのではないでしょうか。
一見そっくりなこの2つの言葉ですが、実は「対応の仕方」が正反対と言っていいほど違います。
答えを決めるヒントは、「手をつけているかどうか」です。
どちらが「放置」を意味するのか、少し頭の中で考えてみてください。
決まりましたか?
それでは、正解と解説を見ていきましょう!
正解は……「B:なおざり」!
「仕事を完全に放置して何もしなかった」状態を表す正しい言葉は、「なおざり」です。
それぞれの決定的な違いを整理すると、次のようになります。
- おざなり(御座成り):一応何らかの対応はするが、その場しのぎでいい加減に済ませること
- なおざり(等閑):必要な対応や注意を十分に払わず、物事を放っておくこと
つまり、「雑でも手をつけている」のがおざなりで、「そもそも手をつけていない(完全放置)」のがなおざりです。
語源を知ればもう迷わない!
なぜこのような違いがあるのか、それぞれの成り立ちを紐解くと納得できます。
1. 「おざなり」=その場の形だけ取り繕う
「おざなり」は「御座なり」とも書き、「御座敷の形(なり)」に由来するとされています。座敷でその場に合わせた表面的な言動をすることから、現在の「その場しのぎでいい加減に物事を済ませる」という意味につながったと考えられています。
2. 「なおざり」=「直(なお)+去り」で放っておく
「なお」は「そのままの状態」、「さり」は「遠ざかる・放っておく」を意味します。
つまり、「元の状態のまま手をつけずに離れてしまう」ことが語源です。
「なおざり」は漢字で「等閑」と書きます。語源には諸説ありますが、古くから「物事を十分に取り扱わない」「いい加減にしておく」という意味で使われてきた言葉です。
シチュエーション別の使い分け
職場の場面で当てはめると、違いがさらによく分かります。
■「おざなり」な対応
- クレームに対して定型文をコピペして返信した(一応返信はしたが、適当で心がこもっていない)
- 提出書類を前回のデータを適当に書き換えて済ませた
■「なおざり」な対応
- 届いたメールを未読のまま何日も放置した(そもそも何も対応していない)
- 体調管理を放ったらかしにして働き続けた(健康への配慮を完全に放棄している)
覚え方のコツ
迷ったときは、頭文字でシンプルに結びつけてみてください。
- おざなり =「一応やるけれど、いい加減」
- なおざり = 「必要なことをおろそかにして、放っておく」
「雑に対応された!」と抗議したいときに「なおざりにされた」と言ってしまうと、「何も対応してもらえなかった」という意味合いになってしまいます。
小学生のときに習った言葉も、大人になって改めて振り返ると奥深いもの。正しいニュアンスを理解して、スマートに使いこなしたいですね。
