小学校1年生の理科(生活科)で、鉢植えを使って種から育てた記憶がある方も多い「アサガオ(朝顔)」。
早起きをして、きれいに花開いている様子を観察日記にスケッチした思い出はありませんか?
「朝に咲くから朝顔」という名前のとおり、爽やかな朝の光を浴びて元気にパッと咲くイメージがありますよね。
では、ここで理科のクイズです。
【問題】アサガオが花芽をつくるために重要なのは何でしょう?
- A:朝のまぶしい光を浴びること
- B:朝の気温が一定になること
- C:一定時間以上の暗い時間を経験すること
「朝咲くんだから、太陽の光に反応しているんじゃないの?」
「植物だし、光合成をするための光がスイッチなんじゃない?」
と、直感的には思いますよね。
しかし、もし「朝日を浴びた瞬間」に咲くのだとしたら、まだ薄暗い早朝や日の出前にすでに咲いているアサガオがある理由が説明できません。
実は、アサガオには植物ならではの精巧な「体内時計」が備わっています。
アサガオが何を感じ取って咲いているのか、少し考えてみてください。
答えは決まりましたか?
それでは、正解と理由を見ていきましょう!
正解は……「C:一定時間以上の暗い時間を経験すること」!
なんと、アサガオが開花するきっかけは「朝の光」ではなく、「前日の暗闇(夜の時間)」だったのです!
アサガオは、一定時間以上の暗い時間を経験すると花芽をつくる性質があります。これを利用して、夜の長さを変える実験を行うと、花芽形成に必要な暗期の長さを調べることができます。
アサガオのタイマーは「暗くなってから約9〜10時間」
アサガオの蕾(つぼみ)が開く仕組みを詳しく見ると、驚くほど正確な時計を持っていることが分かります。
1. スイッチが入るのは「日が沈んだ瞬間」
アサガオは、葉などで昼と夜の長さを感じ取り、一定以上の暗期を経験すると花芽形成が促されます。夜の途中で光を当てると、暗期が中断されたと認識され、花芽形成が抑えられることがあります。
2. 「暗闇が約9〜10時間続いた後」に開花する
真っ暗な状態がおよそ9〜10時間続くと、ちょうど夜明け前後の時間帯にタイマーが作動し、花びらが開き始めます。
つまり、アサガオは「朝が来たから咲いている」のではなく、「夜をたっぷり過ごしたから咲いている」のです!
昼間にアサガオを咲かせる実験もできる!?
この仕組みを利用すると、人間がアサガオの開花時間を自由にコントロールすることができます。
アサガオの花芽形成には、暗い時間の長さが関係しています。日中に遮光して暗い時間を長くする実験を行うと、花芽形成に必要な条件を調べることができます。ただし、遮光したその日に花が開くわけではありません。
アサガオは短日植物なので、夜間に長時間光が当たると、花芽形成が抑えられることがあります。特に街灯などの光が夜間も当たる場所では、花芽がつきにくくなる場合があります。
まとめ
子どものころは何気なく「朝だから咲くんだな」と眺めていたアサガオ。
実は朝の光を待っていたのではなく、静かな夜の暗闇をじっと数えながら、朝に向けて花開く準備を整えていたなんて、健気でとても神秘的ですよね。
夏の朝にアサガオを見かける機会があれば、ぜひ「昨日の夜から準備して咲いたんだな」と思い出してみてください!
