漢字読み講座

【難読漢字】「捷報」「鶯遷」「転ぶ」あなたは何個読めますか?

今日の難読漢字は

「捷報」

「鶯遷」

「転ぶ」

の3問です!あなたは正しく読めますか?

難読漢字、1問目は「捷報」!

「捷報」の読み方をご存じですか?

「捷」は「敏捷」という言葉で見かける字です。「敏捷」は素早いことを意味しているので「捷報」を「そくほう」と読むと間違いです。

それでは、何と読むのでしょうか?

「捷報」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「し○○○」の5文字
  2. 1文字目は「敏捷」の2文字目と同じ読み方です
  3. 「捷」には「勝つ」という意味があります

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「捷報」の読み方、正解は・・・


正解は

「しょうほう」

です!

「試合や戦争に勝ったという知らせ」という意味です。
「勝報」と書くこともあります。こちらの方がわかりやすいですね。

「捷」には「すばやい」の他にヒントに出した「勝つ」や「ちかい(近い)」という意味があり「大捷(たいしょう)」という熟語もあります。「大勝」と同じく、大きな差をつけて勝つという意味になります。「勝」と同じような理由で人名にも使われることもあります。

かつて中国で行われていた官吏登用試験に「科挙(かきょ)」というものがありました。

科挙は倍率数百倍ともいわれる難しく厳しい試験でしたが、合格した時に送られる通知のことを「捷報」と呼んだそうです。まさに多くの受験生に勝つことでやっと得ることのできる、勲章のようなものだったのでしょう。

現代は「敏捷」以外ではあまり見かけない漢字ですが、違った意味があるということを是非覚えておいてくださいね。

難読漢字、2問目は「鶯遷」!

「鶯遷」の読み方をご存じですか?

「鶯」は鳥の「うぐいす」をあらわす漢字ですが、音読みはあまり見かけませんね。

いったい何と読むのでしょうか?

「鶯遷」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「お○○○」の4文字
  2. どちらも音読みです
  3. 逆の意味は「鶯谷」になります

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「鶯遷」の読み方、正解は・・・


正解は

「おうせん」

です!

「うぐいすが深い谷から出て、高い木に移る」という意味が転じて「出世する(高い位置に行く)、試験に合格する」という意味合いで使われることが多いです。

逆に「うぐいすが谷にいること」は「世に名を知られず、出世していない」という意味になります。これは「鶯谷(おうこく)」と言われます。どちらも中国最古の詩集といわれる「詩経」にある漢詩から来た熟語になります。

東京に「鶯谷(うぐいすだに)」という駅名があります。こちらは元々の地名ではなく、江戸時代に寛永寺の住職が京都のうぐいすを放鳥し、うぐいすの名所になったことから名付けられたと言われています。京都のうぐいすは東京のうぐいすより早く鳴き始め、声も東京のうぐいすより美しいとされていたそうです。「鶯谷(おうこく)」とは直接関係ありませんが、鶯谷近辺には正岡子規など多くの著名な文人が住んでいたというのも興味深いですね。

出世した人や試験に合格した人を祝福することを「鶯遷を祝う」と言います。
身近な人のお祝いをする時、是非使ってみてくださいね。

難読漢字、3問目は「転ぶ」!

「転ぶ」の読み方をご存じですか?

普通に読むと「ころぶ」ですが、実は違う読み方があります。

何と読むのでしょうか?

「転ぶ」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「○○ぶ」の3文字
  2. 「床にころがる」「ころぶ」という意味があります
  3. 「転び出る」「こけつ転びつ」という使い方があります

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「転ぶ」の読み方、正解は・・・


正解は

「まろぶ」

です!

ヒントにも書いたように「床にころがる」「ころぶ」という意味があります。
昔は「転ぶ」を「まろぶ」と読んだ、といえばそれまでなのですが、現代小説の中でも使われることがある、文語的表現です。

「こけつまろびつ(倒けつ転びつ)」は「あわてふためいて倒れたり転がったりしながら走る様子」をあらわしていますが、なかなか他に的確な言いかえができる表現が見つからないので、今でも使われているのかもしれませんね。

ちなみに「こける」も「倒ける」の他に「転ける」という漢字が当てられることがあります。漢字の「転」だけでも多くの表現があり、面白いです。

もし小説などで見かけることがあったら「こういう読み方があったな」と思い出してくださいね。

 

さて、難読漢字3問、いかがでしたか?

今回は主に小説で使われる難読漢字を3つ挙げてみました。現代ではなじみのないものが多いですが、昔使われていた表現がどのように変わったのかと考えてみるのも面白いですよ。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

ABOUT ME
さとう みえ
漢字が好きで、学生時代に漢字検定2級を取得するも、社会に出てから特に書き取りが怪しくなっていることに気付きました。子供の宿題に付き合いつつ自分も勉強し直す日々です。IT×子育てのサイトを運営しています。