漢字読み講座

「掠る」「灰殻」「艫」これら3つの漢字の読み方がわかりますか?

今回は「掠る」「灰殻」「艫」です。

見たことはあるのに、なかなか読めないこれらの漢字。

あなたは全部読めますか?

1問目はこの漢字から!「掠る」

「てへん」に京都の「京」で「掠」。

簡単に書ける漢字ですが、馴染みのない漢字で読み方も分からない人が多いのではないでしょうか・・・?

11画の「掠」ですが、漢字検定準1級に出題される漢字なんですよ。

大学生から一般レベルの難易度だと言われています。

何と読むのか、さっそく見ていきましょう!

「掠る」の読み方のヒントは・・・?

ヒントにはずばり、「掠る」の意味をお教えします!

  1. 軽く触れて通り過ぎる
  2. 上前をはねる
  3. かすり書きにする
  4. 容器の底にわずかに残っているものをこそげ取る
  5. ほのめかす、におわす

中でも「①軽く触れて通り過ぎる」という意味で最も使われますよ。

読み方はひらがなで「〇〇る」の3文字です。

わかりましたか?

「掠る」の読み方の答えは・・・

正解は、「かする」でした!

「わずかに触れて通り過ぎる」という意味で、「弾丸が頬を掠った」などと使われます。

物が皮膚をわずかに掠ってついた傷のことは、「掠り傷」と言いますよね。

賃金を掠る」というように、「上前をはねる」意味でも使いますよ。

「ほのめかす・におわす」という意味ではあまり使いませんが、万葉集の中に『その人の名は言ひかねて、思ふあたりを掠らかす』という1文が登場します。

古くからある言葉なんですね。

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

2問目はこの漢字!「灰殻」

「灰殻」と書いて、なんと読むか分かりますか?
なんと(はいがら)ではないのです!
さあ、なんと読むでしょう?

 

「灰殻」読み方のヒントは?

ヒントは全体で4文字、「○○○○」となります。
文字だけみるとタバコの吸殻をイメージしてしまうかもしれませんが、
実はまったく関係のない別の意味の言葉です。
何か思い当たるものはあるでしょうか?

 

「灰殻」読み方のもうひとつのヒントは?

最初の一文字目は「ハ」です。
これは「西洋風の服装や生活様式をする人やモノ」という意味の言葉です。
少し昔に「○○○○さんが通る」という漫画も大人気になりました。
これでだいぶ見当がついてきたのではないでしょうか?

 

「灰殻」の読み方、正解は・・・

正解は・・・
「ハイカラ」
です!

 

ハイカラとは、西洋人が高い襟(High Collar)の服装をしていたことから、
生まれた言葉で、西洋風の目新しいものや、そういった様式を取り入れている
ひとのことをそう呼ぶようになりました。カタカナ表記のハイカラは、
文字通りカタカナのカラッとした雰囲気ですが、漢字表記の灰殻は
どちらかというと皮肉を込もった意味合いになるそうです。
いつの時代も海外から来た新しいものは、ワクワクさせる力がある一方で、
国内の古い人間からは色々言われる存在なのだと思わされますね。

 

最後はこの漢字!「艫」

今回の難読漢字クイズは「艫」

画数は22画、漢検1級の漢字です。

艦隊の「艦(かん)」に似ていますが…

読めて書けたら素晴らしい!

「艫」の読み方のヒントは?

1.「艫」をひらがなにすると2文字になります。

2.「艫」は英語で stern 、ポルトガル語で popa です。

3.『一人は艫にいて網か綱のようなものを曳き、』肌色の月 (新字新仮名) / 久生十蘭

正解は…

正解は「とも」でした!

「艫」は船尾、船の後方のことを意味します。

音読みは「ロ」「リョ」、訓読みは「とも」「へさき」、22画の漢字です。

「艫」は「へさき」とも読みますが、「舳先」と書いても同じく「へさき」と読みます。

読みは同じですが、「舳先」と書いた場合は船の前方を意味します…ややこしいですね。

ついでに船の横側は船端(ふなばた)」!

「まとも」と「艫」の関係

船の帆が、後ろから吹いてくる風を受けると、船は真っすぐ前に進みます。

この現象を昔の船乗りたちは「真艫(まとも)」と呼んだのだそう。

「真艫」は、まともに生きたい、まともじゃない、などの「まとも」の語源という説があります。

例:『真艫に光を射りて、眩きまでに白し。』石井研堂「大利根の大物釣」より引用

現代では「まとも」を真面、正面と書くのが一般的です。

ABOUT ME
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ライターの眠兎(みんと)と申します。 ひょんな思い付きから漢字検定2級を取得し、それ以来漢字の魅力に取りつかれてしまいました。 まだまだ知らない漢字がたくさんある私ですが、記事を書きながら楽しく勉強していきたいと思っています!