今日の難解漢字は
「未通女」
「賺す」
「臨終」
「侘助」
「泡糖」
です!
どれもなんとなく読めそうな漢字ばかりですが、
なんと読むか分かりますか?
目次
1つ目の漢字は「未通女」です!
本日の難読漢字クイズは「未通女」です!
もちろん「みつうじょ」ではありません。
時代小説が好きな人は知っているかも…
「未通女」の読み方のヒントは?
1.「未通女」をひらがなにすると3文字になります。
2.「未通女」の対義語には、「すれっからし」「熟成した」「大人びた」「早熟な」などがあります。
3.『未通女らしくさらにまっ赤になってその場をはずしてしまった。』有島武郎「或る女」より引用
正解は…
正解は「おぼこ」でした!
まだ世間を知らない、うぶ、初々しい、生娘(きむすめ)、処女といった意味です。
「未通女」という漢字は当て字で、性交渉の経験がまだない人を意味します。
「未通女(おぼこ)」には「女」という漢字が使われていますが、ひらがなで書けば男性(主に男児や少年)に使ってもかまいません。
「おぼこ」の語源は?
「おぼこ」という言葉の語源は諸説あります。ここでは有力な説を2つ紹介しましょう。
1つは出世魚の鯔(ボラ)の幼魚時代を「オボコ」と呼ぶこと。もう1つは新生児を「産子(うぶこ)」とよぶことです。
関東ではあまり耳にしませんが、関西地域や東北の一部では、今でも幼くてかわいいという意味で「おぼこい」という言い回しをするそうです!
2つ目の漢字は「賺す」です!
「賺す」を何と読みますか?
これが上手な人は、人生でちょっと得をしているかもしれません。
3つのヒントから考えてみてください。
「賺す」の読み方のヒントは?
1.「賺す」をひらがなにすると3文字になります。
2.「賺す」の対義語には「脅す」「凄む」などがあります。
3.『うまく賺して押片付けてしまおうじゃねえか』中里介山「大菩薩峠」より引用
正解は…
正解は「すかす」でした!
機嫌をとって、こちらの言うことを聞き入れるよう仕向ける。おだてて、その気にさせる。
また、言いくるめてだますことも「賺す」といいます。
「賺す」の類語
似たニュアンスの言葉は、「丸めこむ」「たらしこむ」「かどわかす」「欺く」「騙くらかす」です。
あまり良い意味ではありませんが、「賺す」のが上手な人は対人関係のスキルが高そうですね。無駄な争いを避けられるのではないでしょうか。
「賺す」の例文
・宥め賺す(なだめすかす)
・脅したり賺したりして
なお、「あいつスカしやがって…気に入らないな」の「スカす」と「賺す」は全く別の意味ですから、混同しないでくださいね!
いい格好をする、ツンと澄ましていることをあらわす「スカす」は、「賺す」ではなく「透かす」と書きます。
3つ目の漢字は「臨終」です!
「臨終」を何と読みますか?
もちろん「りんじゅう」でも正解です!
でも、それ以外の読み方は思いつきますか?
「臨終」の読み方のヒントは?
1.「臨終」をひらがなにすると3文字になります。
2.「臨終」の類語には「最期」「終焉」「末後」などがあります。
3.『臨終の際まで黙し候』泉鏡花「琵琶伝」より引用
正解は…
正解は「いまわ」でした!
一般的には「今際」と書くことが多いです。
「臨終の際(いまわのきわ)」「臨終の刻み(いまわのきざみ)」は、死に際のこと。
今はもうこれで終わり、今限りといった意味で、由来は仮名の「いまは」ですが、現代は「いまわ」と書きます。
「いまわ」は、助かる見込みが無く、死に直面して切迫した様子。
「臨終(りんじゅう)」は、まさに息を引き取ろうとする瞬間を指します。
ちなみに「臨終(りんじゅう)」とは、仏教用語の「臨命終時(りんめいじゅうじ)」という言葉が語源になっています。「終わりに臨むこと」です。
他にもある!「いまわ」
「臨終」「今際」の他にも、「いまわ」と読む漢字を文学作品からいくつか紹介します。
『最期(いまわ)の際にしろ、彼女は、』三上於菟吉「雪之丞変化」
『ただ我終焉(いまわ)に臨みて汝等に』幸田露伴「印度の古話」
『末期の際にタッタ一言……』夢野久作「芝居狂冒険」
4つ目の漢字は「侘助」です!
「侘助」を何と読みますか?
とても美しい植物の名前です!
茶道をたしなむ人は読めるかもしれません。
「侘助」の読み方のヒントは?
1.「侘助」をひらがなにすると4文字になります。
2.『佗助や障子の内の話し声』高濱虚子
3.「侘助」の花言葉は、控えめ・慰めてあげます・簡素・静かなおもむき。
正解は…
正解は「わびすけ」でした!
「侘助」は、椿(ツバキ)の品種。
ワビスケツバキ、スキヤワビスケなどと呼ばれ、11月頃から3月に開花します。
俳句では冬の季語です。
白、桃色、紅色があり、完全には開ききらないラッパ型の咲き方が特徴。
散るときは花びら1枚ずつではなく、寿命が来ると花ごとポトリと落ちます。
「侘助」は、古くから千利休などの茶人が愛した花として有名。
今でも茶花や庭木の定番となっています。
可憐でたたずまいはまさに「ワビ・サビ」のイメージ。
由来は諸説ありますが、千利休に仕えていた庭師が「侘助」だったという説が有力です。
「侘」の音読みは「タ」、訓読みは「侘る(ほこる)」「わび」です。
ちなみに、茶人には人気のある「侘助」ですが、江戸時代の武士たちには嫌われていたのだそう。
理由は、花ごとポトリと落ちるさまが「首が落ちる」を連想させたから。
5つ目の漢字は「泡糖」です!
「泡糖」の読み方をご存じですか?
ストレートに「あわとう」という読み方もありますが、他の読み方が使われることも多いです。
いったい何と読むのでしょうか?
「泡糖」の読み方のヒントはこちら
- 外国語を漢字であらわしています
- カタカナで書くと「カ○○○」の4文字
- 「カ○○焼き」とも呼ばれる駄菓子です
以上の2つのヒントから考えてみてください。
「泡糖」の読み方、正解は・・・
正解は
「カルメラ」
です!
ざらめ糖と水を煮詰めて泡立たせ、重曹を加えてふくらませ、固めた駄菓子のことです。
「カルメ焼き」とも呼ばれていて、祭りや縁日の屋台で実演販売されています。化学反応を利用しているため、理科の実験で作ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
語源はポルトガル語の「甘いもの」(caramelo)から来ています。室町時代末期に伝来した「南蛮菓子」と呼ばれるお菓子の一種です。金平糖などと同じく伝来して日本に定着し、漢字があてられたようです。
砂糖が泡立つので「泡糖」と表現されていますが、他にもカルメラを表現する漢字が江戸時代の書物「和漢三才図会(当時の百科事典のようなもの)」で紹介されています。興味のある方は、どういう漢字なのか調べてみると面白いですよ。
屋台でカルメ焼きを見た時「泡糖」のことも思い出してくださいね。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました!