「鳶肩」の読み方をご存じですか?
「鳶」は「とび」「肩」は「かた」と読みますが「とびかた」と読むと間違いです。
それでは、いったい何と読むのでしょうか?
「鳶肩」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○○けん」の4文字
- 音読みです
- 「いかり肩」と同じ意味です
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「鳶肩」の読み方、正解は・・・
正解は
「えんけん」
です!
「鳶」はトビ、トンビと呼ばれる鳥のことをあらわしています。トビが上昇気流に乗って舞い上がる様子を、人間肩が角張っているイメージに合わせた、現代で言う「いかり肩」をあらわす言葉です。
「いかり肩」を意味する言葉は他にも「差肩」や漢字をあてた「怒り肩」があります。
「鳶肩」と「菩薩肩」
「鳶肩」について日本で説明した文章として有名なのは、明治から昭和にかけて活躍した小説家、幸田露伴の「連環記」です。
さし肩というのは、菩薩肩というのとは反対で、菩薩肩は菩薩像のような優しい肩つき、今でいう撫肩であり、さし肩というのは今いう怒り肩で漢語の所謂(いわゆる)鳶肩である。
ここでは「撫肩(なで肩)」は「菩薩肩」、「鳶肩」は「怒り肩」である、と説明されていますが、この「菩薩肩」という言い方はあまり使われていません。菩薩像は作られた時代によってはなで肩ではなく、特になで肩が多くなったのは江戸中期からと言われています。「連環記」が掲載されたのは昭和初期なので、当時流通していた菩薩像はなで肩が多かったのかもしれないと考えると面白いですね。
「いかり肩」という言葉を見たら、トビの姿と一緒に「鳶肩」という言葉も思い出してくださいね。