今日の難解漢字は
「鳬がつく」
「御内儀」
「葦原中国」
「蘭鋳」
「負笈」
です!
どれもなんとなく読めそうな漢字ばかりですが、
なんと読むか分かりますか?
目次
1つ目の漢字は「鳬がつく」です!
あなたは「鳬がつく」を何と読みますか?
もちろん、「とりがつく」とは読みませんよね!
気持ちがすっきりして整理がつくことです。
「鳬がつく」の読み方のヒントは?
1.「鳬がつく」の類義語には、「収拾」「終止符」「幕引き」などがあります。
2.「鳬がつく」を英語で表現すると、ゲームクリア、フィニッシュなどが近いでしょう。
3.『談合は旨く鳬が付いたものと見え、』西尾正「陳情書」より引用
正解は…
正解は「けりがつく」でした!
「鳬」の音読みは「フ」、訓読みは「けり」「かも」、13画の漢字です。
訓読みの「かも」はカモ科の「鴨」またはチドリ科の鳥を指します。
「鳬がつく」の語源
和歌などで使われる助動詞の「〜けり」が語源と考えられています。
文末に用いられることから、終わらせる、終い(しまい)を意味します!
イメージ的に「蹴りがつく」と書きたくなりますが正しくありません。
「片をつける」とはどう違う?
「鳬をつける」とは、容易に決められない問題に決着をつけること、終わらせることです。いざこざがあったものの、物事を無事に終えようとするときに使うのが適します。
一方「片をつける」は、物事を処理して答えをはっきりさせること、何かしらの結論を出すことです。
2つ目の漢字は「御内儀」です!
「御内儀」って、何だかひな人形の「お内裏様」みたいな漢字ですよね。
ですが、「お内裏様」の読み方はお内裏(おだいり)です。
「御内儀」は・・・「ごうちぎ」?「おうちぎ」?
何と読むのでしょうか?
また、どのような意味があるのかも合わせて見ていきましょう!
「御内儀」の読み方のヒントは・・・?
それでは、「御内儀」の読み方のヒントです!
読み方は、ひらがなで「ご〇〇ぎ」の4文字です。
「内」の読み方が問題ですね・・・
「内」は、「うち」とも「ない」とも読みますが、どちらが入りますよ!
さあ、分かりましたか?
「御内儀」の読み方の答えは・・・
正解は、「おないぎ」でした!
気になる「御内儀」の意味ですが、他の方の奥さんを敬って呼ぶときの呼称です。
江戸時代、町人の妻を呼ぶときに使われました。
「町人の」とわざわざ言うのは、理由があります。
というのも、江戸時代には大名・武士の妻は「御新造」、将軍の妻は「御台所」と呼ばれていたのです。
皇族の妻は「御簾中」と呼ばれていました。
身分の違いによって、奥さんの呼び方も違っていたわけなんですね。
なかなか難しい時代だったのですね・・・
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
3つ目の漢字は「葦原中国」です!
「葦原中国」を何と読みますか?
中国の地名ではなく、日本人に関係ありますよ!
早速ヒントを見てみましょう。
「葦原中国」の読み方のヒントは?
1.「葦原中国」をひらがなにすると10文字になります。
2.歴史が好きな人は知っているかもしれません。
3.『すなわち高天原皆暗く、葦原中国ことごとに闇し』古事記より引用
正解は…
正解は「あしはらのなかつくに」でした!
日本列島のことです。
略して「葦原国(あしはらのくに)」とも呼ばれます。
「葦原」とは、イネ科の多年草が生い茂った場所です。
「葦」の音読みは「イ」、訓読みは「あし」「よし」です。
どうして「中国(なかつくに)」?
日本書紀ではなく、古事記を基本に解説します。
「葦原中国」の上は「高天原(たかまがはら)」。
「高天原」には、天照大神(アマテラスオオミカミ)をはじめ多くの天津伸がいます。
「葦原中国」の下は「黄泉国(よもつくに)」。
「黄泉国」には、黄泉津大神(ヨモツオオカミ)がいます。国生み、神生みの伊邪那美命(イザナミノミコト)と同一神ですよ!
私たちが暮らす「葦原中国」は、真ん中なので「中国(なかつくに)」なんですね。
「葦原中国」、日本人として読めるようにしておきたい漢字です。
4つ目の漢字は「蘭鋳」です!
「蘭鋳」を何と読みますか?
みなさん見たことがあるはずですよ。
家で飼ったこともあるかも…
「蘭鋳」の読み方のヒントは?
1.「蘭鋳」をひらがなにすると「〇〇〇ゅ〇」になります。
2.『蘭鋳の爆発寸前のかたち』奥坂 まや
3.『この真冬に蘭鋳が悠々と尾鰭を動かしているといったぐあい。』久生十蘭「魔都」より引用
正解は…
正解は「らんちゅう」でした!
「蘭鋳」とは、金魚の品種。
俳句では夏の季語に分類されます。
体型はずんぐりむっくり、背びれがなくて尾びれが小さく、頭部に肉こぶがあるのが特徴。
金魚鉢のように横から見るのではなく、上から眺める「上見(うわみ)」という観賞法に適した金魚です。
肉こぶがライオンの頭部に似ているので、海外では「ライオンヘッドゴールドフィッシュ」と呼ばれます。
日本人は金魚好き
江戸時代には「金魚売り」がいたほど、日本人は昔から金魚が大好き。
浮世絵にも金魚がよく登場します。
当時の「蘭鋳」は「丸子(まるっこ)」と呼ばれていたそうです。
金魚売りの仕事は庶民がしていましたが、養殖していたのは武士が多かったといいます。
下級武士にとって、貴重な収入源だったんですね!
現在も全国各地で愛好家による品評会が行われていますから、日本人の金魚好きは変わっていないようです。
5つ目の漢字は「負笈」です!
「負笈」の読み方をご存じですか?
「負」は「負ける」「背負う」などよく見る漢字ですが「笈」はあまり見かけないですね。
何と読むのでしょうか?
「負笈」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「ふ○○○」の4文字
- 音読みです
- 「普及」と同じ読み方です
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「負笈」の読み方、正解は・・・
正解は
「ふきゅう」
です!
「笈」は「おい」とも読み、竹製や木製の箱を意味します。笈には主に書物や衣服などを入れ、背負って運ぶため「負笈」は「笈を背負って運ぶ」という意味です。転じて「遠くへ勉学に出かけること、遊学(故郷を出て他の土地で勉強)すること」という意味になります。
「笈」は現在で言う「リュックサック」の先祖とも言える存在ですが、出家して修行のため諸国を巡る僧侶が使用することが多く、金銅板が貼り付けられ装飾されているものは相当な重量があったようです。
「背負う」「書物」というと二宮尊徳(二宮金次郎)を思い浮かべますが、あちらは薪(たきぎ)を背負いながら、つまり仕事をしながら学問に励んだというエピソードのため、大分異なります。
「おくのほそ道」で有名な松尾芭蕉が「笈の小文(おいのこぶみ)」という紀行文を書いている、と言うとなんとなく「負笈」のイメージがしやすいのではないでしょうか。
「負笈」の読み方、この機会に是非覚えてくださいね。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました!