今日の難読漢字は
「蟪蛄」
「遁辞」
「矧ぐ」
の3問です!あなたは正しく読めますか?
目次
難読漢字、1問目は「蟪蛄」!
「蟪蛄」の読み方をご存じですか?
「蟪」も「蛄」も普段見かける字ではありませんね。
いったい何と読むのでしょうか?
「蟪蛄」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「け○○」の3文字
- 音読みです
- 夏によく見かける虫のことです
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「蟪蛄」の読み方、正解は・・・
正解は
「けいこ」
です!
「蟪蛄」はセミ、特にニイニイゼミのことをあらわす言葉です(ツクツクボウシという説もあります)。
6月下旬頃から他のセミより早く鳴き始めるので、ニイニイゼミの鳴き声が聞こえると夏の始まりを感じますね。
なお「蟪」という字はほぼ「蟪蛄」という使い方しかしませんが、「蛄」の方は別の漢字と合わせて他の生物をあらわす難読漢字として使われることが多いです。
「蟪蛄春秋を識らず」
「蟪蛄」を使った故事成語で有名なのは
「蟪蛄春秋を識(知)らず」
です。
セミは幼虫時代、何年もの長い期間を地中で過ごし、地上に出て成虫になってからの寿命はとても短いと言われています。ほとんどのセミは夏の間に生命が尽きてしまうため、夏の前に春があることも、夏の後に秋があることも知ることができません。そもそも自分が地上で鳴いている季節が夏だということも知らないというはかなさをあらわしています。
同時に自分の周囲だけでもっと広い世界を知らない、世間知らずという意味で使われることもあります。
同じような意味で使われる難読漢字の故事成語もありますので、是非ご覧ください。
セミが賑やかな季節になったら「蟪蛄」の読み方も是非思い出してくださいね。
難読漢字、2問目は「遁辞」!
「遁辞」の読み方をご存じですか?
「遁」という字は「盾」という字に似ていますが「たてじ」ではありません。
それでは、いったい何と読むのでしょうか?
「遁辞」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○○じ」の3文字
- 音読みです
- 「遁」は忍術の一種で使われることがあります
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「遁辞」の読み方、正解は・・・
正解は
「とんじ」
です!
「遁」という漢字には「のがれる」「かくれる」や「しりごみする」「あとずさりする」という意味があります。忍術で使われる「○遁の術」は「遁術」と呼ばれ、攻撃ではなく敵から姿を隠したり逃げたりする際に用いる術のことを言います。
「辞」という漢字には「やめる」の他に「ことば」という意味があります。
上記を合わせた「遁辞」は「言い逃れの言葉」「逃げ口上」という意味になります。
「遁辞はその窮する所を知る」
儒教の思想家、孟子は「公孫丑上」の中で
「遁辞はその窮する所を知る」
と言ったと書かれています。言い逃れをしている人に出会うと『この人は考えに行き詰まっているのだな』ということがわかる、という意味になります。
言い逃れをしてもそれを見透かされてしまうことを肝に銘じつつ「遁辞」の意味と読み方を覚えておいてくださいね。
難読漢字、3問目は「矧ぐ」!
「矧ぐ」の読み方をご存じですか?
「矧」という字は「矢」と関係がありそうですが、馴染みのない字ですね。
いったい何と読むのでしょうか?
「矧ぐ」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○ぐ」の2文字
- 訓読みです
- 字のイメージとは若干異なる意味です
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「矧ぐ」の読み方、正解は・・・
正解は
「はぐ」
です!
読み方から「はがす」という意味を連想しますが「矧ぐ」にはそういう意味はありません。また、字から連想するように弓を引くという意味でもありません。
「竹に羽根などややじりをつけて矢を作る」という意味になります。
弓を引く以前の「矢を作る」という段階を意味しているので気を付けましょう。
「戦を見て矢を矧ぐ」
ことわざ(成句)に
「戦を見て矢を矧ぐ」
という言葉があります。文字通り「戦が始まったのを見てから慌てて矢を作る」、つまり何か起きてから慌てて準備することのたとえになります。
「戦」は「軍」や「敵」と書くこともありますが、どれも同じ意味で、事前に起こることを想定して準備をしていないと手遅れになる、ということです。
事前の準備が大事という、現代でも通じることわざと一緒に「矧ぐ」の読み方も是非覚えておいてくださいね。
さて、難読漢字3問、いかがでしたか?
今回はことわざで使われる難読漢字を選んでみました。
全問正解できた方も、今回はあまり正解できなかった方も、また難読漢字にチャレンジしてみてくださいね。