漢字読み講座

【今日の難読漢字】「律呂」「鉤餌」「汀渚」あなたは何個読めますか?

今日の難読漢字は

「律呂」

「鉤餌」

「汀渚」

の3問です!あなたは正しく読めますか?

難読漢字、1問目は「律呂」!

「律呂」の読み方をご存じですか?

「律」は「法律」など、日常的によく見かける漢字です。「呂」は「風呂」などで使う漢字ですが、そのまま「りつろ」と読むと間違いです。

それでは、いったい何と読むのでしょうか?

「律呂」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「りつ○」の4文字
  2. 音読みです
  3. 音楽関係の言葉です

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「律呂」の読み方、正解は・・・


正解は

「りつりょ」

です!

雅楽(日本古来の音楽や舞がアジア大陸の音楽や舞と融合され日本化した芸術)において「音階」を意味する言葉です。

雅楽では十二の音階(音律)を使用しますが、奇数番目を「律」、偶数番目を「呂」と呼びます。これを「六律六呂」や「十二律呂」を呼ぶこともあります。

「呂律」との関係

ところで、漢字を逆にした「呂律」という言葉の方が日常ではよく見かけますよね。
「呂律が回らない」という使い方で、舌の動きが悪く話している言葉がはっきりしない様子をあらわしています。

実は「呂律」も「律呂」と同じ意味なのです。読み方も「りょりつ」でした。

雅楽を演奏する際、「呂」の音階と「律」の音階がうまくかみ合わないことを「呂律が回らない」と言っていたものが一般に広まり、話し方にも使われるようになったことでなまったと言われています。

雅楽に触れる機会があったら、ぜひ「律呂」の読み方も思い出してくださいね。

難読漢字、2問目は「鉤餌」!

「鉤餌」の読み方をご存じですか?

「餌」はペットを飼っているとよく見かける字で「鉤」は工具などで見かけることがあります。

いったい何と読むのでしょうか?

「鉤餌」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「こ○○」の3文字
  2. 音読みです
  3. 釣りに関係する言葉です

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「鉤餌」の読み方、正解は・・・


正解は

「こうじ」

です!

「鉤」は「物をひっかけたりとめたりする先の曲がった金属製の道具」のことで、「つりばり(釣り針)」も鉤の一種です。「鉤爪(かぎづめ)」も、動物の爪が根元から先にかけて湾曲している様子から「鉤」が使われています。

「餌」はそのまま「動物にあたえる食べ物(えさ)」のことですが、「人を誘惑する手段」と解釈されることもあります。

「鉤餌」はそのまま「釣り針と餌」という意味を持ちますが、餌の意味から「人を誘い込む魅力的なもの」という意味で使われることもあります。

スケールの大きい釣りの話

「鉤餌」という言葉の歴史は古く、紀元前の書物「荘子」の逸話にも使われているのですが、荘子の釣り話の中にあまりにもスケールが大きく面白い話があるので紹介します。

任の国の公子が、太い縄と大きな釣鉤を作り、去勢した牛50頭を餌にして山の上に坐り、大海に竿を振った。1年以上経ったある時、とても大きい魚を釣り上げた。大魚は鉤にかかると深く潜ったり飛び上がったりした。その波紋は山のように高く海水を揺り動かし、そのうなり声は鬼神のようで千里四方の人々を驚かした。
公子が釣り上げた魚を干し物にして配ったところ、人民すべてが満腹になった。

小さな竿に細い糸をつけ、水たまりで小魚を釣っているようでは、到底大魚は釣り上げられない。些細なことに拘っていては、大志を遂げることはできないのだ。

色々突っ込みたくなる話ですが、それも含めて「些細なこと」なのかもしれません。

「鉤餌」という言葉を見かけたら、読み方と一緒に釣りの話も是非思い出してくださいね。

難読漢字、3問目は「汀渚」!

「汀渚」の読み方をご存じですか?

「渚」は時々見かける漢字ですが「汀」はあまり見かけませんね。

いったい何と読むのでしょうか?

「汀渚」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「てい○」の4文字
  2. 音読みです
  3. 同じ意味の漢字を合わせた言葉です

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「汀渚」の読み方、正解は・・・


正解は

「ていしょ」

です!

「汀」「渚」ともに「水際、波打ち際」という意味があります。更にどちらの字も訓読みが「なぎさ」と「みぎわ」です。

「汀」は主に「みぎわ」と読み、「渚」は主に「なぎさ」と読みますが、「汀渚」は同じ意味の言葉を重ねた熟語になります。

「汀」と「渚」の違いは?

「汀」も「渚」もほぼ同じ意味で使われている漢字ですが、違いはあるのでしょうか?

どちらの漢字も「水際、波打ち際」という意味がありますが、「渚」には2つ目の意味として「なかす(中州)、こじま」があります。中州は川の中で島のようになっている地形のことです。微妙な違いですが、これにより「汀渚」は陸地だけではなくあらゆる場所の波打ち際をあらわす言葉ということになりますね。

水際が美しいところに行った時は、「汀渚」の読み方を是非思い出してくださいね。

 

さて、難読漢字3問、いかがでしたか?
今回はちょっとなじみのない読み方をする言葉を選んでみました。

全問正解できた方も、今回はあまり正解できなかった方も、また難読漢字にチャレンジしてみてくださいね。

ABOUT ME
さとう みえ
漢字が好きで、学生時代に漢字検定2級を取得するも、社会に出てから特に書き取りが怪しくなっていることに気付きました。子供の宿題に付き合いつつ自分も勉強し直す日々です。IT×子育てのサイトを運営しています。