漢字読み講座

「跳梁」「沃度丁幾」「馴化」これらの読み方は?【難読漢字に挑戦!】

今回のお題は「跳梁」「沃度丁幾」「馴化」です。

どこかで見たような気もするけどなかなか難しい…

あなたには全て読むことができますか?

1問目はこの漢字から!「跳梁」

「跳梁」の読み方をご存じでしょうか?

「跳ねる」と「梁(はり)」で「はねはり」と読むのはもちろん間違いですよ。

日常であまり使う言葉ではありませんが、きっと耳にしたことがあるのでは。

さて、あなたには正しい読み方がわかりますか?

「跳梁」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「〇〇〇〇〇〇」の6文字
  2. 跳梁跋扈は「〇〇〇〇〇〇ばっこ」と読みます
  3. 思うまま、好き勝手にふるまうこと

以上の3つのヒントから考えてみてくださいね。

「跳梁」の読み方!正解は!?

正解は「ちょうりょう」です!

そもそもの意味は自由に跳ね回ることですが、転じて、悪人が好き放題にふるまうことを指して言うようになりました。

以下は「跳梁(ちょうりょう)」を使った例文です。

  • 倉庫では大量のネズミが跳梁していた
  • ルールが崩壊し、悪鬼が跳梁する世となった
  • この町では窃盗団が跳梁している

ヒントに示した「跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)」は、「跳梁:跳ね回る」と「跋扈:権威を無視してやりたい放題する」の二つの意味が合わさって「悪人が好き勝手にふるまい、のさぼる」と言う意味になります。

2問目はこの漢字!「沃度丁幾」

「沃度丁幾」を何と読みますか?

意味あり気ですが格言ではありません!

早速ヒントを見てみましょう。

「沃度丁幾」の読み方のヒントは?

1.「沃度丁幾」をひらがなにすると6文字になります。

2.昭和生まれの人には懐かしい存在かも…

3.『脚をおさえながら沃度丁幾を塗りはじめた。』久生十蘭「キャラコさん」より引用

正解は…

正解は「ヨードチンキ」でした!

「沃度丁幾」とは、ヨウ素などをエタノールに溶かした薬剤です。

「沃度丁幾」の「沃度」は「ヨウ素」、「丁幾」は「アルコール溶液」を意味します。

赤褐色の液体で、そのままだと劇薬ですが、2倍に希釈した「希・沃度丁幾」が消毒薬としてよく知られています。

歯医者さんの治療でおなじみですね!

昔の日本では家庭用消毒薬の定番でしたが、今は他の消毒薬がメジャーになっています。

赤チンとの違い

昭和生まれの人は「赤チン」と「沃度丁幾」を同一視しているかもしれません。

「赤チン」は「赤いヨードチンキ」を略した俗称薬剤としては別のものです! ちなみに、「沃度丁幾」の俗称は「ヨーチン」といいます。

赤チンは水俣条約によって販売中止になっていますが、「沃度丁幾」はメジャーではないものの、販売は続けられています。

最後はこの漢字!「馴化」

「馴化」の読み方をご存じですか?

「馴」は「馴れる」という言葉があるので「なれか」と読みたくなりますが、違います。

それでは、どのように読むのでしょうか?

「馴化」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「じ○○」の4文字
  2. 心理学で使うことが多い言葉です
  3. 「順応」という似た言葉があります

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「馴化」の読み方、正解は・・・


正解は

「じゅんか」

です!

「同じ刺激を長時間与えられると、刺激に対する反応が鈍くなっていく」という心理学的現象のことをあらわす言葉です。

平たく言うと「慣れる」ということで「順化」と書くこともあります。

家の近くで工事をしていたら、初めはうるさく感じますが、そのうちあまり気にならなくなります。これは自分の身に危険なことが起こらないと感じたので「馴化」したのですが、工事が新しい段階に入って別の重機を使い始めたらまたうるさく感じます。別の刺激には普通に反応することがわかります。

「馴化」と「順応」

ヒントで似た言葉として「順応」を挙げましたが、これは同じ刺激を受け続けた結果、身体の感覚がマヒして反応しなくなる現象です。「馴化」は経験によって学習した結果の「慣れ」で「順応」は感覚がマヒして感度が低下したための「慣れ」ということです。

ただ、日常生活ではあまりはっきり区別されることは多くなく、熱中症対策として環境省が提唱している「暑熱順化(しょねつじゅんか・身体を暑さに慣れさせて熱中症を起こりにくくすること)」も厳密には使い分けられていないようです。心理学を専門に学ぶのでなければ、どちらも「慣れる」という意味で問題ないのかもしれませんね。

ちょっと難しいけれどよく起こる現象「馴化」の読み方、この機会に是非覚えてくださいね。

ABOUT ME
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ライターの眠兎(みんと)と申します。 ひょんな思い付きから漢字検定2級を取得し、それ以来漢字の魅力に取りつかれてしまいました。 まだまだ知らない漢字がたくさんある私ですが、記事を書きながら楽しく勉強していきたいと思っています!