「野蒜」の読み方をご存じですか?
「野」は「野菜」「野原」などでよく使われる言葉ですが、「蒜」はあまり見かけませんね。草かんむりなので植物関係の言葉のようですが、いったい何と読むのでしょうか?
「野蒜」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「の○○」の3文字
- 訓読みです
- 野草の名前です
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「野蒜」の読み方、正解は・・・
正解は
「のびる」
です!
「野」は「自然のままの」という意味で、「蒜」は「食用となるユリ科の多年草(の古名)」です。具体的には「ネギ」「ニンニク」「ニラ」など、匂いの強い食用野菜をさしています。
「野蒜」は土手や道端に生える「ノビル」のことをあらわす言葉です。葉と球根が古代から食べられていたと言われています。山菜を採る方には親しまれている「野蒜」ですが、スイセンなどの似ている植物で食中毒になることがあるため、食べる時は注意が必要です。
「野蒜」を扱った歌
現代でも野蒜は春の山菜としてよく食べられていますが、「野蒜」が古代から親しまれていた根拠として「古事記」や「万葉集」に野蒜を扱った歌があることが挙げられます。
いざ子ども 野蒜摘みに 蒜摘みに (後略)
— 応神天皇、『古事記』
応神天皇は4世紀頃に在位していたと言われる第15代天皇です。野蒜は薬味にしたり酢みそであえたりと身近な食品だったようで、歌の前半で野蒜を摘みに行こうと呼びかけています。皇位についていらっしゃる方が本当に野蒜を摘みに行くことができたのかはわかりませんが、親しまれている山菜だったことはわかりますね。
野蒜を見かけることがあったら、その歴史を思い出しつつ読み方も思い出してみてくださいね。