今回のお題は「蹕」「黒南風」「令姪」です。
どこかで見たような気もするけどなかなか難しい…
あなたには全て読むことができますか?
目次
1問目はこの漢字から!「蹕」
今回の難読漢字クイズは「蹕」です。
交通史に詳しい人は知っているかもしれません。
早速チャレンジしてみましょう!
「蹕」の読み方のヒントは?
1.「蹕」をひらがなにすると5文字になります。
2.警備の人が忙しくなります。
3.古くは天子の行幸や巡行で目にしました。
正解は…
正解は「さきばらい」でした!
「蹕」とは、位の高い人が道路を通る際に通行人の流れを止めたりよけさせたりさせることです。
目的は、偉い人の通行を妨げないこと!
昔は「道押(みちおさえ)」「道払い(みちばらい)」などとも呼ばれたのだそう。
『路払ひいたしをくり届くべけ候』「籾井家日記」より引用
なお、同じ意図で乗り物を一時停止させることは「駐蹕(ちゅうひつ)・駐輦(ちゅうれん)」といいます。
「駐蹕・駐輦」には、位の高い人がその土地でいっとき滞在するという意味もあります。
現代社会で、「蹕」や「駐蹕・駐輦」を目にする機会があるとしたら、サミット開催時や皇族のお出ましといったシチュエーションが考えられますね。
「蹕」の音読みは「ヒツ・ヒチ・ヒ・ビ」、訓読みは「さきばらい」、漢検1級18画の漢字です。
「蹕」は「足」と「畢」の組み合わせ。「畢」には、すき間を封じる、抑える、押さえるなどの意味があります。
2問目はこの漢字!「黒南風」
本日の難読漢字は「黒南風」!
あなたは何と読みますか?
少し憂鬱でじめじめしたイメージです。
3つのヒントで考えてみましょう。
「黒南風」の読み方のヒントは?
1.「黒南風」は、黒という色のイメージにぴったりの風です。
2.「黒南風」に対して「白南風」もあります。
3.「黒南風」は、俳句で夏の季語とされています。
正解は…
正解は「くろはえ」でした!
濁点を付けて「くろばえ」と読んでも正解ですよ。
「黒南風」とは、夏の梅雨時に吹く南風のこと。
陰鬱で憂鬱な梅雨のイメージと、どんよりした雨雲を黒という色に例えているんですね。
季節風やモンスーンより、風情のある呼び方です。
俳句では、梅雨さなかの南風を「荒南風(あらばえ)」、梅雨明けの南風を「白南風(しらはえ)」と呼びます。
『黒南風の雲斷れにけりこの夜ふけ月ほそく光り鷺と鶴のこゑ』北原白秋
『白南風や海一望の観覧車』倉田静子
『黒南風や鯉飛び跳ねる草の上』笹川悦子
3種類とも南風を「はえ」と読みますが、沖縄では南の方位を、西日本でも南寄りの風を、「はえ」といいます。
また、南風(はえ)と読む地名も日本には多く見られます。
沖縄県:南風原町(はえばるちょう)・勝連南風原(かつれんはえばる)
長崎県:白南風町(しらはえちょう)・南風崎町(はえのさきちょう)
最後はこの漢字!「令姪」
「令姪」の読み方をご存じですか?
「令」は「命令」などで見かける漢字で、「姪」は兄弟姉妹の娘として使う漢字ですね。しかし、そのまま「れいめい」とは読みません。
それでは、いったい何と読むのでしょうか?
「令姪」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「れいて○」の4文字
- 音読みです
- 「令嬢」と同じような使い方をします
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「令姪」の読み方、正解は・・・
正解は
「れいてつ」
です!
「姪」は音読みが「テツ」で、意味は兄弟姉妹の娘ですが、中国では兄弟姉妹の息子(甥)として使われたこともあるそうです。基本的には女性のことと考えて問題ないでしょう。
「令」は「いいつける(命令など)」「きまり(法令など)」という意味もありますが、ここでは「他人の親族に対する敬称」という意味になります。
つまり「令姪」は「姪御さん」のように「姪」に対する敬称となります。「ご令姪」のように使います。
「姪」を音読みする例
「姪」を音読みすることはあまり無いと思いますが、他の例としては
「姪孫(てっそん)」
があります。
姪の孫のことかと思いきや、意味は「自分の兄弟姉妹の孫」であり、つまり「甥、または姪の子ども」という、実に紛らわしい言葉になっています。
「姪」に意外な意味があることと一緒に「令姪」の読み方も是非覚えておいてくださいね。
出典:コトバンク