今回の難読漢字クイズは…
「出会す」「倦ねる」「後朝」です。
全部読めたら、あなたも漢字マスター!
目次
1個目はこの漢字!「出会す」
「出」も「会」も小学校で習う簡単な漢字ですが…
さて、あなたはなんと読みますか?
日常的によく使う言葉ですよ!
「出会す」の読み方のヒントは?
ヒント1.「出会す」をひらがなにすると4文字になります。
ヒント2.『かれの視線に出会すとあわてて視線を外らし』室生犀星「幻影の都市」より引用
ヒント3.「出会す」の類義語には「遭遇」「鉢合わせ」「めぐり会う」などがあります。
正解は…
正解は「でくわす」でした!
たまたま偶然に、ばったり出会うことですね。
人に対しても使いますが、「電車の事故に出会す」「旅行先で暴風雨に出会した」のように、ある場面や状況に居合わせたときも使います。
ちなみに「でっくわす」と読んでも正解です。
また、「出」と「会」をそれぞれ音読みすると「シュッカイ」という言葉になります。
「出会(シュッカイ)」と「出会す(でくわす)」は全く同じ意味です!
「であいがしら」の漢字
交通事故のニュースでよく目にする「出会頭(であいがしら)」は、「出合頭」ではなく「出会頭」が用いられます。
これは、「出会い」が偶然・思いがけず・意図せずという意味があるのに対し、「出合い」は合流する・団結・売買が成立することを意味するからです。
2個目はこの漢字!「倦ねる」
倦怠感の「倦(ケン)」ですね!
では、それ以外の読み方を考えてみましょう。
「倦ねる」をひらがなにすると4文字になります!
「倦ねる」の読み方のヒントは?
ヒント1. 『今朝から美登利の機嫌が惡くて皆なあぐねて困つて居ます、』樋口一葉「たけくらべ」より引用
ヒント2. 「倦ねる」の類義語や関連語には、「思案する」「苦渋」「当惑」などがあります。
ヒント3. 日常会話で使うことはないかもしれませんが、昔の文学作品でよく目にする言い回しです。
正解は…
正解は「あぐねる」でした!
いろいろ考えても良案が思いつかず、いろいろ努力しても思うような結果が得られずに困ってしまうことです。
現代語では、途方に暮れる、持て余すなどのニュアンスに近いでしょう。
「倦」という漢字は形声文字で「人間が丸くなって疲れている様子」をあらわしています。
音読みは「ケン」、訓読みは「倦む(うむ・あぐむ)」「倦ねる(あぐねる)」「倦れる(つかれる)」です。
「倦ねる(あぐねる)」の使い方
「倦ねる」という言葉を単独で使うケースは少なく、頭に〇〇を付けることが多いです。
例えば、考え倦ねる・攻め倦ねる・思い倦ねる・探し倦ねる・伸び倦ねる・答え倦ねるなどです。
3個目はこの漢字!「後朝」
「後朝」あなたは何と読みますか?
「ごちょう」ではありません。
音読み訓読みでなく、漢字の組み合わせからイメージを膨らませてくださいね。
「後朝」の読み方のヒントは?
ヒント1.「後朝」をひらがなにすると4文字になります。
ヒント2.「後朝」は、ちょっと色っぽい意味合いです。
ヒント3.『後朝や髪撫で上ぐる笹の露』寺田寅彦
正解は…
正解は「きぬぎぬ」でした!
「後朝(きぬぎぬ)」とは、男女が一夜を共にした翌朝を意味します。
ふたりの衣を重ねて寝た翌朝、それぞれが自分の衣を身につけて別れることから生まれた古語です。
平安時代は通い婚でしたから、男性が夜に女性のもとを訪れ、朝になれば去っていくのが普通でした。「後朝の別れ」は離別の象徴とされる言葉です。
せつない「後朝の歌」
百人一首には多くの「後朝の歌」が詠まれています。
「後朝の歌」は、逢瀬の後で男性から女性へ贈る歌です。歌を女性に届ける者は「後朝の使い」と呼ばれました。
百人一首50番『きみがため をしからざりし いのちさへ ながくもがなと おもひけるかな』
現代語『あなたに逢うためなら捨てても惜しくないと思っていた命ですが、あなたに逢った今では長くありたいと思うようになってしまいました。』