本日の難読漢字クイズは…
「鴨脚樹」「蛁蟟」「恙虫」です。
あなたは全部読めるでしょうか?
目次
1個目の漢字はこれ!「鴨脚樹」
まずは「鴨脚樹」です!
一度は見たことがあると思います。
さて、あなたは何と読みますか?
「鴨脚樹」の読み方のヒントは?
1.「鴨脚樹」をひらがなにすると「〇〇ょ〇」になります。
2.「鴨脚樹」の種といえば茶碗蒸しです。
3.『だいたいに榎や鴨脚樹のように』柳田国男「海上の道」より引用
正解は…
正解は「いちょう」でした!
街路樹や公園の観賞用としてお馴染みの樹木です。
お寺や神社の境内で目にすることも多いですね。
葉が厚く水分が多いため燃えにくいのが特徴の樹木で、東京都千代田区には、関東大震災を生き抜いた樹齢150年の「鴨脚樹」が残っています。
落葉高木に分類され、育つと30mにも達するそうです。
「鴨脚樹」の由来・語源は?
「鴨脚樹」の漢字の由来は読んで字のごとく、葉っぱの形状が水かきのついた鴨の足に似ていることなのだそう。
原産は中国で、イチャオ、ヤチャオ、ヤーチャウなどの中国語が「いちょう」になったといわれています。
「鴨脚樹」は、公孫樹または銀杏と書いても正解です。
種子の「銀杏」は、「ぎんなん」だけでなく、「いちょう」とも読みますよ!
「鴨脚樹」の別名には、「鴨脚(おうきゃく)」「乳の木」「四天王樹」「防火樹」などがあります。
2個目の漢字はこれ!「蛁蟟」
「蛁蟟」を何と読みますか?
秋が近づくと、この虫の鳴き声が響きます。
早速ヒントを見てみましょう!
「蛁蟟」の読み方のヒントは?
1.「蛁蟟」をひらがなにすると7文字です。
2.俳句では初秋の季語です。
3.学名は「Meimuna opalifera」
4.『蛁蟟が八釜しいまで鳴いているが』寺田寅彦「根岸庵を訪う記」
正解は…
正解は「つくつくほうし」または「つくつくぼうし」でした!
「ちょうりょう」と読んでも正解です。
「オーシーツクツク」と鳴きますね。
別名には、筑紫恋し(つくしこいし)、法師蝉(ほうしぜみ)があります。
そして、非常にややこしいのですが、「蛁蟟」と書いて「みんみんぜみ」とも読んでも間違いではありません。
ちなみに、初秋に鳴き出す蝉すべてを「寒蝉(かんぜみ)」と呼びます。
「蛁蟟」の鳴き声は面白い!
「蛁蟟」の鳴き声といえば「オーシーツクツク」だけの印象が強いでしょう。
でもリアルな鳴き声を順番に再現すると、他の蝉より複雑なのです。
ジーッ・ジワジワジワ・オーシー・ツクツクボーシ、ツクツクボーシ・フィーヨ、フィーヨ
いろいろなパーツが組み合わさっていて、まるでひとつの楽曲のようです。
鳴くのは午後から日没後くらいまでです。
3個目の漢字はこれ!「恙虫」
最後は「恙虫」です!
何と読みますか?
ちょっと嫌な虫ですよ…目が悪いと見えません…
「恙虫」の読み方のヒントは?
1.「恙虫」をひらがなにすると5文字になります。
2.「恙虫」は北海道と沖縄を除いた全国に生息します。
3.『蕃害は避け得たが、恙虫に刺されて命を落した者もいる。』中村地平「霧の蕃社」より引用
正解は…
正解は「つつがむし」でした!
「恙虫」は、ツツガムシ科のダニの総称。
国内だけで約100種以上生息しているそうです。
「恙」の音読みは「ヨウ」、訓読みは「つつが」「恙い(うれい)」です。
なお、「つつが」は災難や病を意味する言葉です。
問題がなくて無事な様子を「恙ない(つつがない)」といいますね。
刺されると「ツツガムシ病」に?!
有毒な「恙虫」の幼虫に刺されると「ツツガムシ病」を発症する恐れがあります。
「ツツガムシ病」になると、40度近い高熱が出て全身に紅斑が現れ、血栓ができたり出血しやすくなり、死に至るケースもあるそうです。
「恙虫」は東北地方で風土病として広がった過去があり、多くのお堂や神社が建立されました。秋田県横手町には、今も「ケダ二地蔵」があります。
妖怪「恙虫」
室町時代の「下学集」という辞典には、飛鳥時代に「恙(つつが)」という吸血虫が記されています。
また、「恙虫」は妖怪としても知られています。
江戸時代の「恙虫」は赤虫や島虫とも呼ばれ、非業の死を遂げた者の怨霊だと考えられていました。