だんだん過ごしやすい気候になり旅行に散歩にと出かけたい意欲が増す季節。しかし沢山歩いたらお腹も空きやすくなってきますよね。自宅や出先でご飯を食べたり、遅い時間に夜食に手が伸びたり…しがちですが睡眠にはどんな影響があるのでしょうか。太る・健康面等のテーマではなく、睡眠の質について考えてみたいと思います!
目次
■そもそもなぜ秋は食欲の季節?
日本は季節の境目がハッキリしており、農作物がちょうど収穫時期を迎えて食べ物が豊富になる事から「実りの秋」として長年、秋=食べ物が豊かというイメージが定着してきました。
また、中国から日本に伝わって来た「天高く馬肥ゆる秋」ということわざの影響もあって、「食欲の秋」というイメージ定着=いっぱい食べてもいいじゃないかという、ある意味で大食いの免罪符が出来上がった経緯があります。
■食事と睡眠の質の関係
暑くも寒くもない秋という季節は眠るのにも良い季節です。
しかし、活動が活発化しご飯が美味しい、収穫された食べ物が美味しい、お腹いっぱいになる理由が増える「食欲の秋」を優先すると、睡眠の質が落ちてしまうのです。お腹いっぱいになると眠くなるのに?と思う方もいるかもしれませんが、「眠くなる」のと「よく眠れる」は全く違うのです。
満腹状態になると満腹ホルモンとも呼ばれる「レプチン」が体内で分泌されますが、このレプチンの催眠効果で人はお腹いっぱいになると眠くなると感じるのです。しかし実際には人間をよく眠らせるためのホルモンではなく、消化に集中させるために胃腸の動きを活発化させる事なのです。よって、お腹いっぱい状態で眠ろうとしても身体や脳を効果的に休ませることが出来ず、寝た割にはスッキリしない…という感覚に陥ってしまうのです。
質の高い睡眠を得るためには、就寝3時間前には食事を済ませた方が良いという研究結果が出ています。しかし、多忙な社会人や付き合いで飲み会などが行われると、なかなかそうもいきません。そういった時は可能な範囲で「分食」といって食事を2回、3回などに分けて消化に時間がかかる物を早い時間に食べ、帰宅後など遅い時間帯は消化が早い汁ものや軽食で済ませる事が望ましいのです。
■睡眠の質を上げる食べ物とは?
理想論では食事の時間や取り方で睡眠の質を改善できるはずですが、実際に全員が実行できるとは限りません。ではせめて、どういった食事を摂れば睡眠の質に影響を与えられるのか?
魚介類で「グリシン」を摂取
人は体温が下がる事で眠りやすくなるとされています。グリシンという必須アミノ酸を摂取する事で脳を休ませ体温を下げる効果が得られるのですが、これはカジキマグロや海老、帆立などの魚介類に多く含まれています。グリシンを合成する「セリン」というホルモンを含む牛乳など乳製品も夜の摂取がお勧めです。
朝から採りたい「トリプトファン」
睡眠ホルモンとされる「セロトニン」の元となる「トリプトファン」。これは牛乳などの乳製品、豆、豆製品、バナナ、アボカド、肉や筋子などに含まれています。摂取してすぐ睡眠に影響が出るのではなく体内での変質を促す必要があるのでこれらの食材は朝食で撮って、睡眠に適した身体づくりを心掛けましょう。
アルコールは逆効果!お酒はほどほどに…
お酒飲んでガーっと寝るのが一番!という方も見かけますが、確かにアルコールは寝付くまでの時間短縮効果があります。しかし、睡眠時に脳を休ませる「深い睡眠」と言える時間帯が減少し、身体は寝ていても脳が動いている状態になりがちなのです。
よって、アルコールによる就寝は寝付きこそ良いものの、寝起きの悪さや翌日日中の活動低下に繋がるため、質の良い睡眠の為にはお勧めできないのです。
■まとめ
コロナ禍での生活も変化を迎え、夜になっても出歩く人が増えてきました。楽しく過ごす反面、睡眠の質が悪くなっている人はこうした「良く眠るためのヒント」とは真逆の生活様式や食事になっていないでしょうか?夜が伸びる秋だからこそ、しっかり対策して気持ち良い朝を迎えましょう!