3つの難読漢字クイズに挑戦!
本日の問題は「御首級」「樹懶」「夙に」です。
目次
まずは「御首級」から!
「御首級」の読み方は、「おんくびきゅう」でも「ごくびきゅう」でもありません。
この漢字、初めて見た人もいるのでは?
早速ヒントを見てみましょう。
「御首級」の読み方のヒントは?
1.現代人が日常会話で使用する言葉ではありません。
2.歴史小説が好きな人は知っているかもしれません。
3.『すでに亡きお実父上の御首級が、蘇生でもすると思召されるのか』吉川英治「新編忠臣
蔵」より引用
4.敵の武将を見つけたので、「御首級頂戴仕る(つかまつる)!」と叫んで斬りかかった。
もうおわかりですね。
正解は…
正解は「みしるし」でした!
「御」は敬語、「首級」は「しるし」あるいは「しゅきゅう」と読みます。
昔の戦では、敵の首を討ち取ることが手柄とされました。
持ち帰った「御首級」のランクが高ければ高いほど称えられ、主君から褒美を多く貰えたといいます。
「首実検」と占い
持ち帰った「御首級」は、死に化粧を施されてから「首実検(くびじっけん)」にかけられました。「実験」ではなく「実検」です。
「首実検」とは、本当に敵の首なのかを確認する検分作業です。このときに「面相(めんそう)」で吉凶を占うこともありました。
例えば、「御首級」の視線が右に向いているのを「右眼」と呼び「吉」としますが、左を向いている「左眼(さがん)」は「凶」です。
次は「樹懶」!
2つ目の難読漢字クイズは「樹懶」。
1文字目の「樹」はともかく、2文字目の「懶」は難しい漢字ですね。
でも、大抵の人は「樹懶」の存在を知っているはず…。
「樹懶」の読み方のヒントは?
1.「樹懶」は、「樹」と関係が深い動物です。
2.ひらがなにすると4文字になります。
3.野生の「樹懶」は、南アメリカや中央アメリカの熱帯地帯、アマゾンの密林などに生息しています。
4.「哺乳類なのに変温動物」というのが珍しい!
正解は…
正解は「ナマケモノ」でした!
微笑んでいるような口元がキュートな動物です。
「樹懶(ナマケモノ)」の「樹」はそのままの意味。
「樹」に登ったまま生活し、排泄するためにしか地上には降りてきません。
2文字目の「懶」も、実はそのままの意味。
「懶」の音読みは「ラン」、訓読みは「懶る(おこたる)」「懶い(ものうい)」「懶い(ものぐさい)」なので音読みでも訓読みでも意味は変わりません。
まさにぴったりの漢字ですね。
「樹懶」は変温動物
「樹懶」は哺乳類ですが、ヘビやカエルと同じ変温動物でもあります。
代謝が非常に低いため、排泄するのは1週間から10日に一回、食事は一回10g以下(葉っぱが数枚だけ!)、1日の移動距離は1メートル前後、1日20時間も睡眠に費やします。
最後は「夙に」!
最後の問題は「夙に」です。
「虱(しらみ)」や「凪(なぎ)」に似ていますが…
あなたは「夙」を何と読みますか?
「夙に」の読み方のヒントは?
1.「夙に」の類語には、「有名」「ポピュラーな」「老舗」などがあります。
2.『新傾向の俳人としては、夙に名を馳せた男だった。』芥川竜之介「魚河岸」より引用
3.田中課長が酒豪なのは、社内では夙に知られています。
正解は…
正解は「つとに」でした!
画数は6画、音読みは「シュク」、訓読みは「夙に(つとに)」「夙い(はやい)」「夙(まだき)」です。
「月」と「丮(ケキ)」を組み合わせた会意文字で、「欠けた月」と「人が両手で物を持つ」を表しています。
意味は大きく2つに分けられます。
ひとつは「早くから」「ずっと以前から」、もうひとつは「朝早く」「早朝に」です。
「つつしむ」という意味もありますが、あまり使われません。
間違えやすい使い方
「夙に」は、よく間違えた使い方をされます。
・最近夙に思う。
・夙に気になったのだが。
おそらく「特に」「ふと」「不意に」などと一緒になってしまうのかもしれませんが、どれ
も間違った使い方です。
語感のニュアンスは似ていますが、うっかり口に出さないよう注意しましょう。