漢字読み講座

「訛声」「悋か」「黠い」なかなか難しい3つの難読漢字です!

本日の難読漢字クイズは「訛声」「悋か」「黠い」

3つとも、なかなかの難易度です。

ぜひ挑戦してみてください!

1個目の漢字はこれ!「訛声」

「訛声」を何と読みますか?

もし読めなくても、どこかで聞いたことはあるはずです!

では、ヒントを見てみましょう。

「訛声」の読み方のヒントは?

1.「訛声」をひらがなにすると4文字になります。

2.テキ屋のおじさん、魚屋のおじさんに多いかもしれません。

3.「訛声」の類義語には「どら声」「ガラガラ声」などがあります。

4.『作藏は少し怒気を含み、訛声を張上げ』三遊亭円朝「真景累ヶ淵」より引用

正解は…

正解は「だみごえ」でした!

「だもごえ」と読むこともあります。

ふたつの漢字の間に「り」を入れて「訛り声(なまりごえ)」とした場合は、イントネーションが方言であることと、発音が崩れていることの両方を意味します。

一般的には「ダミ声」と書くことが多いでしょう。

ガサガサした、しゃがれたような、濁った声を指します。

「美声」や「澄みきった声」の対義語にあたりますが、「悪声」とは言い切れません。

市場の競りでは、むしろ威勢のいい訛声の方が目立つので有利といえます。

ただし、「訛声」とかすれたハスキーボイスは別のものです。

「訛」は訓読みで「訛る(なまる)」の他に、「訛(なまり)」「訛る(あやまる・いつわる)」とも読みます。音読みは「カ」です。

2個目の漢字はこれ!「悋か」

次の難読漢字は「悋か」

日常会話で使う機会は少ないかもしれません。

さて、あなたは何と読むでしょう?

「悋か」の読み方のヒントは?

1.「悋か」をひらがなにすると4文字になります。

2.「悋か」を別の言葉に言い換える場合、「願ってもない」「まんざらでもない」になるでしょう。

3.「あなたが呉れると言うなら悋かでないのだが」のように使います。

正解は…

正解は「やぶさか」でした!

「吝か」と書いても正解です。

「悋かでない」、最近はあまり聞かない言い回しですね!

「悋」の音読みは「リン」、訓読みは「悋か(やぶさか)」「悋しむ(おしむ)」です。

「悋かではない」の意味は?

ところでみなさん、「悋かでない」という言葉を、仕方なく、歯切れ悪く、しぶしぶ、という意味で使っていませんか?

例えば、「本当は嬉しいけれど、どちらでもよかったというフリ」で使うのは間違いです。

「悋か」とは、けちであること・物惜しみすること・躊躇する・未練がある様子。

「悋か」の後ろに否定形の「ではない」が付けば、ケチケチしていない・物惜しみしない・躊躇しない・未練がない様子となります。

つまり「悋かでない」の意味は、「ためらいなく喜んで何かをする」です!

文化庁の「国語に関する世論調査」によると、案外間違えて覚えている人が多いのだそう。

3個目の漢字はこれ!「黠い」

「黠い」を何と読みますか?

この漢字、現代ではほぼ使われません。

初めて見る人が多いのでは?

「黠い」の読み方のヒントは?

1.「黠い」をひらがなにすると6文字になります。

2.「黠い」の対義語には、「バカ正直」「愚直」「要領が悪い」などがあります。

3.「あの子は少し黠いところがありますからね」のように使います。

正解は…

正解は「わるがしこい」でした!

一般的には「悪賢い」と書きますね。

「黠」の音読みは「カツ」、訓読みは「黠い(わるがしこい・さとい)」「黠しい(さかしい)」、漢検1級、18画の漢字です。

「黠」は「黒」と「吉」の組み合わせです。

「黠」を用いた日本語

昔の日本文学では、いろいろな読み方で「黠」が用いられていました。いくつか紹介しましょう。

『男の狡黠い(わるごすい)態度も蔑視まれたが』徳田秋声「あらくれ」より引用

『そのあまりに、狡黠(ずる)くって、不真面目で』夏目漱石「それから」より引用

『と考えて、狡黠(こうかつ)には相違無いが、』幸田露伴「蒲生氏郷」より引用

また、熟語には以下のようなものがあります。

黠慧(かっけい):悪知恵が働く、こざかしい

黠奴(かつど):黠い奴のこと

黠虜(かつりょ):黠い野蛮人

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イシカワマキコ
イシカワマキコです。日本語の奥深さが好きです! よろしくお願いします。