今日の難解漢字は、
「猫糞」
「香具師」
「彽る」
「弛む」
「傅く」
です!
どれもなんとなく読めそうな漢字ばかりですが、
なんと読むか分かりますか?
目次
1つ目の漢字は「猫糞」です!
「猫糞」の読み方をご存知でしょうか?
猫の糞だから「ねこふん」ではありません!
よく耳にする言葉ですが、漢字で書くことは少ないかも…
さて、あなたには読むことができますか?
「猫糞」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「〇〇〇〇」の4文字
- 拾ったお金をポケットに入れると…
- 猫がよくやるしぐさが由来の言葉
以上の3つのヒントから考えてみてくださいね。
「猫糞」の読み方!正解は…!?
正解は「ねこばば」です。
「悪いことをしたのに素知らぬ顔をすること」「拾ったお金や物を自分の物にすること」などをいいます。
一般的には、拾ったお金をくすねたり、平等に分けるべきものを内緒で横取りしたりすることを「ねこばば」と呼ぶことが多いでしょう。
ヒントでも紹介したように、この言葉の由来は猫のしぐさにあります。
猫は糞をしたあとに砂をかけて隠しますが、その様子が、悪事を隠すことに例えられて「ねこばば」と呼ばれるようになりました。
猫にしてみたら、随分と失礼な話かもしれませんね。
2つ目の漢字は「香具師」です!
「香具師」
これ、何と読むかわかりますか?
一度は利用したり見たことがある、ある人たちのことなのですが…
さあ、あなたは何と読みましたか?
「香具師」読み方のヒント!
「香具師」は、お祭りで良く見かける職業のこと。
漢字は3文字ですが、読み方は2文字という不思議な読み方をします。
さて、読めたでしょうか?
「香具師」の読み方、正解は…
気になる正解は…
「やし」
です!
「香具師」は、
「お祭りなどで、出店や露店、街頭で見世物や物売りをする商売人」のこと。
神社やお寺でのお祭りの際に、出店や屋台が並んでいて
たこ焼きやりんご飴を買ったり、金魚すくいに挑戦したりしませんでしたか?
そのお店をやっている人のことを「香具師」というのです。
一般的には「やし」が正解なのですが、
「こうぐし」と読むこともあります。
この場合は「香具を作る人や売る人」という意味になります。
微妙にニュアンスが異なるので注意しましょう!
言葉の由来は、露店で薬や香具を売っていた「薬師」が
「やし」と呼ばれるようになったことが語源の一つのだとか。
ちなみに邦画「男はつらいよ」の、
渥美清さん演じる「寅さん」の職業が「香具師」なんですよ!
漢字もしっかり覚えて、スマートに読めるようになりましょう!
3つ目の漢字は「彽る」です!
「彽る」を何と読みますか?
もちろん「ている」とは読みません。
よく見ると「亻(にんべん)」の「低」ではなく「彳(ぎょうにんべん)」です!
早速ヒントを見てみましょう!
「彽る」の読み方のヒントは?
1.あちこち歩き回る・彷徨する・あても無くうろつくことです。
2.「彽る」をひらがなにすると6文字になります。
3.日本の古典が好きな人は聞いたことがあるかも…
正解は…
正解は「たちもとおる」でした!
万葉集の現代語訳では、「たちもとほる」とも書かれています。
「彽」の音読みは「チ・ジ・テイ・タイ・デ」、訓読みは「彽る(たちもとおる)」です。
8画なので覚えるのは簡単だと思いますが、漢字検定では1級で出題されます。
通常パソコンの文字入力で出てこない「JIS第3水準」に分類されますから、にんべんの「低」が書き替え文字として使われます。
「彽」を使った言葉
彽徊趣味(ていかいしゅみ):世俗の雑事を避け、余裕のある気持ちで人生を眺め、東洋的な詩歌の境地に遊ぼうとする態度
彽回顧望(ていかいこぼう):何かに心を惹かれ、行ったり戻ったり、振り返ったりすること
佇立彽徊(ちょりつていかい):何かに心を惹かれ、呆然として、長い間立ち尽くすこと
4つ目の漢字は「弛む」です!
「弛む」と書いて、なんと読むか分かりますか?
生活の中でよく使う言葉でいながら、なんと3つも読み方があります。
どれも誰でも使っている言葉だと思います。
さて、「弛む」と書いて、なんと読むでしょうか?
「弛む」読み方のヒントは?
「お前ら弛んでるぞー!」
と部活や体育の時に先生がよく言っていませんでしたか?
そう、ひとつめは(たるむ)です。
他にも目の皮が弛むと眠くなってきた証拠ですね。
そして、もうひとつは(たゆむ)です。
昔の学生は途中で気持ちが切れてしまわないように、「弛むことなく努力します!」なんてのも言わされていた覚えがありませんか?
張りつめていた気持ちも、時間が長引けば長引くほど、どうしてもだらんとしてしまいますよね。
さて、ふたつの読み方をご紹介しましたが、もうひとつはなんと読むかわかりますか?
「弛む」読み方のもうひとつのヒントは?
ひらがなにすると「〇〇む」です。
ヒントは「靴ひもが弛む」「気持ちが弛む」です!
さて、もうわかりましたか?
「弛む」の読み方、正解は・・・
正解は・・・
「ゆるむ」
です!
(たるむ)(たゆむ)(ゆるむ)と読みますが、少しづつ使うシーンが変わってきます。
ぜひ、覚えておきましょう。
5つ目の漢字は「傅く」です!
「傅く」という漢字をパッと見ると、男性の名前の「博(ひろし)」という字に見えますが、「傅く」は「にんべん」なので違います。
日常会話ではあまり使われることはないかもしれませんが、聞けば分かる言葉です。
『源氏物語』にも登場する古語なんですよ。
さっそく見ていきましょう!
「傅く」の読み方のヒントは・・・?
それでは、「傅く」の意味を紹介します。
- 自分よりずっと身分の高い人に対して尊敬の念を込めて世話をする、奉仕する
- 子供を大切に思って育てる
- 大切な人の後ろ盾となる、サポートする
最も一般的なのは①の意味です。古文では「主人・君主ー家来」などのかけ離れた身分の者で使われていました。現代でも「師匠ー弟子」「社長ー部下」などの関係で使われます。
例えば、「お姫様に家臣が傅く」などと使われます。
読み方は、ひらがなで「〇〇〇く」の4文字です!
分かりましたか?
「傅く」の読み方の答えは・・・
正解は、「かしずく」でした!
普段使うことはなくても、聞けば家来がひざまずいて殿様に仕える様子が想像されませんか?
『源氏物語』には、「この君をば、私物に思ほしかしづき給ふこと限りなし」という一文があります。
これは「子供を大切に育てる」という意味で使われています。
古語だけに上品な雰囲気のある言葉ですね。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました!