漢字読み講座

【髪がしらの難読漢字クイズ】「鬚」「鬆」「髢」全部読めますか?

本日の難読漢字クイズは3つ!

「鬚」「鬆」「髢」です。

すべて「髪がしら」が付いてますよ。

1個目の漢字はこれ!「鬚」

最初の問題は…

「鬚」です!

早速ヒントを見てみましょう!

「鬚」の読み方のヒントは?

1.「鬚」をひらがなにすると4文字になります。

2.「鬚」の新入社員はいませんが、役員には多いかもしれません。

3.『髭、髯、鬚、まるで銀の針金を植えつけたようで、』小山清「桜林」より引用

4.フランス語では「barbe」、イタリア語では「barba」です。

正解は…

正解は「あごひげ」でした!

一般的には「顎髭」ですね。

若くて似合う人はなかなかいません……。

ちなみに、ひげ全般を「髭」と書きますが、口ひげは「口髭・髭」、唇のすぐ下のひげは「承漿(しょうしょう)」、頬ひげは「頬髯・髯」、耳ひげは「鬍(こ)」です。

「鬚」の音読みは「シュ」「ス」、訓読みは「ひげ」「あごひげ」、漢検1級22画の漢字です。

「鬚」の上部は、髪の毛を意味する「かみがしら」という部首。

下部の「須」は、『あごひげの垂れた老人』を描いた象形文字です。

「鬚」の日本史

戦国時代の武士はひげを生やしていましたが、江戸時代は剃る武士が増えて、1670年代には「大ひげ禁令」が発令されました。

しかし幕末からは再び、ひげを生やす人が多くなり、文明開化で完全にひげ文化が復活!

第一次大戦後には、ひげ剃りの習慣がすっかり庶民に定着しました。

2個目の漢字はこれ!「鬆」

「鬆」を何と読みますか?

うっかり「鬆」ができてしまうと、テンションが下がるものです。

今回は女性の方が正解率が高いかもしれません!

「鬆」の読み方のヒントは?

1.「鬆」をひらがなにすると1文字になります!

2.茶碗蒸し、プリン、湯豆腐、こんにゃく

3.ダイコン、ニンジン、ゴボウ、スイカ、レンコン

4.『湯が沸騰するとプデンに鬆が立ち味悪し。』中勘助「銀の匙」より引用。プデンはプディングのことです。

正解は…

正解は「す」でした!

物体に細かい穴が開いて空間ができることです。

旬の時期を過ぎた野菜の芯加熱し過ぎたり凍らせた食材にあらわれる現象ですね。

味や食感が落ちるので、ちょっとがっかりします…。

また、老化や凍害で果汁が減少した果物は「鬆上り(すあがり)」といいます。

金属の加工においては、「鬆」が入ると強度が弱まるのだそう。

「鬆」の由来は向こう側が透けること

「鬆」の音読みは「ショウ」「ソウ」、骨粗しょう症の「ショウ」

訓読みは「す」「鬆い(ゆるい)」「鬆い(あらい)」、漢検1級18画の漢字です。

「鬆」の上部は髪の毛の「かみがしら」、下部は樹木の「松」

つまり、『松の葉の重なりから、向こう側が透けて見えること』に例えられています。

3個目の漢字はこれ!「髢」

「髢」を何と読みますか?

髪(かみがしら)が付いているので、毛に関係ありそうですね。

ヒントを見て考えてみましょう!

「髢」の読み方のヒントは?

1.「髢」をひらがなにすると3文字になります。

2.舞妓さん、芸妓さん、お相撲さん。

3.『髢や細紐を障子の外へ掛けたところで、』野村湖堂「銭形平次捕物控」より引用

正解は…

正解は「かもじ」でした!

「髢」とは、髪の毛の少ない部分に足す髪のこと。髪を結うときに用います。

添え髪、添え毛、入れ髪とも呼ばれます。

日本髪を結う人が減ったので、あまり目にすることはありませんね。

昔は人毛や牛の尻尾を材料としましたが、今では人工のものが多いです。

「かつら」と違い、一部分だけ足すのが「髢」の特徴。現代のエクステやヘアピースに近いかもしれません。

音読みは「テイ」、訓読みは「かもじ」、漢検1級13画の漢字です。

「髢」の原型は、天細女命(アメノウズメ)が天岩戸の前で頭部にまとったものだと考えられています。

「髢」の種類

「髢」にはさまざまな種類があり、使う箇所で呼び名が違います。

いくつか紹介しましょう!

前蓑(まえみの):前髪が少ない人用

浮輪(うきわ):束髪のまわりの芯

四割禿隠し(よつわりはげかくし):前髪、左右両髪、後頭部の髪を足す

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イシカワマキコ
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