漢字読み講座

「拈る」「携行」「不取敢」3つの難読漢字! 全部読めたら漢字マスター!

本日の難読漢字クイズは…

「拈る」「携行」「不取敢」!

あなたは何と読みますか?

1個目の漢字はこれ!「拈る」

「拈る」です。

粘る(ねばる)でも括る(くくる)でもありません。

さて、あなたは何と読む?

「拈る」の読み方のヒントは?

1.「拈る」をひらがなにすると3文字になります。

2.「それは拈りの効いたアイデアだね!」のように使います。

3.『ボンヤリとスイッチを拈つたら、』坂口安吾「竹藪の家」より引用

4.「拈る」をフランス語にすると「Torsion」、イタリア語では「Intrecciare」になります。

正解は…

正解は「ひねる」でした!

スイッチを「拈る」、首を「拈る」、手首を「拈る」、などなど。

「捻る」と書くことが多いですね!

「拈」の音読みは「ネン」「デン」、訓読みは「拈る(ひねる)」「拈む(つまむ)」、漢検1級8画の漢字です。

「拈」を使った有名な言葉に、「以心伝心」を意味する「拈華微笑(ねんげみしょう)」があります。

仏教、特に禅宗の法話でよく出てきますよ。

「拈」の熟語など

最後に「拈」を使った日本語をいくつか紹介しましょう。

拈香文(ねんこうぶん):禅僧が拈香(香を焚く)の後で死者に哀悼の意を表して朗読する文

拈出(ねんしゅつ):知恵を絞って考え出す。やりくりして金銭や時間をつくる

拈り袱紗(ひねりぶくさ):袱紗を拈って小銭入れにしたもの

2個目の漢字はこれ!「携行」

「携行」を何と読みますか?

お財布やスマートフォンは常に「携行」するのが大切!

早速ヒントを見てみましょう。

「携行」の読み方のヒントは?

1.「携行」をひらがなにすると4文字になります。

2.「携行」の類語には「佩帯」「キャリー」「帯する」などがあります。

3.保険の特約でおなじみの言葉です。

正解は…

正解は「けいこう」でした!

「携行」とは、身に着けて持って行くことです。

似ている言葉に「携帯」がありますが、ほぼ同じ意味と考えてよいでしょう。

ただ、「携帯」は比較的小さな物を指し、「携行」は大きな物も含めるのが一般的な使われ方です。

保険会社の特約をチェックすると、「携行品損害担保特約」が付いているかもしれません。

「携」の音読みは「ケイ」、訓読みは「携える(たずさえる)」、まれに「携れる(はなれる)」とも読みます。漢検3級13画の常用漢字です。

「携」を使う日本語

携琴(けいきん):明清楽(みんしんがく)の弦楽器。

携挙(けいきょ):キリスト教の考え。信仰に敬虔だった者はイエス再臨のときに永遠の命を得る

官民連携(かんみんれんけい):官民のパートナーシップ

墨場必携(ぼくじょうひっけい):個人の成句や詩歌を集めて字数ごと配列した書

3個目の漢字はこれ!「不取敢」

「不取敢」さて、何と読みますか?

「ふしゅかん」と読みたいところですが…

4つのヒントで考えてみましょう。

「不取敢」の読み方のヒントは?

1.「不取敢」をひらがなにすると5文字になります。

2.「不取敢会社に連絡しておこう…」のように使います。

3.『ゆえに不取敢その図を先きに出し』牧野富太郎「植物記」より引用

4.「不取敢」をオランダ語にすると「voor nu」、英語では「for now」です。

正解は…

正解は「とりあえず」でした!

「不取敢」とは、他のことはさし置いて、現状を変えるために行動するときに用いられる言葉です。まず差しあたって、当面の間に合わせとして、という意味もあります。

一般的にはひらがなで「とりあえず」と書くことが多いです。

漢字の場合、特に新聞記事などでは「取り合えず」「取り敢えず」と書かれます。

「不取敢」を読めた人はすごいです! 古文書が好きな人は読めたかもしれませんね。

ちなみに、目上の人に「不取敢」という言葉を使うのはふさわしくないので注意してください。「まず」「ひとまず」と言い換えるのが社会人のマナーです。

「敢」の音読みは「カン」、訓読みは「敢えて(あえて)」、漢検3級12画の常用漢字です。

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イシカワマキコ
イシカワマキコです。日本語の奥深さが好きです! よろしくお願いします。