漢字読み講座

【難読漢字】「杜漏」「鳴禽」「灸」あなたは何個読めますか?

今日の難読漢字は

「杜漏」

「鳴禽」

「灸」

の3問です!あなたは正しく読めますか?

難読漢字、1問目は「杜漏」!

「杜漏」の読み方をご存じですか?

似たような見た目の字で「杜甫」という人名がありますが、これは人名ではありません。

それでは、いったい何と読むのでしょうか?

「杜漏」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「○ろう」の3文字
  2. 読みです
  3. 「杜」は「杜撰」と同じ読み方です

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「杜漏」の読み方、正解は・・・


正解は

「ずろう」

です!

「いいかげんで、手抜かりが多いこと」をあらわす言葉です。

「杜」という字はバラ科の木や「神社の森」という意味があります。「漏」は「もれる、わすれる」という意味ですが、どうも「杜」という字が入るのは不自然に思えます。

「杜」は「森」のことではなく・・・

ここでヒントにも出した「杜撰(ずさん)」の説明をする必要があります。

「杜撰」も「いい加減で誤りが多い」ことをあらわす言葉です。

実は「杜」は「森」のことではなく「杜黙(ともく)」という中国の詩人です。杜黙の作る詩や文章は、定型詩の格式にほとんど当てはまっておらず、いい加減だという意味から「杜黙詩撰(ともくしさん)」という四字熟語ができ、それが転じて「杜撰」という熟語になりました。

更にそこから発展して「杜撰脱漏(ずさんだつろう)」という四字熟語ができあがりました。「いい加減で誤字脱字の多い著作や原稿」のことをあらわします。それが転じて「杜漏」という熟語ができあがったのです。これだけ似たような言葉が作られるとは、杜黙の作品がどれだけひどかったのか、逆に気になってしまいますね。

「杜漏」は字を見てもイメージがつきませんが、このエピソードと一緒に読み方を覚えてくださいね。

難読漢字、2問目は「鳴禽」!

「鳴禽」の読み方をご存じですか?

「禽」という字は「家禽」「猛禽類」などで使うことがありますが「なりきん」とは読みません。

それでは、いったい何と読むのでしょうか?

「鳴禽」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「○○きん」の4文字
  2. 読みです
  3. 鳥の種類です

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「鳴禽」の読み方、正解は・・・


正解は

「めいきん」

です!

「鳴」は「鳥や獣がなく」という意味で、「禽」は「鳥類の総称」という意味があります。漢字の意味合いでは「鳴く鳥」ということになりますが、実際は「良い声で鳴く鳥」のことをあらわすことが多い言葉です。

鳥の中でもさえずるのが得意なスズメ目スズメ亜目の総称が「鳴禽類(めいきんるい)」とされています。スズメはもちろん、ヒバリやウグイス、カラスも属しているそうです。英語ではそのまま「ソングバード」と呼ばれています。

鳴禽の声は最初から美しい?

鳴き声が美しい鳥というとウグイスを思い浮かべますが、ウグイスの特徴的な鳴き声「ホーホケキョ」に結構上手下手があることはご存じですか?

実は鳴禽類が美しい鳴き声を得るためには、人間の子どもが言葉を覚えることと同じような学習過程をたどる、ということが研究されているそうです。

美しい声の鳥と人間の意外な共通点と一緒に「鳴禽」の読み方も是非覚えてくださいね。

難読漢字、3問目は「灸」!

「灸」の読み方をご存じですか?

「灸」は「お灸」が有名ですが「きゅう」以外にも読み方があります。

いったい何と読むのでしょうか?

「灸」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「や○○」の3文字
  2. 読みです
  3. 意味は「お灸」と同じですが、主に使われる地方が違います

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「灸」の読み方、正解は・・・


正解は

「やいと」

です!

「灸」はもぐさを皮膚の上で燃やすことで行う治療法で、約三千年前の大昔から使われています。「やいと」という読み方は「焼き処(と)」が音変化したものとも言われています。岐阜県の方言と言われていますが、日本の西側で使われることが多いそうです。

「灸をすえる」

実際に自宅でお灸をすることが現在では少なくなりましたが、今でも使われているのが「灸をすえる」という言葉です。子どもなどを強く叱るという意味で使われることが多く、関西で「やいと」と読むのは主に「灸をすえる」という表現をする時だそうです。

しかしこの言葉のせいで「灸は熱く苦痛が強いられるもの」というイメージが定着してしまい、鍼灸師が迷惑したそうです。実際ニュースでそのような使い方をしないでほしい、と日本鍼灸師会が申し入れをし、現在は報道で使われることは少なくなったそうです。

「灸」の意外な読み方をこの機会に是非覚えてくださいね。

 

さて、難読漢字3問、いかがでしたか?
見覚えがある漢字の意外な読み方や、見たことのない漢字もあったと思います。

全問正解できた方も、今回はあまり正解できなかった方も、興味を持っていただけたなら、また難読漢字にチャレンジしてみてくださいね。

ABOUT ME
さとう みえ
漢字が好きで、学生時代に漢字検定2級を取得するも、社会に出てから特に書き取りが怪しくなっていることに気付きました。子供の宿題に付き合いつつ自分も勉強し直す日々です。IT×子育てのサイトを運営しています。