難読漢字で教養力をアップしませんか?
本日の問題は…
「行火」「先斗町」「群雲」です!
目次
1個目の漢字はこれ!「行火」
「行火」を何と読みますか?
昔は庶民の味方でしたが…
今はもう目にしないものです。
「行火」の読み方のヒントは?
1.「行火」をひらがなにすると、3文字になります。
2.「行火」があれば冬は安心です!
3.『行火を挾んで二人は対合っていたが、』吉川英治「山浦清麿」より引用
正解は…
正解は「あんか」でした!
「行火」とは、手足を温めるための移動式暖房具のこと。
小箱状の外囲いの中に土製の火入れを置いて、その上に薄いふとんなどを掛けて覆う仕組みです。
外囲いには石、瓦、木が用いられ、火入れの熱源には、炭火や薪の燠火(燃えさし)などが利用されました。ルーツは平安時代の桐火桶という円火鉢といわれています。
室町時代に禅僧によって広められ、江戸時代は一般的な暖房器具となり、大正時代には下羽電気商会が初『電気行火』を製造販売しました。
「行火」を、さらに小型化したものが「懐炉(かいろ)」、家具として発達させたものが「炬燵(こたつ)」といえるでしょう。
ちなみに、「行火」と用途が似ている「湯たんぽ」も昔から存在していました。生類憐みの令で有名な徳川綱吉は「犬の湯たんぽ」を愛用していたそうです。
また、『豆炭あんか』はキャンプ用品として今も健在ですよ!
2個目の漢字はこれ!「先斗町」
「先斗町」を何と読みますか?
有名なので、どこかで聞いたことはあるはず。
早速3つのヒントを見てみましょう!
「先斗町」の読み方のヒントは?
1.「先斗町」をひらがなにすると、「〇〇〇〇ょ〇」になります。
2.「先斗町」はノスタルジックな観光地です。
3.『あの頃の祇園や先斗町の遊里の雰囲気に』谷崎潤一郎「青春物語」より引用
正解は…
正解は「ぽんとちょう」でした!
「先斗町」は、京都市中京区の鴨川と木屋町通の間にある花街および歓楽街の辺りを指します。
「町」と付きますが、行政上の地名ではなく、具体的な地域の区分けは、先斗町まちづくり協議会が定めています。
「先斗町」は、石畳、のれん、提灯、芸妓さんや舞妓さん、電柱の無い町並みといった日本の情緒が溢れる有名な観光地。
ドラマや映画、小説やアニメに出てくることが多く、ベストセラーになった『夜は短し歩けよ乙女』も、木屋町から先斗町界隈を舞台としています。
「先斗町」の町紋は可愛らしい「鴨川ちどり」。明治5年の鴨川をどりの際に創案されたのだそう。
「ぽんとちょう」と読む由来は諸説ありますが、ポルトガル語の「ponta(先)」が転じて「ポント」になったという説がよく知られています。
3個目の漢字はこれ!「群雲」
「群雲」を何と読みますか?
誰もがきっと見たことがあるはず!
早速ヒントを見てみましょう!
「群雲」の読み方のヒントは?
1.「群雲」をひらがなにすると、4文字になります。
2.「群雲」の特徴は、不規則なまだら模様です。
3.「群雲」の高度は2000〜7000m程。
正解は…
正解は「むらくも」!
明け方や夕方の陰影が特に美しい雲です。
「群雲」とは高度2000mから7000mの中積雲のこと。
季節を問わず現れますが、春から秋頃によく見られます。
小さな雲のかたまりがまだら模様になっているのが特徴で、羊の群れのように見えるため「羊雲(ひつじぐも)」とも呼ばれます。
高度5000mから13000mの巻積雲「鱗雲(うろこぐも)」と非常に似ていますが、見分けるには2つのポイントがあります。
1.規則正しく並ぶのが「鱗雲」、不規則にまとまっているのが「群雲」
2.地上から見て、雲のかたまりが指一本に隠れると「鱗雲」、それより大きいのが「群雲」
「群雲」は「叢雲」とも書きます。
『月に叢雲花に風(つきにむらくもはなにかぜ)』
よいことは差し障りが多く、長続きしないことのたとえです。
また、過去に大日本帝国海軍の駆逐艦も「叢雲」と名付けられました。