「巡錫」の読み方をご存じですか?
「巡」は「巡回」「巡業」などで見かける漢字ですが「錫」はあまり見かけませんね。
いったい何と読むのでしょうか?
「巡錫」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「じゅん○○○」の6文字
- 音読みです
- 「巡礼」「行脚」と同じような意味です
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「巡錫」の読み方、正解は・・・
正解は
「じゅんしゃく」
です!
「巡」は「まわり歩く」という意味で、「錫」は金属のスズという意味もありますが、ここでは「道士や僧が用いるつえ」という意味になります。
僧侶は布教活動のため全国各地を歩き回っていましたが、その時主に持ち歩いていたのが錫杖でした。「巡錫」は「僧侶が各地を歩き回って教えを広める」という意味なのです。
僧侶が錫杖を持ち歩いた理由
錫杖は、実はスズではなく銅や鉄で作られていたものが多かったそうです。
その特徴は杖の上部が輪形になっており、そこに遊環(ゆかん)と呼ばれる輪が複数通してあるため、動かすと音が鳴るようになっているということです。その「シャクシャク」という音から「錫杖」と呼ばれるようになったとも言われています。
僧侶が錫杖を鳴らすことにより、毒蛇や害虫などの悪いものを追い払うことができるとされており、僧侶の常備すべき法具とされていたのです。
錫杖はよく美術館などで展示されていますが、もし見かけることがあったら「巡錫」という言葉や読み方を思い出してくださいね。