「夙昔」の読み方をご存じですか?
「昔」はよく使う漢字ですが「夙」は地名などでなじみがないと知らない方も多いのではないでしょうか。
いったい何と読むのでしょうか?
「夙昔」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○○○せき」の4文字
- 音読みです
- 「宿昔」と書くこともあります
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「夙昔」の読み方、正解は・・・
正解は
「しゅくせき」
です!
「夙」は「朝早く」や「昔から」などの意味を持つ漢字です。兵庫県にある「夙川(しゅくがわ)」という地名で使われています。
「昔」は文字通り「むかし」や「遠い過去」をあらわしています。
「夙昔」は「昔、以前」または「昔から、以前から」という意味になります。ヒントに書いた通り「宿昔」と書くことも多いです。
「宿昔青雲志」
中国唐代中期に活躍した詩人、張九齢(ちょうきゅうれい)の詩「照鏡見白髪」で有名な一節に「宿昔青雲志」があります。こちらは「宿昔」の表記ですが、紹介します。
宿昔青雲志:宿昔(しゅくせき)青雲の志
蹉跎白髪年:蹉跎(さた)たり白髪の年
誰知明鏡裏:誰れか知らん明鏡の裏(うち)
形影自相憐:形影自(みずから)相い憐れむを
「青雲の志」は「雲よりも上にある青空のように高い地位に登る気持ち」つまり出世したいという気持ちをあらわしています。「昔は出世したいと思っていたが、つまずいてしまい白髪の生える年になってしまった。鏡に映った姿を憐れんでいるとは誰が想像しただろうか」という、老人の悲哀を感じる詩になっています。
「夙昔」は難しい読み方ですが、是非覚えてくださいね。