今日の難読漢字は
「叡慮」
「詮議」
「野蒜」
の3問です!あなたは正しく読めますか?
目次
難読漢字、1問目は「叡慮」!
「叡慮」の読み方をご存じですか?
「慮」という漢字は「遠慮」「配慮」などで使われていますが「叡」はあまり見かけません。
いったい何と読むのでしょうか?
「叡慮」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○○りょ」の4文字
- 音読みです
- 「叡」は「比叡山」などで使われる漢字です
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「叡慮」の読み方、正解は・・・
正解は
「えいりょ」
です!
「叡」は「かしこい」という意味の他に「天子に関する尊敬語」という意味があります。「慮」は「考える、おもんばかる」という意味があります。
「叡慮」は「天子のお考えやお気持ち」という意味を持つ言葉になります。「天子」は「天命を受けて天下を治める者」の意味のため、日本では「天皇」をさす言葉となります。
「叡慮」の過去と現在
「天皇」という称号は今でこそ「日本国および国民の象徴」という地位をあらわすものになっていますが、日本の歴史上は多く国家運営と密接な関係を持っており、それゆえ「天皇のお考えやお気持ち=叡慮」は重要視されていた、とされています。
何故「されていた」というあいまいな言い方にしたかというと、天皇のお言葉を直接聞くことはできず、側近からの伝言だったということです。果たして「叡慮」が本当に正しく国民に伝えられていたのか、今となってはわかりません。現代のように、天皇陛下のお言葉が直接伝えられるようになったのは、歴史から考えると本当に最近のことなのです。
元号が平成から令和になる時、約200年ぶりの「生前退位」がありました。これも「叡慮」によるものだということを思い出しつつ、読み方も是非覚えておいてくださいね。
難読漢字、2問目は「詮議」!
「詮議」の読み方をご存じですか?
「議」は「会議」などでよく使われる字ですが、「詮」はあまり見かけない字です。
いったい何と読むのでしょうか?
「詮議」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○○ぎ」の3文字
- 音読みです
- 「詮」は「所詮」「詮索」という言葉でも使われます
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「詮議」の読み方、正解は・・・
正解は
「せんぎ」
です!
「詮」は「あきらかにする。しらべる」という意味の漢字で、「議」はここでは「論じ合う、相談する」という意味を持ちます。
「詮議」は「人々が話し合って明らかにすること」という意味になりますが、「罪人を取り調べる、捜索する」という意味も持っています。
「詮」を使う言葉としては「詮索」がよく使われますが「余計な詮索をするな」など、否定的な意味合いで使われることも多くあります。ただ、「詮」という文字に否定的な意味は特にありませんので注意しましょう。
薩摩藩と「詮議」
「詮議」という言葉を調べると、必ずと言っていいほど「薩摩藩」が出てきます。
薩摩藩といえば、西郷隆盛、大久保利通といった幕末・明治維新時代の偉人を多く出していることで有名で、とりわけ交渉事に長けていたことから「薩摩の武士は交渉上手」と言われていたそうです。
薩摩藩独自の「郷中教育(ごうちゅうきょういく)」において「詮議」はいわばディベートのようなもので、簡単に答えが出ないような状況(「殿様の敵と、親をつけ狙う者がいた場合、どっちの敵から切り込むべきか?」など)を議題として各々が対応を即答し、その後議論するというものでした。この「詮議」を重ねることにより、交渉力を磨いていたのです。
「詮議」という言葉には必ずしもディベートの意味はあるわけではありませんが、こういう技術は身に着けたいものですね。そして、「詮議」の読み方も是非覚えておいてくださいね。
難読漢字、3問目は「野蒜」!
「野蒜」の読み方をご存じですか?
「野」は「野菜」「野原」などでよく使われる言葉ですが、「蒜」はあまり見かけませんね。草かんむりなので植物関係の言葉のようですが、いったい何と読むのでしょうか?
「野蒜」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「の○○」の3文字
- 訓読みです
- 野草の名前です
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「野蒜」の読み方、正解は・・・
正解は
「のびる」
です!
「野」は「自然のままの」という意味で、「蒜」は「食用となるユリ科の多年草(の古名)」です。具体的には「ネギ」「ニンニク」「ニラ」など、匂いの強い食用野菜をさしています。
「野蒜」は土手や道端に生える「ノビル」のことをあらわす言葉です。葉と球根が古代から食べられていたと言われています。山菜を採る方には親しまれている「野蒜」ですが、スイセンなどの似ている植物で食中毒になることがあるため、食べる時は注意が必要です。
「野蒜」を扱った歌
現代でも野蒜は春の山菜としてよく食べられていますが、「野蒜」が古代から親しまれていた根拠として「古事記」や「万葉集」に野蒜を扱った歌があることが挙げられます。
いざ子ども 野蒜摘みに 蒜摘みに (後略)
— 応神天皇、『古事記』
応神天皇は4世紀頃に在位していたと言われる第15代天皇です。野蒜は薬味にしたり酢みそであえたりと身近な食品だったようで、歌の前半で野蒜を摘みに行こうと呼びかけています。皇位についていらっしゃる方が本当に野蒜を摘みに行くことができたのかはわかりませんが、親しまれている山菜だったことはわかりますね。
野蒜を見かけることがあったら、その歴史を思い出しつつ読み方も思い出してみてくださいね。
さて、難読漢字3問、いかがでしたか?
今回はなじみのある漢字と、そうでない漢字の組み合わせで問題を出してみました。
全問正解できた方も、今回はあまり正解できなかった方も、また難読漢字にチャレンジしてみてくださいね。