漢字読み講座

【今日の難読漢字】「寛厳」「垢衣」「托む」あなたは何個読めますか?

今日の難読漢字は

「寛厳」

「垢衣」

「托む」

の3問です!あなたは正しく読めますか?

難読漢字、1問目は「寛厳」!

「寛厳」の読み方をご存じですか?

「寛」は「寛ぐ」などに使われる漢字で、「厳」は「厳しい」などに使われる漢字です。

いったい何と読むのでしょうか?

「寛厳」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「かんげん」の4文字
  2. 音読みです
  3. 「寛大と厳格」という意味になります

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「寛厳」の読み方、正解は・・・


正解は

「かんげん」

です!

「寛」という漢字は「心がひろい」「ゆるやか」という意味があり、「厳」という漢字は「きびしい」「おごそか」という意味があります。

逆の意味を持つ2つの漢字を合わせた「寛厳」は「寛大」と「厳格」つまり「ゆるやかなことときびしいこと」という意味になります。他の言い方だと「飴と鞭」に近い言葉ですね。

「寛厳よろしきを得る」

「寛厳」という言葉は、人の上に立つ立場から使われることが多いです。

特に有名なのは、パナソニックの創立者である松下幸之助氏が使った「寛厳よろしきを得る」という言葉です。

やさしさばかりでは、人は成長しない。厳しいだけでも、人は萎縮し本来の力を発揮することができない。まさに、寛厳よろしきを得ることができるよう心がけることが何よりも大事。

「よろしきを得る」というのは「釣り合いが取れている」という意味になります。このバランスを取ることが大事である、というこの発言は、経営者の間では有名な金言なのだそうです。

身近に接する人にも「寛厳よろしきを得る」という考え方は重要なのではないかと思います。是非読み方も意味も覚えておいてくださいね。

難読漢字、2問目は「垢衣」!

「垢衣」の読み方をご存じですか?

「垢」に「衣」で「あかころも」と読みたくなりますが、そのように読むことはあまりありません。

いったい何と読むのでしょうか?

「垢衣」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「○○い」の3文字
  2. 音読みです
  3. 「垢」は「歯垢」と同じ読み方です

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「垢衣」の読み方、正解は・・・


正解は

「こうい」

です!

「垢」という漢字はいわゆる体のあかという意味の他に「よごれ」「けがれ」「恥」という意味があります。

「衣」は「身にまとうもの」という意味の漢字です。

「垢衣」は「汚れている衣服」を意味する言葉です。更に古い読み方だと「くえ」というものもありますが、魚の名前にも使われている「垢穢」も「くえ」と読むため、あまり使われていないようです。

「蓬髪垢衣」

不潔なイメージの「垢衣」ですが、使用されている例を見ると「蓬髪」という言葉と一緒に使われていることがあります。有名なのは以下の一節です。

頬が落ちこけて、鼻が突とんがって、眼光竜鬼の如しとある。おまけに蓬髪垢衣、骨立悽愴と来ていたんだから堪らない。袖を引かれた女はみんな仰天して逃げ散ってしまう。

夢野久作「ドグラ・マグラ」

「蓬髪」は「蓬(よもぎ)」のようにぼうぼうに伸びた髪のことをあらわしており、「蓬髪垢衣」はつまり「髪はぼうぼう、服は汚れている」というなりふり構わない様子のことをあらわしています。他にも「蓬髪垢面」「蓬頭垢面」「敝衣蓬髪」など、似たような意味を持つ四字熟語がたくさんあります。それだけ身だしなみが整っていない人が多かったということでしょうか。

身だしなみを整えることを意識しつつ「垢衣」の読み方を是非覚えておいてくださいね。

難読漢字、3問目は「托む」!

「托む」の読み方をご存じですか?

「托」という字に似ている漢字に「託」があり、「託す」などと使うことがあるので「たくむ」と読むと間違いになります。

いったい何と読むのでしょうか?

「托む」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「○のむ」の3文字
  2. 訓読みです
  3. 「托」には「委托」という使い方もあります。意味を考えてみましょう

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「托む」の読み方、正解は・・・


正解は

「たのむ」

です!

「托」という漢字には「たよる、まかせる」という意味があります。最初に書いた「託す」は「托す(たくす)」と表記することもあります。

「托」と「託」の違い

見てみると、「托」と「託」には同じような使い方が多いですね。ヒントに書いた「委托」も「委託」の方がよく見かけると思います。

それでは「托」と「託」という漢字は同じ意味なのでしょうか?
まず「托」から見てみましょう。

  • 手の上におく(「托鉢」など)
  • 物をのせる台(「茶托」など)
  • たよる。まかせる(「托生」など)
  • 推す(おす)。ひらく

次に「託」を見てみましょう。

  • たよる。あずける(「託児」など)
  • 口実とする(「仮託」など)
  • ぐちを言う
  • 神仏のお告げ(「神託」など)

「たよる」という意味だけ一致していますね。
「托」は常用漢字ではないので、意味が一致している場合は常用漢字である「託」に書き換える例が多いようです。

書き換えられる場合とそうでない場合があることを意識しつつ「托む」の読み方を是非覚えておいてくださいね。

 

さて、難読漢字3問、いかがでしたか?
今回はなんとなく雰囲気はわかるけど読み方が難しい問題を出してみました。

全問正解できた方も、今回はあまり正解できなかった方も、また難読漢字にチャレンジしてみてくださいね。

ABOUT ME
さとう みえ
漢字が好きで、学生時代に漢字検定2級を取得するも、社会に出てから特に書き取りが怪しくなっていることに気付きました。子供の宿題に付き合いつつ自分も勉強し直す日々です。IT×子育てのサイトを運営しています。