今回のお題は「神議る」「朧月」「鄭声」です。
どこかで見たような気もするけどなかなか難しい…
あなたには全て読むことができますか?
目次
1問目はこの漢字から!「神議る」
「神議る」を何と読みますか?
普段使う言葉ではありませんが…
それぞれの漢字の意味を考えてみましょう!
「神議る」の読み方のヒントは?
1.「神議る」をひらがなにすると5文字になります。
2.日本人にとって、一年で最も大切な行事です。
3.出雲大社がにぎやかになる時期です!
正解は…
正解は「かむはかる」でした!
「かみはかる」と読んでも正解です。
「神議る」とは、八百万の神々が出雲大社に集まり、農業や男女の結びつきについて話し合いをすること。
読んで字のごとく神さまの会議です!
「神議る」が行われるのは旧暦の10月、2024年は11月3日にあたります。
出雲の各神社では10月25日〜11月23日まで、出雲大社では11月3日〜11月19日までの期間に行事が行われますよ。
この期間、出雲では「神有月(かみありづき)」、出雲以外の地域では「神無月(かんなづき)」と呼ばれます。
天津神はまた別の話!
ここでひとつ注意!
日本の神さまには元々地上にいらした出雲系の大国主命(オオクニノミコト)系統と、天からいらした伊勢系の天照大神(アマテラスオオミカミ)系統があります。
「神議る」は大国主命系統の神さまが集まるので、天照大神系の神さまは出席しません。
2問目はこの漢字!「朧月」
「新月(しんげつ)」や「三日月(みかづき)」、「満月(まんげつ)」など・・・
満ち欠けを繰り返す月は、その形によってさまざまな呼び名がありますよね。
ただ、この「朧月」は何だか難しい漢字です。
どんな月を表す漢字なのでしょうか?
そして、何と読むのでしょうか?
「朧月」の読み方のヒントは・・・?
それではヒントです!
「朧月」とは、「霧や靄(もや)に包まれて、ほのかに霞んで柔らかく見える春の夜の月」のことを指します。
これでもピンとこない人に大ヒントです。
小学校6年生の音楽で習う曲の中に『朧月夜』という曲があります。
文部省唱歌で、作詞は高野辰之、作曲は岡野貞一の曲です。
歌い始めは「菜の花畑に入り日薄れ~♪」です。
もう、分かりましたよね?
「朧月」の読み方の答えは・・・
正解は、「おぼろづき」でした!
「朧月(おぼろづき)」は、前述の文部省唱歌『おぼろ月夜』で何となくぼんやり霞んだ月だということは知っている人も多いかもしれません。
それにしても「春の夜」限定の呼び方だったとは意外に思った人が多いのではないでしょうか。
「朧(おぼろ)」の1文字で「物の姿が霞んではっきりしない様子」という意味を持っています。
「おぼろ豆腐」も、柔らかくてゆらゆら揺れる様子から「朧(おぼろ)豆腐」と呼ばれているんですよ。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
最後はこの漢字!「鄭声」
「鄭声」の読み方をご存じですか?
「声」は常用漢字ですが「鄭」はあまり馴染みがない漢字ですね。
いったい何と読むのでしょうか?
「鄭声」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「て○○○」の4文字
- 音読みです
- 「鄭」は「鄭重にもてなす」という使い方がある漢字です
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「鄭声」の読み方、正解は・・・
正解は
「ていせい」
です!
「鄭」には「ていねい」という意味があり「丁重」と同じ意味で「鄭重」が使われることがあります。中国や韓国では姓(苗字)として使われている字でもあります。
しかし「鄭声」にはそういう意味がありません。ここで使われている「鄭」は紀元前、中国の春秋戦国時代に存在していた「鄭」という国のことをさしています。「声」はこえのことではなく音楽のことをあらわしています。つまり「鄭の国の音楽」が「鄭声」です。
「鄭の音楽はあまり高尚ではない」と孔子が『論語』で語ったことにより「俗っぽく高尚でない音楽」のことを「鄭声」と呼ぶようになりました。『詩経』に鄭の曲が収録されているそうですが、ストレートに男女の愛情を歌い上げているためそれを俗っぽいと評されたようです。孔子が現代の音楽を聴いたら「鄭声」と評するかもしれませんが、二千年以上経っても不名誉な意味で名前が残っている鄭が少し気の毒になってしまいますね。
自分の好きな音楽を楽しみつつ「鄭声」の読み方、是非覚えてくださいね。