「蕩尽」の読み方をご存じですか?
「尽」という漢字は「尽くす」「尽力」などで見かける漢字ですが、「蕩」という漢字はあまり使われませんね。「湯」という字に似ていますが「ゆじん」ではありません。
いったい何と読むのでしょうか?
「蕩尽」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「と○じん」の4文字
- 音読みです
- 「蕩」は「放蕩」という言葉と同じ読み方です
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「蕩尽」の読み方、正解は・・・
正解は
「とうじん」
です!
「蕩」は「ただよう」「ひろびろとしている」「だらしがない」「あらう」「とろける」など様々な意味がありますが、ここでは「すっかりなくす」という意味で使われています。
「尽」はここでは「つきる」という意味で使われているので、「蕩尽」は「(財産などを)使い果たしすっかり失くしてしまうこと」という意味になります。また、「すたれきえること」という意味で使われることもあります。
バタイユと「蕩尽」
「蕩尽」という言葉の意味は前段で述べた通りで、一般的にあまり良くない意味を持っていますが、ジョルジュ・バタイユというフランスの思想家が著した「呪われた部分 ─全般経済学試論・蕩尽」という書籍においては「非生産的消費」という意味あいで使われています。
「非生産的消費」とは、生産に還元されることのない消費のことで、「芸術」なども含まれます。経済成長や自国の富に使われるべき財産を、それ以外の目的で使い果たすことであり、それが人間の「生の価値」である、と言っています。これを見ると「蕩尽」は必ずしもマイナスではないのかもしれませんね。
無駄遣いかも、と思った時は「蕩尽」の意味と読み方を是非思い出してくださいね。