今回は「在処」「匹夫」「寸断寸断」です。
見たことはあるのに、なかなか読めないこれらの漢字。
あなたは全部読めますか?
目次
1問目はこの漢字から!「在処」
「在り処」の読み方をご存じでしょうか?
「在る(ある)」と「処(ところ)」で「ありどころ」と読むこともできますが、実はもう一つの読み方が存在します。
むしろ、言葉の響きとしてはもう一つの読み方の方が自然な日本語という気がするのですが…
さて、もう一つの読み方があなたにはわかりますか?
「在り処」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「〇り〇」の3文字です
- 「在り所」と書いても同じ読み方ができます
- 物などがある場所という意味
以上の3つのヒントから考えてみてくださいね。
「在り処」の読み方!正解は!?
正解は「ありか」です!
「在り処(ありか)」とは、物や人の存在している場所という意味を持つ言葉。
「在処」と送り仮名無しで表記する場合や「在り所」と書くこともでき、いずれも意味は同じです。
「宝の在り処(ありか)を教えろ!」なんて言うと、海賊か何かが出てくる物語の一説のようですね。
確かに「在り処(ありどころ)」と読んでも同じ意味ですが、「宝の在り処(ありどころ)を教えろ!」ではなんとなく迫力に欠ける感じがしませんか?
正解できなかった方は、この機会に「在り処」という漢字表記をぜひ覚えておいてくださいね。
2問目はこの漢字!「匹夫」
「匹夫」の読み方をご存じでしょうか?
「ひきおっと」と読んだ方はとても素直だと思いますが、残念ながら間違いです。
ちなみに「ひきふ」でもありませんよ。
画数の少ない簡易な漢字を用いているのに、なかなか読みにくいですね。
さて、あなたには正しい読み方がわかりますか?
「匹夫」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「〇〇〇」の3文字です
- 3文字の真ん中は小さな「っ」になります
- 身分の低い男性を意味する言葉です
以上の3つのヒントから考えてみてくださいね。
「匹夫」の読み方!正解は!?
正解は「ひっぷ」です!
「匹夫(ひっぷ)」とは、身分の低い男性や教養の無い男性を表す言葉。
「ひっふ」ではなく「ひっぷ」と読まれるのは、発音しづらい言葉を読みやすくするために「夫(ふ)」の音が変化したためで、このような現象を「半濁音化」と呼びます。
また、以下は「匹夫」を使った慣用句とその意味です。
- 匹夫も志を奪うべからず:たとえ卑しい者であってもしっかりとした志を持っていれば、誰もそれを変えさせることはできない
- 匹夫の勇:思慮分別が無く、血気にはやるだけのつまらない勇気
現代ではなかなか使う機会のない言葉ではありますが、教養の一つとして覚えておきましょう。
最後はこの漢字!「寸断寸断」
「寸断寸断」の読み方をご存じでしょうか?
「寸断」はもちろん「すんだん」と読めますが、「すんだんすんだん」と読むのは間違いですよ。
しかし、意味はほとんど「寸断」と同じになります。
この言葉、しょっちゅう使うわけではないけれど、きっと耳にしたことがあるでしょう。
さて、あなたには正しい読み方がわかりますか?
「寸断寸断」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「〇〇〇〇」の4文字です
- 一般には「寸寸」と書いて同じ読み方ができますよ
- 夏目漱石が作り出した漢字表現の一つです
以上の3つのヒントから考えてみてくださいね。
「寸断寸断」の読み方!正解は!?
正解は「ずたずた」です!
「寸断寸断(ずたずた)」とは、何かが切れ切れになったり、ひどく傷ついた様子を表す言葉。
一般には「寸寸」と書いて「ずたずた」と読みますが、「寸断寸断」の方がさらにひどい状態に感じますね。
この漢字表現はかの夏目漱石が考え出したものです。
彼は数々の当て字による漢字表現を生み出しており、たとえば以下のようなものがあります。
「無鉄砲(むてっぽう)」「五月蠅い(うるさい)」「頓珍漢(とんちんかん)」「滅茶苦茶(めちゃくちゃ)」
調べればまだまだありそうですが、さすが文豪、言葉や漢字への、鋭いセンスを感じます。