漢字読み講座

「書肆」「渥丹」「莢」これらの読み方は?【難読漢字に挑戦!】

今回のお題は「書肆」「渥丹」「莢」です。

どこかで見たような気もするけどなかなか難しい…

あなたには全て読むことができますか?

1問目はこの漢字から!「書肆」

「書肆」を何と読みますか?

しょ…までは読めますね!では続きは?

3つのヒントで考えてみましょう。

「書肆」の読み方のヒントは?

1.「書肆」をひらがなにすると「〇ょ〇」になります。

2.ネットもいいですが、やっぱり「書肆」に行くのも楽しい!

3.『弟の書肆では急いでいる。初版通りで済ませば済むものを、』北原白秋「フレップ・トリップ」より引用

正解は…

正解は「しょし」でした!

昔の言葉で「書店」のことです。

「書肆」には、書籍や雑誌などの小売店だけでなく、出版社や卸売業者も含まれます。

江戸時代の書店は「書買(しょか)」「書林(しょりん)」「書物問屋(しょもつどんや)」「地本問屋(じほんどんや)」とも呼ばれました。

「肆」の音読みは「シ」、訓読みは「ほしいまま」「肆ねる(つらねる)」「みせ」、漢字検定のレベルは1級、13画の会意文字です。

「肆」1文字は並べる、店、ほしいままに、という意味があります。

例えば酒屋は「酒肆」、商店は「肆店」です。

「肆」を使う熟語

驕肆(きょうし):おごり高ぶり、ほしいままに振る舞う

肆意(しい):わがままに振る舞う

屠羊之肆(とようのし):身の程にふさわしい仕事

放肆遊惰(ほうしゆうだ):遊びに夢中になる様子

2問目はこの漢字!「渥丹」

「渥丹」の読み方をご存じですか?

「渥」は愛知県にある「渥美半島(あつみはんとう)」で使われている漢字なので「あつたん」?ではありません。

それでは、どのように読むのでしょうか?

「渥丹」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「○○たん」の4文字
  2. 音読みです
  3. 花や、色のことをあらわしています

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「渥丹」の読み方、正解は・・・


正解は

「あくたん」

です!

「渥」は「うるおいがある、つや」をあらわす漢字で「丹」は「あかい色」をあらわしています。

人に対しては、つややかな赤い色、が転じて「健康的な顔色」という意味で使われることがあります。この場合は頬の色で朱色をあらわしています。

また、日本では「スカシユリ」と呼ばれているユリの一種が中国では「渥丹」と呼ばれています。スカシユリは海岸や崖などに生えることが多く、橙色の花を咲かせます。

朱色と橙色だと大分雰囲気が異なるように思いますが、実はその中間とも言える「丹色(にいろ)」という色があります。実際の色を文字色で確認してみましょう。

朱色

丹色

橙色

恐らく、元々「渥丹」は「つややかな丹色」をあらわす言葉だったのではないかと想像できます。「丹色」は神社の鳥居にも使われており「丹塗り(にぬり)」と呼ばれています。鳥居の色というとすぐイメージできますね。

意外と身近にあるものの色をイメージできる「渥丹」の読み方、是非覚えてくださいね。

最後はこの漢字!「莢」

「莢

これ、何と読むかわかりますか?

 

見慣れない漢字で、一見すると中国語のよう。

ちゃんと日本語の読み方がありますよ!

 

さあ、あなたは何と読みましたか?

 

「莢」読み方のヒント!

 

「莢」は、普段なかなか使わない漢字ですよね。

ですが、身近なものも「莢」と言われることがあります。

 

それが「莢豌豆」!

これでわかった方もいるのでは?

 

さて、あなたは何と読みましたか?

 

「莢」の読み方、正解は…

気になる正解は…

 

 

 

 

「さや

です!

 

「莢」は、

「中にものが納まる外側のおおい」という意味の言葉です!

 

ヒントで出した言葉は「サヤエンドウ」!

サヤエンドウは、殻の中に2〜3個の豆が納まっていますよね。

名前にも「莢」と入っているほど、特徴的な作りです。

 

読み方は違いますが、小説や漫画などでよく見かけるのが「薬莢」です。

こちらは「やっきょう」と読みます。

「薬莢」は鉄砲の弾のうち、火薬を納めている側のこと。

同じ漢字が使われていることもあり、

まったく違うもののように見えてもつくりは一緒。

 

ただし、よく使われる言葉としては「莢豌豆」と「薬莢」くらい。

「刀をさやに納める」の「さや」は「鞘」と漢字が違うので注意しましょう。

 

これを機にスマートに読めるようになりましょう!

 

ABOUT ME
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ライターの眠兎(みんと)と申します。 ひょんな思い付きから漢字検定2級を取得し、それ以来漢字の魅力に取りつかれてしまいました。 まだまだ知らない漢字がたくさんある私ですが、記事を書きながら楽しく勉強していきたいと思っています!