「咫尺」の読み方をご存じですか?
「尺」という漢字は長さの単位として使うことがありますが、「咫」という字はなかなか見かけないですね。
いったい何と読むのでしょうか?
「咫尺」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「しせ○」の3文字
- 音読みです
- 「尺」の字は「しゃく」とは読みません
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「咫尺」の読み方、正解は・・・
正解は
「しせき」
です!
「咫」という漢字は長さの単位をあらわす言葉です。日本では上代、中国では周の時代に使われていましたが、日本では「開いた手の親指の先から中指の先までの長さ」、中国では約18センチメートルと、若干異なっていたようです。日本では「た」「あた」と読んでいました。
「ヤタガラス」という神話に登場するカラスは漢字では「八咫烏」と書きます。「八咫」は非常に大きいことのたとえとなっています。
「尺」という漢字も長さの単位をあらわします。約30.3センチメートルの長さです。「尺」は「シャク」という読み方をすることが多いですが、同じ音読みでも今回のように「セキ」と読むことがあります。
「咫尺」はいずれも長さの単位をあらわす漢字の組み合わせですが、あらわす単位が小さいことから「非常に近い距離」「短い」転じて「貴人に間近で対面する」という意味で使われる言葉です。
「咫尺を弁ぜず」
「咫尺」という言葉を使った慣用句に「咫尺を弁ぜず」というものがあります。
「弁ぜず」というのは「弁ずる」の未然形「弁ぜ」に打消の助動詞がついたもので否定をあらわします。「弁ずる」は「物事をわきまえる」「解決する」などの意味があるため、「物事がわからない」という意味になります。
「視界がきかず、すぐ近くにあるものの見分けがつかない」
というのが「咫尺を弁ぜず」の意味になります。物理的に見えないのか、心理的に見えないのか、解釈次第で変わる言葉ですね。
なかなか見かけない漢字ですが「咫尺」の読み方を是非覚えておいてくださいね。