今回は「鰊」「薦被り」「嗾す」です。
見たことはあるのに、なかなか読めないこれらの漢字。
あなたは全部読めますか?
目次
1問目はこの漢字から!「鰊」
魚へんに東(柬)と書いて「鰊」。
魚へんの付く魚の名前は、いろいろありますよね。
魚+周で鯛(たい)。
魚+圭で鮭(さけ)。
魚+弱で鰯(いわし)など・・・
「鰊」は何と読むのか?
さっそく見ていきましょう!
「鰊」の読み方のヒントは・・・?
それではヒントです!
魚へんに東(柬)と書く「鰊」ですが、東(ひがし)ではなく別の方角が名前に含まれているんですよ。
読み方はひらがなで「〇〇ん」の3文字。
〇〇に、東以外の方角を入れてみると・・・
もう、分かりましたよね?
「鰊」の読み方の答えは・・・
正解は、「にしん」でした!
東(ひがし)だけど「にし(西)」が付くんですね。
鰊(にしん)は体長の小さな魚です。
「東(柬)」には「若い」という意味があったことから「鰊」という漢字になったと言われています。
中国では小魚のことを「鰊」と書いていたことから、そのまま日本では小さなにしんのことを「鰊」と表すようになったという説もあります。
また、「鰊」のほかにもう1つ、「鯡(にしん)」という漢字もありますが、これは小さくて「魚に非ず」という意味で当てられた漢字だと言われています。
さらに北海道では、春に出産・産卵のため現れる魚のため「春告魚」とも呼ばれているんですって。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
2問目はこの漢字!「薦被り」
「薦被り」の読み方をご存じですか?
「薦」という字は「蔦」に似ているように見えますが「つたかぶり」では間違いです。
それでは、いったい何と読むのでしょうか?
「薦被り」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○○かぶり」の4文字
- 訓読みです
- 神社で見かけることがあります
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「薦被り」の読み方、正解は・・・
正解は
「こもかぶり」
です!
「薦」は草(マコモ)で織った敷物(むしろ)のことをあらわしており、このむしろで包んだ4斗(約72リットル)入りの酒樽のことを「薦被り」と呼んでいたのです。「こも」は「菰」とも書き「菰冠」と書かれることもあります。
別の意味では、むしろをかぶっているというイメージから「乞食(こじき)」のことや死刑囚や非業の死をとげた人のことをあらわすこともあります。
現代にもある「薦被り」
元々酒樽をむしろで包んだのは、海上輸送が盛んになった江戸時代、大きな酒樽が破損しないように、という目的でしたが、現代でも藁(わら)を使って綺麗に飾り付けられた酒樽が「菰樽(こもだる)」と呼ばれています。縁起物や銘柄の広告として樽を包んでおり、元の目的とは大分変わったものになっています。
綺麗に包まれた酒樽が、大きい神社に並べて奉納されている様子をご覧になった方も多いと思います。
神社で酒樽を見かけたら「薦被り」のことや読み方を思い出してくださいね。
最後はこの漢字!「嗾す」
「嗾す」を読めたあなたはすごい!
それくらい難しい漢字が今日の問題です。
「口」が付いているから何か「話すこと」に関係がある漢字かも!?
「はなす」?
「はやす」?
残念ながら違います!
さっそく考えていきましょう。
「嗾す」の読み方のヒントは・・・?
それではヒントです!
「嗾す」の読み方は、ひらがなで「〇〇〇〇す」です!
「口(くち)」が付くことから予想した通り、話すことに関係がある漢字ですよ。
「嗾す」は、「良くない行動をするように言葉で誘導したりおだてたりする」という意味で使われます。
あまりよくない意味で使われる漢字なんですね。
「分割払いにすればいいからと高価な化粧品を買うよう嗾す」というように使われます。
考えてみてください!
「嗾す」の読み方の答えは・・・
正解は、「そそのかす」でした!
「そそのかす」は、常用漢字の「唆す」という漢字の方が一般的です。
「嗾す」も「唆す」も意味や使われ方は全く同じ「そそのかす」です。
でも「嗾す」の漢字の方も、何となく漢字の形の雰囲気から「そそのかす」にぴったりな感じがありますよね。
うまい話には「嗾(そそのか)されない」ように気を付けましょうね!
最後までお付き合いいただきありがとうございました。