今回は「駘蕩」「擬物」「綸子」です。
見たことはあるのに、なかなか読めないこれらの漢字。
あなたは全部読めますか?
目次
1問目はこの漢字から!「駘蕩」
「駘蕩」
これ、何と読むかわかりますか?
漢字自体は難しくないように見えますが、
あまり使う機会がない言葉ですよね。
さあ、あなたは何と読みましたか?
「駘蕩」読み方のヒント!
「駘蕩」は、どちらの漢字もあまり普段使いはしないのでは?
そのため読み方が分からず「だいゆ」なんて読んでしまうかも。
実際の読み方は4文字!
「た〇〇う」の〇に当てはまる文字を考えてみましょう!
さて、あなたは何と読みましたか?
「駘蕩」の読み方、正解は…
気になる正解は…
「たいとう」
です!
「駘蕩」は、
「遮るものがなく、のびのびとした様子」という意味の言葉です!
この言葉自体でも使われますが、
「春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)」という言葉として使われることが多いですよ。
駘蕩の意味をさらに強調したような言葉で
「春風がそよそよと吹いている、のどかで気持ちの良いさま」や
「温和でのんびりとした人柄の例え」となります。
例文としては
「駘蕩な菜の花畑でピクニックを楽しむ」
「彼は春風駘蕩を地で行くような人物だ」
などで使えますよ。
ほっこりとした雰囲気を感じさせる反面、
人物に使う場合は皮肉にも捉えられる可能性があるので注意しましょう。
これを機に覚えておくと、適材適所で使えるはずですよ!
2問目はこの漢字!「擬物」
「擬物」の読み方をご存じですか?
「擬物」には「ぎぶつ」という読み方があり、物になぞらえるという意味がありますが、それ以外の読み方もあります。
いったい何と読むのでしょうか?
「擬物」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○○○もの」の5文字
- 訓読みです
- 「ぎぶつ」とはまったく違う意味です
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「擬物」の読み方、正解は・・・
正解は
「まがいもの」
です!
「本物に似せて作ったもの」「偽物」「模造品」というような意味があります。「紛物」とも書きます。
また「ぎぶつ」と区別するために「擬い物」「紛い物」と表記することもあります。
「擬物」と「紛物」
「まがいもの」という読み方では「擬物」も「紛物」も同じ意味なのですが、「紛物」には「まぎれもの」という読み方もあり「まぎらわしいもの」という意味になります。「擬物」同様、同じ漢字でも読み方が違うと意味が変わってしまうのです。
元々「擬」は「まねる、なぞらえる」という意味があり、「紛」は「いりみだれる、まぎらわしい」という意味のため、「まがいもの」の持つ「本物と見分けがつかないほどよく似せてあるもの」というニュアンスとしては「擬物」の方がより正確かもしれませんね。
読み方が多くてまさに「紛らわしい」ですが、「擬物」の読み方を是非覚えておいてくださいね。
最後はこの漢字!「綸子」
「綸子」を何と読みますか?
きらきら、艶やかで滑らかな手触り…
早速ヒントを見てみましょう!
「綸子」の読み方のヒントは?
1.「綸子」をひらがなにすると、3文字になります。
2.「綸子」は、花嫁衣装や振袖によく用いられます。
3.『薄く染めた綸子の被布に、』夏目漱石「虚美人草」より引用
4.『綸子からすべり出でけりけふの月』立花北枝
正解は…
正解は「りんず」でした!
「綸子」とは、経糸と緯糸がどちらも撚(よ)らない糸を使って、「朱子織(しゅすおり)」という織り方で作られた生地。
ややこしいですが、朱子織した生地の一種が「綸子」です。
「綸子」は、光沢に文様が美しく浮かび上がる独特の高級感が特徴。
華やかですが薄手の生地なので、暑い季節の着物によく使われます。
ちなみに、洋服地ではダマスクと呼びますよ。
「綸」の音読みは「リン・ロン・カン」、訓読みは「いと」「綸める(おさめる)」、漢検1級、14画の漢字です。
「綸」という漢字には、天子の言葉、おさめるという意味もあります。
「綸」の左側にある糸へんは撚り糸(よりいと)の象徴。
右側は「三直線が合う象形」と「文字を書くために紐で編んだ札の象形」。
「糸すじの整った糸」すなわち筋道を立てるという意味の漢字です。
出典:コトバンク