今回は「松籟」「お鳥目」「逼塞」です。
見たことはあるのに、なかなか読めないこれらの漢字。
あなたは全部読めますか?
目次
1問目はこの漢字から!「松籟」
「松籟」って、なんて読むのでしょう?
「松(まつ)」は読めるので・・・「まつたけ」?「まつやに」?
残念ながらどれも違います!
ただ、松の木の様子を表す、風情ある言葉なんですよ。
何と読むのかさっそく見ていきましょう!
「松籟」の読み方のヒントは・・・?
それではヒントです!
- 「松籟」の意味は、「松林を吹き抜ける風の音」という意味の言葉です。
- 同じ意味に「松濤」があります。
- 読み方は、「しょう〇〇」の5文字です。
何と読むか、分かりましたか?
「松籟」の読み方の答えは・・・
正解は、「しょうらい」でした!
「松籟(しょうらい)」の「籟(らい)」には「風がものに当たって発する音」という意味があり、「松」の「籟」で「松林を吹き抜ける風の音」という意味になるというわけです。
また、松林を吹き抜ける風の音に似ていることから、茶の湯で茶釜の湯が煮えたぎる音の事も「松籟」というんですよ。
全く異なる音ですが、本当に似ているのか聞いてみたくなりますね。
太宰治著の『風の便り』にも「深夜の松籟は、浪の響きに似ています。」という一文があるんですよ。
また、松籟と同じ意味で「松濤(しょうとう)」という言葉もあります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
2問目はこの漢字!「お鳥目」
本日の難読漢字クイズは「お鳥目」です。
夕方に目が見えにくくなる「とりめ」のことではありません。
早速ヒントを見てみましょう!
「お鳥目」の読み方のヒントは?
1.「お鳥目」をひらがなにすると「お〇ょ〇〇〇」になります。
2.「お鳥目」が嫌いな人はいないと思いますよ!
3.『二百文の鳥目を戴きました。』森鴎外「高瀬舟」より引用
正解は…
正解は「おちょうもく」でした!
「お」を省いて「鳥目」だけでも正解です。
「お鳥目」は昔のお金のこと。
江戸時代までの銭貨は真ん中に穴が開いた形状が多く、それが鳥の目に似ているので「鳥目」と呼ばれるようになったそうです。
似た意味の言葉に「お足(おあし)」があります。
ちなみに、お札と硬貨は発行元が違うことはご存じでしょうか?
お札の正式名称は「紙幣」、日本銀行から発行されます。
一方、硬貨の正式名称は「貨幣」、日本政府の財務省が発行しています。
どうして2種類に分かれているかというと、お札は寿命が短いけれど、硬貨は長く使えるから!
どちらも同じお金ですが、お札は何枚でも一度に使用できるのに対し、硬貨はひとつの種類につき一度で20枚までの強制力しかありません。
つまり、21枚以上の硬貨は受け取る側が拒否できるんですね!
最後はこの漢字!「逼塞」
「逼塞」の読み方をご存じですか?
「逼」は「逼迫」という言葉で見かける字です。「逼迫」にはなんとなく「圧迫」と同じような意味がありそうと考えて「逼塞」を「あっそく」と読むと間違いです。
それでは、何と読むのでしょうか?
「逼塞」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「ひ○○○」の4文字
- 1文字目は「逼迫」と同じ読み方です
- 「隠居」と似た意味を持ちます
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「逼塞」の読み方、正解は・・・
正解は
「ひっそく」
です!
「八方ふさがり」や「世間から隠れ、ひっそり暮らすこと」という意味になります。
ヒントで「隠居」と似た意味を持つと説明しましたが、隠居が「従来就いていた官職や家業などから離れて生活を送ること」を指すのに対し、逼塞は「落ちぶれて」という意味合いが強くなります。
「逼」には「せまる」「縮まる」という意味があります。「逼迫」は「行き詰ってゆとりのない状態」を表します。
「塞」は「ふさがる」「ふさぐ」という意味があり、通路をふさいで守りを固めるというイメージから「とりで」という意味も持ちます。
「逼塞」は「八方ふさがりの状況から逃れ、ひっそり暮らす」ことを表しているのです。
現在は政治、経済のニュースなどにたまに出てくる程度であまりなじみがありませんが、江戸時代をあつかう時代劇では武士などに対する刑罰(謹慎)としても使われることがあります。是非覚えておいてください。