本日の難読漢字は…
「黒南風」「裳着」「魯魚亥豕」です!
全部読めたら気持ちいい!
目次
1個目の漢字はこれ!「黒南風」
まずはこの漢字からです。
「黒南風」を何と読みますか?
少し憂鬱でじめじめしたイメージですよ。
3つのヒントで考えてみましょう。
「黒南風」の読み方のヒントは?
1.「黒南風」は、黒という色のイメージにぴったりの風です。
2.「黒南風」に対して「白南風」もあります。
3.「黒南風」は、俳句で夏の季語とされています。
正解は…
正解は「くろはえ」でした!
濁点を付けて「くろばえ」と読んでも正解ですよ。
「黒南風」とは、夏の梅雨時に吹く南風のこと。
陰鬱で憂鬱な梅雨のイメージと、どんよりした雨雲を黒という色に例えているんですね。
季節風やモンスーンより、風情のある呼び方です。
俳句では、梅雨さなかの南風を「荒南風(あらばえ)」、梅雨明けの南風を「白南風(しらはえ)」と呼びます。
『黒南風の雲斷れにけりこの夜ふけ月ほそく光り鷺と鶴のこゑ』北原白秋
『白南風や海一望の観覧車』倉田静子
『黒南風や鯉飛び跳ねる草の上』笹川悦子
3種類とも南風を「はえ」と読みますが、沖縄では南の方位を、西日本でも南寄りの風を、「はえ」といいます。
また、南風(はえ)と読む地名も日本には多く見られます。
沖縄県:南風原町(はえばるちょう)・勝連南風原(かつれんはえばる)
長崎県:白南風町(しらはえちょう)・南風崎町(はえのさきちょう)
2個目の漢字はこれ!「裳着」
「裳着」を何と読みますか?
漢字からして、どうやら衣類のようですが…
読めたあなたは漢字マスター!
「裳着」の読み方のヒントは?
1.「裳着」は上流階級の儀式です。
2.日本の歴史が好きな人は「裳着」を読めるかもしれません。
3.『この人の婚約者の女二の宮の裳着の式が目前のことになり、』紫式部「源氏物語」より引用
正解は…
正解は「もぎ」でした!
「裳着」とは、平安時代から安土桃山時代にかけて、女子が成人した際に行われた通過儀礼。
「裳着」を行う年齢は厳密に決まっておらず、おおよそ12歳から16歳くらいが目安。
配偶者の見込みが決定したタイミングが多く、暦は吉日が選ばれました。
ちなみに男子が成人した際の通過儀礼は「加冠(かかん)」といいます。
やがて、江戸時代以降は男女どちらも「元服」と呼ばれる通過儀礼に変わりました。
今の「成人式」のルーツなんですね!
「裳着」では「裳(も)」という腰から下の衣服を身に着けます。
他には、お歯黒をして眉を剃り、殿上眉を描いたのだそう。
「裳」の音読みは「ショウ」「ジョウ」、訓読みは「も」「もすそ」、漢検1級14画の漢字です。
上の部分の「常」は、下半身に着ける衣類が原義なので、いわゆるスカートのこと。下の部分の「巾」は、布をあらわします。
3個目の漢字はこれ!「魯魚亥豕」!
「魯魚亥豕」の読み方を考えてみましょう。
スラっと読めたら漢字マスターです。
では3つのヒントをどうぞ!
「魯魚亥豕」の読み方のヒントは?
1.「魯魚亥豕」の類義語には「亥豕之譌」「已己巳己」などがあります。
2.「よし!魯魚亥豕を肝に銘じて漢検の勉強をしよう!」のように使います。
3.「魯魚亥豕」は四文字熟語として使われます。
正解は…
正解は…「ろぎょがいし」でした!
「魯魚亥豕」とは、書き誤りやすい文字を意味する四文字熟語です。
「魯」と「魚」、「亥」と「豕」は似ているため、たしかに書き間違いの多い漢字ですよね。
「魯魚」は『抱朴子』、「亥豕」は『呂氏春秋』、それぞれ中国の書物を出典としています。
「魯魚亥豕」に似ている四文字熟語
うっかり書き誤りやすい漢字を意味した四文字熟語は他にもあります。いくつか紹介していきます。
全部読めたらすごいです!書けたらもっとすごい!
「已己巳己(いこみき)」・「亥豕之譌(がししのか)」・「三豕渉河(さんししょうが)」・「魯魚章草(ろぎょしょうそう)」・「三豕己亥(さんしきがい)」
また、「虎虚之誤」や「魯魚之謬」のように、前半の2つの漢字に対し、後半に「之誤・之誤(のあやまり)」を付けた2文字熟語のパターンもあります。