漢字読み講座

「捏ち上げる」「勃然」「方違え」難読漢字で頭の体操!

難読漢字で頭の体操をしましょう!

今日の問題は3つ!

「捏ち上げる」「勃然」「方違え」です。

1個目の漢字はこれ!「捏ち上げる」

「捏ち上げる」を何と読みますか?

日常的によく使う言い回しですよ。

早速ヒントを見てみましょう!

「捏ち上げる」の読み方のヒントは?

1.「捏ち上げる」をひらがなにすると、「〇っ〇上〇〇」になります。

2.「捏ち上げる」に関連する言葉には、「偽装・歪曲・偏向・カモフラージュ」などがあります。

3.「彼らはいつも話を捏ち上げるから困ったものです」のように使います。

正解は…

正解は「でっちあげる」でした!

「捏ち上げる」とは、事実でないことを、まるで真実のように捏造(ねつぞう)することです。

捏造の「捏」は音読みで「デツ」と発音されるため、この「デツ」が動詞化されて「捏ち上げる」になったといわれています。

ちなみに、丁稚奉公(でっちぼうこう)の丁稚を語源とする説は正しくないそうです。

「捏」の音読みは「ネツ・ネチ・デツ」、訓読みは「捏ねる(こねる)」「捏ねる(つくねる)」、漢検1級10画の漢字です。

作り話やホラ話には悪意がある場合もありますが、多くは相手を楽しませる創作や笑い話。

対する「捏ち上げ」には、ずるい気持ちや他人への悪意があることがほとんど。

・書類の体裁だけを「捏ち上げる」

・彼女の悪評を「捏ち上げる」

「捏ち上げる」人には、なるべく関わりたくありませんね…。

2個目の漢字はこれ!「勃然」

「勃然」を何と読みますか?

うっかり「忽然(こつぜん)」と間違えそうですが…

早速ヒントを見てみましょう!

「勃然」の読み方のヒントは?

1.「勃然」をひらがなにすると、4文字になります。

2.「勃然」に関連する言葉には、「前触れもなく・むんずと・不意に・豹変」などがあります。

3.「勃然」をフランス語にすると「éruption」、イタリア語では「eruzione」です。

4.『反絵の顔は勃然として朱を浮べると、』横光利一「日輪」より引用

正解は…

正解は「ぼつぜん」でした!

「勃然」とは、急に勢いよく起こるさま、顔色を変えて怒るさま、思いがけないさまです。

同じ「然」で終わる二文字熟語の「忽然・唖然・呆然・」はよく使われるのに、「勃然」はあまり使われませんね。

「勃」の音読みは「ボツ・ホツ・ボチ」、訓読みは「勃こる(おこる)」「勃かに(にわかに)」、漢検2級9画の漢字です。

「勃」を使う四文字熟語は以下の通り!

雄心勃勃(ゆうしんぼつぼつ):雄々しい勇気が盛んに湧いてくること

牛溲馬勃(ぎゅうしゅうばぼつ):くだらないもの、役に立たないものを指す喩え

暗香蓊葧(あんこうおうぼつ):どこからともなく、いい香りが漂ってくる様子(詩の場合は梅の香りを意味することが多い)

3個目の漢字はこれ!「方違え」

最後の難読漢字は「方違え」

知っておけばきっと得する知識です。

この機会に覚えてくださいね。

「方違え」の読み方のヒントは?

1.「方違え」をひらがなにすると、「〇〇〇〇え」になります。

2.「方違え」は平安時代に行なわれることが多かったそうです。

3.不動産関係の人は知っているかもしれません!

4.『女の家へ方違えにおいでになった場合とは違いますよ。』紫式部「源氏物語」より引用

正解は…

正解は「かたたがえ」でした!

「方違え」とは、自分にとって凶方位の方角に向かう前に、いったん別方角の仮住まいか仮宿で宿泊して凶方位をずらす方法。

「方忌み(かたいみ)」とも呼ばれます。

1.今住んでいる場所から見た引っ越し先が南で凶方位

2.今住んでいる場所から見た東か西の方位にあるホテルで一泊する

3.ホテルから見た引っ越し先は南西か南東なので、凶方位ではなくなる

「方違え」は陰陽道や九星術の方位神に基づいた考えで、平安時代は戦の開始や宮廷の政(まつりごと)の際にも行われていたといいます。

よく知られている方位神

・天一神(なかがみ)

・太白(たいはくじん)

・大将軍(だいしょうぐん)

・金神(こんじん)

・王相神(おうそうじん)

大切な面接や取引に赴く際、あなたも「方違え」を意識してみてはいかがでしょうか?

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イシカワマキコ
イシカワマキコです。日本語の奥深さが好きです! よろしくお願いします。