「垢衣」の読み方をご存じですか?
「垢」に「衣」で「あかころも」と読みたくなりますが、そのように読むことはあまりありません。
いったい何と読むのでしょうか?
「垢衣」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○○い」の3文字
- 音読みです
- 「垢」は「歯垢」と同じ読み方です
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「垢衣」の読み方、正解は・・・
正解は
「こうい」
です!
「垢」という漢字はいわゆる体のあかという意味の他に「よごれ」「けがれ」「恥」という意味があります。
「衣」は「身にまとうもの」という意味の漢字です。
「垢衣」は「汚れている衣服」を意味する言葉です。更に古い読み方だと「くえ」というものもありますが、魚の名前にも使われている「垢穢」も「くえ」と読むため、あまり使われていないようです。
「蓬髪垢衣」
不潔なイメージの「垢衣」ですが、使用されている例を見ると「蓬髪」という言葉と一緒に使われていることがあります。有名なのは以下の一節です。
頬が落ちこけて、鼻が突とんがって、眼光竜鬼の如しとある。おまけに蓬髪垢衣、骨立悽愴と来ていたんだから堪らない。袖を引かれた女はみんな仰天して逃げ散ってしまう。
夢野久作「ドグラ・マグラ」
「蓬髪」は「蓬(よもぎ)」のようにぼうぼうに伸びた髪のことをあらわしており、「蓬髪垢衣」はつまり「髪はぼうぼう、服は汚れている」というなりふり構わない様子のことをあらわしています。他にも「蓬髪垢面」「蓬頭垢面」「敝衣蓬髪」など、似たような意味を持つ四字熟語がたくさんあります。それだけ身だしなみが整っていない人が多かったということでしょうか。
身だしなみを整えることを意識しつつ「垢衣」の読み方を是非覚えておいてくださいね。