今日の難読漢字は
「兜巾」
「弁疏」
「虚ろ」
の3問です!あなたは正しく読めますか?
目次
難読漢字、1問目は「兜巾」!
「兜巾」の読み方をご存じですか?
「巾」は「布巾」などで見かけることがあります。「兜」は「かぶと」と読む漢字で、五月人形などでも使われていますが、「兜巾」だといったい何と読むのでしょうか?
「兜巾」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○きん」の3文字
- 音読みです
- 「頭巾」とも書きます ※「ずきん」ではありません
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「兜巾」の読み方、正解は・・・
正解は
「ときん」
です!
「兜」という漢字は最初に書いたように頭を守る武具である「かぶと」のことで、音読みは「ト」や「トウ」になります。
「巾」は「ぬのきれ」や「かぶりもの」という意味で使われる漢字です。
「兜巾」は「修験道の山伏がかぶる黒白の布でつくった帽子」のことをさす言葉です。「頭襟」と書いた場合も同じ読み方になります。「頭巾」も場合によっては「兜巾」のことをさして「ときん」と読むことがあります。ちょっと紛らわしいですね。
山伏と天狗
「山伏がかぶる頭巾」と言われても想像がつかないかもしれません。一番イメージしやすいのは
「天狗の頭に載っている小さな帽子」
ではないでしょうか。あれが「兜巾」です。天狗は山伏の装束を着ていると言われています。
「山伏」は修験道(しゅげんどう)と呼ばれる日本古来の宗教をもとに修行を行っている人のことで「修験者(しゅげんじゃ)」とも呼ばれます。天狗は修験道の神とされており、修験道の開祖が従えていた鬼が後に天狗になったとも言われています。一般的には妖怪のイメージが強い天狗ですが、神としても信仰されているのですね。
天狗や山伏の装束を見かけたら、「兜巾」という言葉と読み方を是非思い出してくださいね。
難読漢字、2問目は「弁疏」!
「弁疏」の読み方をご存じですか?
「弁」は「弁当」や「弁護」など見かけることが多い漢字ですが「疏」は「流」に似た字だからと言っても「りゅう」とは読みません。
それでは、いったい何と読むのでしょうか?
「弁疏」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「べん○」の3文字
- 音読みです
- 「疏」は一部「疎」が書きかえ字となります
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「弁疏」の読み方、正解は・・・
正解は
「べんそ」
です!「弁」の異体字である「辯」を使って「辯疏」と書くこともあります。
「弁」という漢字は「処理する」「はなびら」「話す」など多くの意味がありますが、ここでは「話す」という意味で使われています。
「疏」は「通じる」「うとむ」「まばら」「おろそか」「しるす」「注釈」などこちらも多くの意味がありますが、ここでは「注釈」という意味が一番近い表現になります。
「弁疏」は「事情を説明して理由をはっきりさせること」「言い訳すること」という意味になります。なお、ヒントで「疎」が「疏」の書きかえ字になると書きましたが、「弁疎」という使われ方はあまりしないようです。
「法の不知は弁疏とならず」
「弁疏」という言葉は「言い訳」「弁明」と言い換えられることが多いですが、印象的な言い回しに
「法の不知は弁疏とならず」
があります。これはラテン語の「Īgnōrantia jūris nocet.」を訳したもので、一般的には「法の不知はこれを許さず 」と言われています。「言い訳にならない=許されない」ということです。いくら「その法律を知らなかった」と主張しても、罪を犯す意思がなかったすることはできないということですが、「弁疏」を使うとまた違った印象になりますね。
言い訳しても笑って流してもらえそうな時「弁疏」という言葉を使ってみるのも面白いのではないでしょうか。
難読漢字、3問目は「虚ろ」!
「虚ろ」の読み方をご存じですか?
「虚」という漢字は「謙虚」「虚言」など音読みで使うことが多いですが、訓読みの場合はいったい何と読むのでしょうか?
「虚ろ」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○つろ」の3文字
- 訓読みです
- 「空ろ」と書くこともあります
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「虚ろ」の読み方、正解は・・・
正解は
「うつろ」
です!
「虚」という漢字は「中身がない」「うそ」「邪心がない」「よわる」など様々な意味がありますが、ここでは「中身がない=中がから」転じて「生気がなくぼんやりとした様子」をあらわす言葉です。
「空」という漢字にも「中身がない」という意味があり、「空ろ」は「虚ろ」と同じ読み方、意味で使われることが多いです。
ちなみに「うつせみ」というセミの抜け殻をあらわす言葉も「虚蟬」「空蟬」どちらも使うことがあります。
「虚」「空」送り仮名がない場合は?
ちなみに「虚」「空」は送り仮名「ろ」が無い場合違う読み方をすることがあります。それは「うろ」です。こちらは「中が空洞になっているところ」という意味になります。木の空洞部分やほら穴のことをさす言葉になります。こちらには「虚ろ」「空ろ」のようなぼんやりとした様子をあらわす意味はないので注意してください。
送り仮名のあるなしで少し異なる「虚ろ」の読み方を是非覚えておいてくださいね。
さて、難読漢字3問、いかがでしたか?
全問正解できた方も、今回はあまり正解できなかった方も、また難読漢字にチャレンジしてみてくださいね。