夏になると、「暑くてなかなか寝付けない」「すぐに目が覚めてしまう」など、睡眠に悩む方は多いのではないでしょうか。
それもそのはず、気温が25度を超えると睡眠に問題を抱える人が一気に増えるのだとか。
でも、これからご紹介するコツを試すことで、暑い日でもぐっすり眠れるようになるかもしれませんよ。
目次
夏の寝苦しさは深部体温が関係している
みなさんは、「深部体温」という言葉を聞いたことがありますか?人の体温には、皮膚の表面の体温と、体内の臓器の温度である、深部体温の2種類があります。人は夜になると手や足から熱を放出し、深部体温が下がります。これにより自然と眠りにつくことができるのです。
ところが夏になると気温や湿度が高くなるので、熱の放出がうまくいかず、深部体温が思うように下がらないのです。これが夏になると寝苦しいと感じる原因です。このことから、夏の寝苦しさ解消のカギは深部体温を下げることにあります。
夏にぐっすり眠るためのコツ3選
では、夏にぐっすり眠るためには具体的にどのような対策をとれば良いのでしょうか。3つのコツをご紹介しましょう
エアコンを上手に活用する
睡眠中、エアコンの付けっ放しは体に悪いからとタイマーなどで止めてしまう方は多いのではないでしょうか。実はこれはNG。ぐっすり眠るためにも、熱中症の予防のためにも、エアコンは付けっ放しがおすすめです。
日本成人病予防協会によると、寝室の温度は26℃〜28℃、湿度は50~60%がおすすめなのだとか。とはいえエアコンの温度が低いまま付けっ放しにしたり、エアコンの風が直接当たる状態で寝ていると、体調を崩すことも。そこで同協会では、睡眠中、エアコンは28℃前後の高めの設定にし、除湿機能や送風機能を利用して暑さをしのぐことを推奨しています。
また奈良女子大学の教授久保博子さんは、睡眠中エアコンで室温を低くしすぎると体が冷えすぎて体調不良を起こすこともあるため、湿度のコントロールも上手に行うことが大切だと述べています。
さらに久保さんは、どうしてもエアコンの付けっ放しが気になる場合は、睡眠のリズムに合わせ3時間後に切れるようタイマーを設定すると、睡眠の質に影響を与えにくいと述べています。
「スタンフォード式最高の睡眠」の著者西野精治先生は、寝室のエアコンを寝る30分ほど前からつけておき、寝室の温度を少し涼しいと感じる程度まで下げておくことを推奨しています。
寝る前に冷たい飲み物を飲む
寝る前にカフェインの入っていない冷たい飲み物を飲むことも、深部体温を下げてくれるのでおすすめです。逆に温かい飲み物は深部体温を上げてしまうため寝る直前に飲むことは避けましょう。
寝具を工夫する
日本成人病予防協会によると、パジャマを着ることで睡眠の質を上げられるそうです。パジャマは寝るために作られた衣服なので、快適に寝られるよう寝返りの打ちやすさや吸湿性などが計算され尽くしています。
ジャージなどをパジャマの代わりに着る方は多いですが、睡眠用ではないのでパジャマに比べると寝心地はよくないでしょう。
寝具は、ひんやりと感じるものを使用するのがおすすめです。「スタンフォード式最高の睡眠」の著者西野精治先生によると、寝る30分ほど前に枕を冷やしておくことで、寝苦しさが緩和されるそう。
このポイントは、枕の上の方を冷やすこと。枕の下を冷やしてしまうと、かえって目が冴えてしまうため注意が必要です。
暑い夏の睡眠は寝る前の対策でぐっすり
暑くて寝苦しい夏の夜は、深部体温に注目し、寝る前の対策をしっかり行うことでぐっすり眠ることができそうですね。今回ご紹介したものは、どれもそれほど難しいものではないのでぜひ取り入れてみてください。
睡眠不足は体調不良を引き起こすこともあります。しっかり睡眠をとって夏を元気に乗り切りましょう。