漢字読み講座

「九十九折」「跋扈」「愈」3つの難読漢字にチャレンジ!

今回の難読漢字クイズは…

「九十九折」「跋扈」「愈」です!

漢字マスター目指してチャレンジしてみませんか?

1問目「九十九折」

1問目は「九十九折」です。

99回も何かを折るのでしょうか?

早速ヒントを見てみましょう。

「九十九折」の読み方のヒントは?

1.「つくも折」ではありません。

2.登山が好きな人はピンとくるかもしれません!

3.『夏の山路は九十九折で夜道は自動車も危険だが、』坂口安吾「禅僧」より引用

正解は…

正解は「つづらおり」でした!

「九十九折(つづら折り)」とは、登山道や坂道がクネクネと曲がっていたり、ジグザグに折れ曲がって続いていることです。

くず湯に用いる植物「葛(くず・つづら)」の、つるが曲がりくねっている様子に似ているため「つづら」といいます。「折(おり)」は幾重にも重なっていることです。

したがって、「葛折」と書いても正解!

同じ意味の言葉には、「九折(きゅうせつ)」「羊腸(ようちょう)」「盤折(ばんせつ)」があります。

「葛」が「九十九」になったわけ

「葛」はどうして「九十九」と書くようになったのでしょう?

「つづら」には植物の「葛」だけでなく、「葛で編んだ籠」という意味もあります。諸説ありますが、この織り目が九十九個に見えることから、九十九を「つづら」と読ませたそうです。

「九十九」は「つくも」とも呼びます。百よりひとつ少ない、つまり「数が多い」という意味です。

2問目「跋扈」

次の問題は「跋扈」!

どちらも難しい漢字ですね。

でも、四文字熟語で見たことがありませんか?

「跋扈」の読み方のヒントは?

1.「跋扈」の類義語には「横行する」「のさばる」「はびこる」などがあります。

2.この森は夜になると魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈するのです。

3.『フランスの人民は貴族の跋扈に疑いを起こして騒乱の端を開き、』福沢諭吉「学問のすすめ」より引用

正解は…

正解は…「跋扈」でした!

「跋扈」の意味は、悪人や世間から疎まれる人たちが、わがもの顔でのさばる様子、思うまま身勝手に振る舞うことです。

「跋(バツ)」には「踏みにじる」「踏み越える」などの意味があります。

「扈(コ)」には「のさばる」などの意味がありますが、「跋扈」という熟語の場合、魚を獲るための仕掛け道具を指します。

つまり「跋扈」とは、大きな魚が仕掛けを飛び越えて跳ねる魚の様子を表した言葉です。

「跋扈」を使う熟語

「跋扈」を使う熟語はとても多いです!

「跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)」「専横跋扈(せんおうばっこ)」「梁冀跋扈(りょうきばっこ)」「飛揚跋扈(ひようばっこ)」「陸梁跋扈(りくりょうばっこ)」

どれもほぼ同じ意味で、悪人がのさばり、好き放題に振る舞うことです。

3問目「愈」

最後の問題は「愈」!

あまり見たことがない漢字です…。

「癒す(いやす)」に似ていますが、ちょっと違いますね。

「愈」の読み方のヒントは?

1.「愈」をひらがなにすると4文字です。

2.「愈」の類義語には、「ますます」「だんだんと」などがあります。

3.「愈プロジェクトが始動しますね!」

4.『私は愈狼狽して、又真紅になって、』双葉亭四迷「平凡」より引用

正解は…

正解は「いよいよ」でした!

「愈(いよいよ)」とは、よりいっそう程度が高まる、時期が迫る、革新の度合いが強まる様子を表すのに使われる言葉です。「勝る(まさる)」「秀でる(ひいでる)」という意味もあります。

「愈々」と書いても正解です。一般的には「いよいよ」とひらがなで書くことが多いでしょう。

「愈」の音読みは「ユ」、訓読みは「いよいよ」「愈える(いえる)」「愈やす(いやす)」、画数は13画です。

「愈」いろいろな使い方

「愈」を強めた「愈以て(いよいよもって)」という表現があります。

『愈以て山の神格化されたものであることが』木暮理太郎「山の今昔」より引用

また、「愈の時は加勢を頼むよ!」のように、ある事態に至ったときを想定して使うケースもありますね。

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イシカワマキコ
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