今回の漢字は…
「流鏑馬」「駕輿丁」「咳」!
難読漢字3連発です!
目次
1個目の漢字はこれ!「流鏑馬」
「流鏑馬」を何と読みますか?
難読なのは真ん中の漢字だけではありません。
ヒントを見て考えてみましょう。
「流鏑馬」の読み方のヒントは?
1.「流鏑馬」をひらがなにすると4文字になります。
2.時代劇が好きな人は知っているかもしれません…
3.『また先日の流鏑馬の催しについての』中里介山「大菩薩峠」より引用
正解は…
正解は「やぶさめ」でした!
「流鏑馬」は、疾走する馬の上から弓矢を的に流す伝統武術です。
色々な流派がありますが、一般的に目標とする的は全部で3ヶ所、距離は助走から約220m、的に刺さると音が鳴る「鏑矢(かぶらや」という矢を使います。
「流鏑馬」についての最も古い記録は「日本書紀」。680年に奈良県長柄神社で行われた記録が残っています。平安時代には宮廷行事の一環として実施されました。
「流鏑馬」の成り立ち
続いて「流鏑馬」の成り立ちを見てみましょう。
「流」は「射流す」、「鏑」は前述した「鏑矢」、そして「馬」。
馬上から矢を射る武術は、元々「矢馳馬(やばせめ)」と呼ばれており、発音が転じて「やぶさめ」になったと考えられています。
鎌倉時代以降の「流鏑馬」は、いわゆる武士のたしなみでしたが、江戸時代からは祈願成就や厄除けといった神事としての意味合いが強くなったそうです。
2個目の漢字はこれ!「駕輿丁」
今回の難読漢字クイズは「駕輿丁」です。
初めて見る人が多いのでは?
がこうちょう、ではありません。
「駕輿丁」の読み方のヒントは?
1.「駕輿丁」をひらがなにすると「〇△〇ょ△」です。
2.奈良時代から存在します!
3.『駕輿丁の者も、雪の歩行にたえられぬからだった。』吉川英治「私本太平記」より引用
正解は…
正解は「かよちょう」でした!
「駕輿丁」とは、高貴な人を乗せた駕輿を担ぐ朝廷の職員のことです。
輿丁(よてい・よちょう)、輿舁(こしかき)とも呼ばれました。
彼らが担ぐ「駕輿(かよ)」とは、時代劇でよく目にするカゴの上等なものです。「輿(こし)」ともいいますよ。
「駕輿」は平安時代まで天皇をはじめ皇族が乗る物とされていました。ちなみに公家は主に牛車に乗ったそうです。
「駕輿丁」から「駕輿丁座」へ
「駕輿丁」は、やがて商工業組合「駕輿丁座」を開きました。
「駕輿丁座」とは、米、酒、味噌、材木、薬、馬など多くの商品を扱う商工業組合です。
皇族の乗り物を担ぐ「駕輿丁」には元々課役免除があったこと、加えて関銭などの免除や専売権を手にしたことで、「駕輿丁座」は大きく発展しましたが、江戸時代に楽市・楽座制が発令されたせいで衰退したそうです。
3個目の漢字はこれ!「咳」
「咳」を何と読みますか?
もちろん「せき」ですね!
さて、それ以外の読み方を考えてみましょう。
「咳」の読み方のヒントは?
1.「咳」をひらがなにすると4文字になります。
2.『咳けば少し抜けゆくかなしみよ』矢島恵(現代俳人)
3.『最早咳一つする者も無かったのです。』野村胡堂「新奇談クラブ」より引用
正解は…
正解は「しわぶき」でした!
漢字そのまま、「咳(せき)」のことです。赤ん坊や幼児が笑うことも意味します。
「咳」の音読みは「ガイ」「カイ」、訓読みは「せき」「せく」「しわぶき」「咳く(しわぶく)」です。
「咳(しわぶき)」の成り立ち
「しわぶき」という発音は「しはぶく」といわれています。
「しはぶく」の成り立ちには諸説あり、ひとつは「繁(しは)吹く」から、もうひとつは唇や舌を意味する「しは」という古語からきているという説です。
「咳(しわぶき)」の言葉や古語
昔「しわぶき」は「しはぶき」と書きました。
しわぶきひとつない:咳払いひとつない静けさ
しわぶきやみ・しわぶきやまい:咳の出る病気『このあか月より、しはぶきやみにや侍らん』源氏物語より引用
しわぶきして語り始める:何かの合図として、わざと咳払いをすること
しはぶきおぼほれて:咳込んでむせてしまうこと