3つの難読漢字に挑戦です!
「止揚」「演繹」「添水」
あなたはいくつ読めるでしょうか?
目次
1個目の漢字はこれ!「止揚」
「止揚」を何と読みますか?
「とめあげ」と読みたくなりますが…
早速ヒントを見てみましょう!
「止揚」の読み方のヒントは?
1.「止揚」をひらがなにすると3文字になります。
2.「止揚」をドイツ語にすると「アウフヘーベン」です。
3.『歴史は常に対立する現実を止揚しながら動いてきた。』五木寛之「風に吹かれて」より引用
正解は…
正解は「しよう」でした!
「止揚」の意味は大きく分けて2つあります。
1.あるものを、そのものを否定するが、契機として保存して、より高い段階で生かす
2.矛盾する諸要素を、対立と闘争の過程を通じて発展的に統一する
なかなか難しいですね!
ドイツの哲学者ヘーゲルが「弁証法」の思考プロセスに用いたことが有名なので、「止揚」より「アウフヘーベン」の方がポピュラーに使われます。
※弁証法とは、対立や矛盾を否定せずに議論を深めつつ、最終的に思考を統合することです。
「止揚」の具体例
例①
意見A:「これは三角形だ」
意見B:「丸にも見えるから矛盾してるんじゃない?」
AとBによる止揚:「これは円錐だ!」
例➁
意見A:「もっと米を消費すべきだ」
意見B:「でも、パンの方が好きだ」
AとBによる止揚:「米粉でパンを作ろう!」
難しいイメージの「止揚」ですが、日本人にとっては案外しっくりする思考方法ではないでしょうか?
2個目の漢字はこれ!「演繹」
次の難読漢字は…「演繹」です!
哲学や思想が好きな人はピンとくるかもしれません。
あなたは何と読みますか?
「演繹」の読み方のヒントは?
1.「演繹」をひらがなにすると4文字になります。
2.「演繹」の類語には「推論」「展開」「関連」などがあります。
3.『前提から演繹してゆくところは理論的だし鋭敏だ。』エドガー・アラン・ポー「マリー・ロジェエの怪事件」
正解は…
正解は「えんえき」でした!
「演」の音読みは「エン」、訓読みで「演べる(のべる)」「演う(おこなう)」。
「繹」の音読みは「エキ」、訓読みで「繹ねる(たずねる・つらねる)」「繹なる(つらなる)」です。
「演繹」の意味は?
「演繹」とは、情報を関連付けることで必然的に結論を導き出す思考法。
すでに知られている法則や誰もが納得できる一般論やルールを大前提として、そこから論理を積み重ねて結論を出す手法です。
演繹法で有名なのは、古代ギリシャの哲学者アリストテレスが確立した三段論法ですね。
大前提:すべての人間は死すべきものである
小前提:ソクラテスは人間である
結論:ゆえにソクラテスは死すべきものである
ちなみに、大前提から始まる演繹法とセットで語られることの多い帰納法は、結論から始まります!
3個目の漢字はこれ!「添水」
「添水」を何と読みますか?
てんすい、そえみず、と読みたいところですが…
きっと目にしたことがあるはずですよ!
「添水」の読み方のヒントは?
1.「添水」をひらがなにすると3文字になります!
2.和風庭園で見かけたことがあるかもしれません。
3.俳句で「添水」は秋の季語として使われます。
3.『カーン、あの添水を聞き澄んでいたのです。』泉鏡花「菊あわせ」より引用
正解は…
正解は…「そうず」でした!
「添水」とは、カッコーン!と響き渡る水場の竹筒と石でできた装置です。
竹筒に溜まった水の重みで石を打って音を出すように仕組まれています。
風情ある和風庭園やお寺などに設えられていますね。
現在では庭の飾りとして用いられることが多いですが、本来は鳥獣を追い払うためのものでした。
「添水」は「鹿威し」の一種
農業の大敵である野生動物を追い払うための装置を「鹿威し(ししおどし)」といいます。
鹿威しには「鳴子(なるこ)」「案山子(かかし)」「添水」があります。
「鳴子」は紐にくくられた竹や木片で、風に吹かれたり引っ張ると音が出ます。
「かかし」はご存じの通り、人間に見せかけた藁人形。
「添水」は水が溢れる度に音を出します。
昔の人の知恵ですね!