今日は3つの難読漢字に挑戦してみましょう。
「嚴めしい」「噎ぶ」「簒う」あなたは何て読みますか?
目次
第1問「嚴めしい」
ひとつ目の漢字は「嚴めしい」です。
似ている漢字は「麗」や「厳」ですが…
あなたは何と読みますか?
「麗」の読み方のヒントは?
1.「嚴めしい」はひらがなにすると、5文字です!
2.「嚴めしい」の類義語には、「重々しい」「堂々たる」などがあります。
3.非常に立派だけれど、ちょっと近寄りがたい人に使います。
正解は…
正解は「いかめしい」です!
一般的には「厳めしい」と書きますね。「嚴」は「厳」の旧字です。
「嚴」は形声文字で、上部に並んだ「2つの口」は「厳しくつじつまを合わせる」ことを表し、おごそか・威厳がある・猛烈・激しい・容赦がないといった意味があります。
音読みは「ゲン」「ゴン」、訓読みは「嚴めしい」の他に「おごそか」、「きびしい」「いかつい」です。
「嚴」は人名漢字
「嚴」は人名漢字で、男性の名前によく使われます。
多いのは1文字の「嚴(いわお)」という読み方でしょう。
人名の場合「みね」と読むこともあり、「嚴臣(みねおみ)」「厚嚴彦(あつみね)」などがあります。
ちなみに人名ではありませんが、世界遺産に登録されている広島県「厳島神社(いつくしまじんじゃ)」の公式表記は「嚴島神社」と書きます。
第2問「噎ぶ」
2問目は「噎ぶ」です。
あまり目にすることのない漢字ですが…
では早速、3つのヒントで考えてみましょう。
「噎ぶ」の読み方のヒントは?
1.「噎ぶ」をひらがなにすると3文字です。
2.感情の動きに関係しています。まれに飲食や環境が影響する場合もあります。
3.『やはり血の池の血に咽びながら、』芥川龍之介「蜘蛛の糸」より引用
正解は…
正解は…「むせぶ」でした!
「むせる」は同義語です。
「咽ぶ」とも書きますね。
激しく泣いて息を詰まらせたり、しゃくり上げたりする様子をいいます。
まれに、煙やホコリが目や鼻に入ったり、飲食物が喉につかえた場合も「咽ぶ」ことがあります。
「噎」の使い方
「噎」の音読みは「エツ」と「イツ」。
訓読みは「噎ぶ(むせぶ)」「噎せる(むせる)」「噎がる(ふさがる)」です。
日常会話での使用頻度は低いですが、「噎」を含む熟語はたくさんあります。
例:嗚噎(おえつ)・噫噎(あいえつ)・噎下(えっか)
最後に面白い熟語をひとつ!
「是亦因噎廃食(えつによりて、しょくをはいす)」
現代語にすると、「噎せたからといって、食事をしないのと同じ」です。
ささいなマイナス要素を過大視して、大事なことをやめてしまうことを意味しています。
第3問「簒う」
最後の問題は「簒う」です。
「慕う(したう)」に似てますが少し違います。
さあ、あなたは何て読みますか?
「簒う」の読み方のヒントは?
1.手錠をかけて犯人の自由を「簒う」。
2.「簒う」のはいけないことだと、子どもの頃に教わりました。
3.「惜しみなく愛は簒う」有島武郎の名作(名言)です。
文学好きな人は、3つ目のヒントでピンときたかもしれません。
正解は…
正解は「うばう」でした!
一般的には「奪う」と書きます。
「簒う」の音読みは「サン」と「セン」。
訓読みは「簒う(うばう)」「簒る(とる)」です。
常用外漢字なので、初めて見る人が多いのでは?
「簒」の成りたち
「簒」は形声文字です。
見積りの「算」と、自分のものにする「ム」が組み合わさっています。
つまり、「計画して(算)奪い取る(ム)様子」を表しています。
「簒」を使った熟語など
「簒奪(さんだつ)」:本来は継承する資格の無い者が、君主の地位を簒うこと。
「簒立(さんりつ)」「簒立(さんい)」も似たような意味です。
簡単な言葉に言い換えると、「取り上げる」「かすめ取る」「せしめる」「ふんだくる」など、いずれにしてもポジティブな意味で使われるケースはほぼありません。