今回の難読漢字は三連発!
「毬藻」「彽る」「御撮み」に挑戦してみましょう。
目次
1個目の漢字はこの漢字!「毬藻」
まずは「毬藻」です。
北海道旅行のお土産としてメジャーな存在ですよ。
知れば知るほど不思議な生きものです。
「毬藻」の読み方のヒントは?
1.北海道の阿寒湖(あかんこ)には、直径30cmもある「毬藻」が生息しています。
2.環境がよければ、300年も生き続けるのだそう!
3.日当たりに注意すれば、おうちでも育てられます。
正解は…
正解は「まりも」でした!
ご当地キャラクターの「まりもっこり」が有名ですね。
「毬藻」とは、糸状の緑藻が集まって球体になった植物です。
緑藻が集合体になること自体はよくありますが、阿寒湖の「毬藻」のように大きく美しい球体に育つことは世界的に珍しく、1921年天然記念物に指定されました。
ちなみに、阿寒湖のお土産屋さんで販売しているのは天然記念物ではなく養殖された毬藻です(念のため)。
「毬」と「藻」の成り立ち
「毬」は「毛」と毛皮を引き締める様子をあらわした「求」の組み合わせ。毛皮を中心からぎゅっと引き締めると丸くなりますね!
「藻」を構成するのは、さんずい・草かんむり・喿(ソウ)です。
植物をあらわす「草かんむり」、水を意味する「さんずい」、そして「喿(ソウ)」には「浮つく」という意味があります。
2個目はこの漢字!「彽る」
「彽る」を何と読みますか?
もちろん「ている」とは読みません。
よく見ると「亻(にんべん)」の「低」ではなく「彳(ぎょうにんべん)」です!
早速ヒントを見てみましょう!
「彽る」の読み方のヒントは?
1.あちこち歩き回る・彷徨する・あても無くうろつくことです。
2.「彽る」をひらがなにすると6文字になります。
3.日本の古典が好きな人は聞いたことがあるかも…
正解は…
正解は「たちもとおる」でした!
万葉集の現代語訳では、「たちもとほる」とも書かれています。
「彽」の音読みは「チ・ジ・テイ・タイ・デ」、訓読みは「彽る(たちもとおる)」です。
8画なので覚えるのは簡単だと思いますが、漢字検定では1級で出題されます。
通常パソコンの文字入力で出てこない「JIS第3水準」に分類されますから、にんべんの「低」が書き替え文字として使われます。
「彽」を使った言葉
彽徊趣味(ていかいしゅみ):世俗の雑事を避け、余裕のある気持ちで人生を眺め、東洋的な詩歌の境地に遊ぼうとする態度
彽回顧望(ていかいこぼう):何かに心を惹かれ、行ったり戻ったり、振り返ったりすること
佇立彽徊(ちょりつていかい):何かに心を惹かれ、呆然として、長い間立ち尽くすこと
3個目の漢字はこれ!「御撮み」
最後の問題は「御撮み」です。
撮影(さつえい)の「撮」ですが…
実は意外な読み方があるのです!
「御撮み」の読み方のヒントは?
1.外国語に訳してみると…
・英語「アペタイザー」
・フランス語「アミューズ・ブーシュ」
・スペイン語「タパス」
2.「御撮み」の類語には「酒肴」「箸休め」「佳肴」などがあります。
3.『どうです粗菓だが一つ御撮みなさい。岐阜の柿羊羹』夏目漱石「虞美人草」より引用
正解は…
正解は「おつまみ」でした。
みなさん大好きですよね!
頭に「御」を付けると食べる「おつまみ」を意味しますが…
「撮み」だけの場合は「雑草の芽を撮む」「音量撮みを回す」のように、動作や器具のでっぱり箇所を意味します。
「撮」という漢字について
「撮」は、人の手をあらわす手へんに「指で無理につまむ」をあらわす「最」、最後に「取」を合わせた会意形声文字。
写真や映画のイメージが強い漢字ですが、「指でつまみとる」という成り立ちです。
「御撮み」の定番はなぜ枝豆?
「御撮み」の定番といえば枝豆ですが、枝豆には肝臓の機能を司るアミノ酸「メチオニン」が豊富に含まれています。
ビールに枝豆の組み合わせは、理にかなった組み合わせなんですね!