今回の漢字は…
「物怪」「僕」「大店」です!
書くのは簡単、読むのは?
目次
1個目の漢字はこれ!「物怪」
最初の漢字は「物怪」です。
なにやら怪しげな言葉ですが…
「もののけ」以外の読み方を考えてみてください!
「物怪」の読み方のヒントは?
1.「物怪」をひらがなにすると「〇○〇」の3文字になります。
2.「物怪」の類語には、「事変」「変事」「もしものこと」などがあります。
3.『息子に恋慕している娘は、物怪の幸と思っている。』森鷗外「ヰタ・セクスアリス」より引用
正解は…
正解は「もっけ」でした!
「勿怪」と書いても正解です。
3つ目のヒント「物怪の幸(もっけのさいわい)」でピンときた人が多いかもしれません。
意味は、思いがけない・不思議なこと・けしからぬこと・不吉なことやその様子。
つまり「物怪の幸い」とは、思いがけず幸が訪れることなんですね!
「物の怪」と「物怪」
日本のアニメでは「物怪(もっけ)」を「物の怪(もののけ)」として描く作品が数多くあります。
また、北海道や東北には「祟り物怪(たたりもっけ)」と呼ばれる妖怪が伝えられています。
「物怪」と方言
「もっけ」は方言として用いられます。
※「もつけ」ではなく「もっけ」と発音するケースのみ
山形県:気の毒だ・ありがとう・すまないね
青森県:子ども・カエル
島根県:気の毒な・困った・呆れた
鹿児島県:持って来い
2個目の漢字はこれ!「僕」
次はお馴染みの漢字「僕」の読み方です!
普通は「ぼく」と読みますが…
他にも意外な読み方があるんです。
「僕」の読み方のヒントは?
1.「僕」をひらがなにすると4文字になります。
2.純文学が好きな人は読めるかもしれません。
3.『大王、僕不憫と思召さば、わがために仇を返してたべ。』巌谷小波「こがね丸」より引用
正解は…
正解は「やつがれ」でした!
「僕(ぼく)」と同様に自称(一人称)です。
本来は自分をへりくだっていう男女共通の言葉でしたが、近代史以降はやや改まった場で用いる男性の言葉となりました。
似たようなニュアンスの一人称は他に、拙者(せっしゃ)・私め(わたくしめ)・下命(かめい)・当方(とうほう)・小生(しょうせい)・手前(てまえ)など。
反対のニュアンスの一人称には、俺様(おれさま)・吾輩(わがはい)・朕(ちん)などがあります。
日本語って一人称が多いですね!
「やつがれ」の由来
「僕」の音読みは「ボク」、訓読みは「やつがれ」「しもべ」。
「やつがれ」のルーツは「奴吾(やつこあれ)」だとされています。
「やっこさん、やりやがったな」のように人を卑しめていう「奴(やつこ)」と、自分自身を指す「吾(あれ)」が組み合わさった言葉です。
3個目の漢字はこれ!「大店」
「大店」を何と読みますか?
とても簡単な漢字ですが、読むとなると難しい!
だいてん、おおみせではありません。
「大店」の読み方のヒントは?
1.「大店」をひらがなにすると4文字になります。
2.番頭さんと丁稚さんと旦那さん、というイメージです。
3.『貴族とか大店のお嬢さんのよめいり荷物は、』片山広子「よめいり荷物」より引用
4.日常会話では使う機会は、ほぼないでしょう。
正解は…
正解は「おおだな」でした!
店構えが大きく、多くの商品を扱うお店です。昔は「豪商」とも呼ばれていました。
日本では、平成12年6月1日から「大規模小売店舗立地法(大店立地法)」という法律が施行されています。
現在の大型小売店が、昔でいう「大店」にあたるんですね!
江戸時代の「大店」といえば
「大店」は大きな屋敷間口が多く、36間や15間の間口が江戸の通りに面していました。建物の中には、たくさんの丁稚奉公が住み込みで働いていたそうです。
江戸時代を代表する「大店」といえは、三大呉服店の「越後屋(のちの三越デパート)」・「大丸屋(のちの大丸デパート)」・「白木屋(のちに東急百貨店に買収される)」です。
大店の旦那衆は、お侍さんよりお金持ちだったんでしょうね!