漢字読み講座

「彳む」「匁」「毀す」難読漢字3連発です!

今回の難読漢字クイズは…

「彳む」「匁」「毀す」の3連発です。

ぜひチャレンジしてみてください!

1個目はこの漢字!「彳む」

まずは「彳む」です。

ご存じ「ぎょうにんべん」ですが、他の読み方もあるんです。

早速ヒントを見て考えてみましょう。

「彳む」の読み方のヒントは?

1.「彳む」をひらがなにすると4文字の言葉になります。

2.「ぎょうにんべん」は道に関係する漢字に使われます。

3.『彳むもののせつなさよ。』北原白秋「新頌」より引用

正解は…

正解は「たたずむ」でした!

一般的には「佇む」と書きますね。

立ち止まっている・じっとその場にいるというイメージが強いですが、進んでは止まる・少しずつ歩くという意味もあります。

「彳」の成り立ち

「彳」の音読みは「テキ」「チャク」「ホク」「フク」、訓読みが「彳む(たたずむ)」です。

「彳」の成り立ちには諸説ありますが、十字路の左半分をあらわす象形なので「道を行く」という意味になったという説が有力です。

「彳」と「亻」

「ぎょうにんべん」は道に関係する漢字なのに対して、一画足した「にんべん」は、人に関係します。

例えば住居の「住」は人が落ち着いて暮らすことですが、往来の「往」は道を行き来することです。

また、武士をあらわす「侍(さむらい)」は、君主のそばに仕える人をあらわし、「待つ」は「行かずにその場にとどまる」という意味です。

2個目はこの漢字!「匁」

次の問題は「匁」

(かたな)」「(やいば)」どれも違います…

さて、あなたは何と読みますか?

「匁」の読み方のヒントは?

1.「匁」をひらがなにすると3文字になります。

2.貨幣・タオル・シルク・真珠、「匁」は国内のさまざまな取引に使われてきました。

3.『おい。みんな今日は石を一人で九十匁ずつ運んで来い。』宮沢賢治「カイロ団長」より引用

正解は…

正解は「もんめ」でした!

日本国内だけで通用する「国字」なので音読みはありません。訓読みは「もんめ」と「め」です。

江戸時代は貨幣単位として使われていましたが、明治以降は主に尺貫法の重さの単位として取引に用いられました。

「匁」を用いる取引

「匁」とつながりが深い取引はタオルとシルクと真珠です。

真珠の取引では今も匁が使われています。

1匁は3.75gです。

タオル1ダース(12枚)の重さは、200匁が標準といわれています。

3.75g×200=750g ですから、750g÷12枚=タオル1枚が62.5gですね!もし匁が変わるなら、タオルの厚さが違うということです。

シルクの場合は93×93cmが1匁なので、もし匁が変わるなら、シルクの密度が高いということです。

3個目はこの漢字!「毀す」

最後の難読漢字クイズは「毀す」です!

法律に詳しい人は「名誉毀損(めいよきそん)」の「キ」だな、と思い当たるでしょう。

でも今回は訓読みですよ!

「毀す」の読み方のヒントは?

1.「毀す」をひらがなにすると3文字になります。

2.「毀す」の対義語には、「拵える(こしらえる)」「直す」「形を与える」などがあります。

3.『ひとつ毀すように言わなけりゃいかんな、庭のあの小劇場はね。』アントン・チェーホフ「かもめ」より引用

正解は…

正解は「こわす」でした!

現代は「壊す」と書くのが一般的です。

「毀」は13画の常用漢字で、音読みは「キ」。

訓読みは、「毀つ(こぼつ)」「毀す(こわす)」「毀る(やぶる)」「毀る(そしる)」「毀せる(やせる)」です!

「毀す」の由来は?

「毀す」は、古語の「こほつ」が「こぼつ」に変化したものです。

「毀」は、左上は木や石に穴を開けて作った臼(うす)、その下は柱状に固めた土、右側は手に木の杖を持っており、これらは「土を叩き潰す」ことをあらわしています。

「毀」を使った熟語

毀誉褒貶(きよほうへん):誉めること、けなすこと。さまざまな評判。

哀毀骨立(あいきこつりつ):父母などの死を悲しんで、やせ衰えて骨と皮ばかりになること。

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イシカワマキコ
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