漢字読み講座

「鞘当」「鱟」「頑魯」3つの難読漢字クイズに挑戦!

本日の難読漢字クイズは…

「鞘当」「鱟」「頑魯」の3つです!

1個目の漢字はこれ!「鞘当」

「鞘当」を何と読みますか?

日常会話で使う言い回しではありませんが…

大人なら、経験したことがあるかもしれません。

早速ヒントを見てみましょう!

「鞘当」の読み方のヒントは?

1.「鞘当」をひらがなにすると4文字になります。

2.「鞘当」の類義語には「小競り合い」「せめぎ合い」「係争」などがあります。

3.『千鳥足を運んでゆく一人の浪人にも、誰あって、鞘当をする心配がない。』吉川英治「剣難女難」より引用

正解は…

正解は「さやあて」でした!

些細な、わずかな、ちょっとした理由で争うこと。二人の男性が一人の女性を取り合って争うことです。

似たようなシチュエーションは現代でもありますね!

「鞘当」は、路上ですれ違った武士同志が刀の鞘(さや)をぶつけることから生まれた言葉。「鞘」とは日本刀や短刀などの刃の部分を納める筒を指します。

「鞘」の音読みは「ショウ」、訓読みは「さや」です。

「鞘当」と日本の古典文化は深くつながっています。

落語には『競三人似顔鞘当』という演目がありますし、歌舞伎十八番の「鞘当」の場面や浮世絵もよく知られています。

「鞘」のことわざ

鞘走りより口走り:刀が鞘から抜け出るよりも、口から失言が出る方が危険。

元の鞘に収まる:別れた者同士が再び元の関係に戻ること。

弓は袋に太刀は鞘:武器を使う必要がない天下泰平な様子。

2個目の漢字はこれ!「鱟」

次の漢字は「鱟」です。

漢字検定では1級24画!

読めたらすごい、書けたらもっとすごい!

「鱟」の読み方のヒントは?

1.背面はなめらかなドーム状の丸み、5対の関節肢があります。

2.「鱟」の寿命は25年前後といわれています。

3.英語では horseshoe crab(ホースシュークラブ)と呼ばれます。

正解は…

正解は「カブトガニ」でした!「鱟魚」と書いても正解です。

4億年ほど前に三葉虫から進化したという生きた化石です。

「カニ(蟹)」と名前に付いていますが、分類学的には蜘蛛や蠍に近いのだそう。

日本では瀬戸内海と博多湾に生息し、笹岡市の「カブトガニ繁殖地」は天然記念物に指定されています。

「鱟」の音読みは「コウ」「ゴウ」、訓読みは「かぶとがに」です。

「鱟」は食べられる?

日本では食用のイメージが皆無な「鱟」ですが、マレーシア・タイ・香港・ベトナムなどではポピュラーな食材として知られています。

甲羅がほとんどで身が少ないので、みっしりと詰まった卵を食べるそうです。

ちなみに臭みが強いため、香草やスパイス多めで調理するといいます。

また、世界では稀に毒を持つ「鱟」を誤って食べてしまう食中毒事件も起きています。

3個目の漢字はこれ!「頑魯」

最後の難読漢字は「頑魯」

あなたは何と読みますか?

日本の宗教学を勉強した人は知っているかも…

「頑魯」の読み方のヒントは?

1.「頑魯」をひらがなにすると3文字になります。

2.誰でも多かれ少なかれ、「頑魯」な一面があるでしょう。

3.ポジティブな意味で使われるケースはありません。

正解は…

正解は「がんろ」でした!

意味は、頑固でものの道理をわきまえないこと、頑なで愚かな様子をいいます。

同じ意味の言葉に「頑愚(がんぐ)」があります。

「頑」は素直でなく、心がねじけて間違った考えに固執しているさま。頑固の「頑」ですね!

「魯」は愚かな様子や反応が鈍いことをあらわします。

ちなみに、昔の日本ではロシアを「魯西亜」と当て字で書いていました。

しかし「魯」のイメージが良くないとロシアからクレームを受け、最初の当て字を変えて「露西亜」に直したといわれています。

若いうちは無知で愚かな「魯」、年を取って頑なな「頑魯」に、そうならないよう気を付けましょう。

浄土教の祖として知られる源信僧都(げんしんそうず)は法然や親鸞に影響を与えた偉大な僧でしたが、「予が如き頑魯の者」という自戒の言葉を後世に残しています。※「往生要集」より

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イシカワマキコ
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