今回は「業」「達磨」「杮」です。
見たことはあるのに、なかなか読めないこれらの漢字。
あなたは全部読めますか?
目次
1問目はこの漢字から!「業」
「業」
この字は「業務(ギョウム)」や「業腹(ゴウハラ)」など、音読みで使う機会が多くあります。
では、訓読みではなんと読むのでしょうか?
日常的にもよく使う読み方なので、一緒に考えてみましょう!
「業」読み方のヒントは?
「業」の訓読みには、「仕事」「つとめ」「行為」などの意味があります。
たとえば、工事中の敷地の、まだ固まっていないコンクリートの上……
一晩目を離したら、そこにはネコの足跡が!
「あっ!これは野良猫の〇〇だな!」(漢字2字で)
……のように使いますよ。
ネガティブな意味でも、相手の技量を賞賛するニュアンスでも、幅広く用いられます。
もうおわかりですね?
「業」の読み方、正解は……
「業」の正解は……
「わざ」です!
上記の文章ですと、
「野良猫の仕業(しわざ)だな!」と言うわけですね。
普段は「技」の字を当てはめることが多いですが、柔道などの「足技」も「足業」と書けますし、ほかにも
「神業」
「軽業」
「荒業」
などもありますよ。
2問目はこの漢字!「達磨」
「達磨」
は日本人にとってもなじみ深い縁起物。
ひらがなで書かれることが多いので、もしかしたら漢字を知らない方もいるかもしれません。
「たつま」と読むのは間違いですよ!
ぜひルーツを知って、正しく読めるようになりましょう!
「達磨」読み方のヒントは?
「達磨」は、サンスクリット語に漢字を当てた言葉です。
日本では、赤色の張り子で、手足がなく、顔が大きい姿で作られることがしばしばあります。
基本的には白目のまま販売され、祈願のために左目を、成就したときに右目を書き入れる風習があります。
もうおわかりですね!
「達磨」の読み方、正解は……
「達磨」の正解は……
「だるま」です!
日本で売られている赤い達磨のモチーフは、仏教の達磨大師と呼ばれる僧侶。
達磨大師は、壁に向かって9年間も座禅を組んでおり、そのせいで手足が腐ってしまった……という伝説があります。
だから今日の達磨は、あのような丸っこいフォルムをしているんですね!
実は筆者が子どもの頃は、あの丸い形と白目の姿が怖くて怖くて仕方ありませんでした……。
近所の駄菓子屋さんやおばあちゃんの家で大きな達磨を見つけると、泣き出してしまうほどに怖かった思い出があります。
トラウマ級に怖かった理由は、達磨がどうしてこの姿なのか知らず、「ホラーアイテム」だと思ったからなんですよね……笑
達磨は何度倒れても起き上がる「不撓不屈(ふとうふくつ)の精神」を意味し、
赤色には魔除けの効果があり、多くの病や災いを防ぐことができる縁起物……。
もし達磨を怖がる小さな子がいたら、ぜひ達磨のルーツを教えてあげてくださいね!
歴史を知っていたら、もしかしたら怖くなくなるかもしれません。
最後は「杮」!なんと読むか分かりますか?
なんと(かき)ではないのです!
さあ、なんと読むでしょう?
「杮」読み方のヒントは?
果物の柿と同じ漢字で別の読み方があるのか~、と思われた方もいると思いますが、柿とはまったく別の漢字なのです。
ちなみにこの漢字は「材木を削った時に出る細かい木片」という意味を持ちます。
「杮」読み方のもうひとつのヒントは?
慣用句では「〇〇〇落とし」という言葉でよく使われます。こちらは「新しく作られた劇場やコンサートホールなどで、初めてイベントや催し物をすること」という意味になります。
「杮」の読み方、正解は・・・
正解は・・・
「こけら」
です!
この「杮(こけら)」と「柿(かき)」、パッと見ではどちらも木偏に市場の市とまったく同じ漢字に見えますが、実は市の部分が異なっています。
こけらは上のちょんからしたまでが一本ですが、かきはちょんと下の棒は別になっています。
言われてみないと絶対に気付かない違いですよね。
専門的になりますが文字コードもちゃんと別になっており、「杮(こけら)」は #676E、「柿(かき)」は#67FFが割り当てられています。
「杮(こけら)」には材木からできた細かい木片という意味があると書きましたが、工事で屋根に残ったこの木片を落としてきれいにすることから、劇場の最初の公演のことを「杮落とし」公演というようになったそうです。