今回は「十」「狷介」「空者」です。
見たことはあるのに、なかなか読めないこれらの漢字。
あなたは全部読めますか?
目次
1問目はこの漢字から!「十」
世の中には、不思議な読み方をする名字がたくさんあります。
「十」さん
もその1人。
ジュウさんもいらっしゃいますが、それ以外にも読み方があるので考えてみましょう!
「十」読み方のヒントは?
今回紹介する「十」さんの読み方は「も〇〇」さんです。
「十」の形をよく見てください。
「木」という漢字の「ハ」の部分がなくなった姿のように見えませんか?
木がなくなった姿……
木をもぎ取った姿です。
「十」の読み方、正解は……
「十」さんの正解は……
「もぎき」さんです!
木をもぎとった形をしているから「もぎき」なんですね。
もともとは「もげき」と読まれていたそうですが、現在では「もぎき」が一般的だとのこと。
現在は新潟県や北海道を中心にわずかに存在する、珍しい名字だと言われています。
一説によれば、およそ数十人のみの超レアだとも!
スマホやパソコンなどのデジタル画面で見るぶんにはわかりませんが、もぎきさんの「十」は漢数字の「十」と異なる漢字です。
紙面上に書く際には、縦棒の最後を跳ねる必要があるので注意してくださいね。
2問目はこの漢字!「狷介」
「狷介」
この漢字は、時々新聞や小説などでも出現します。
ついつい「やっかい」と読みたくなってしまいますが、それは「厄介」が正しい……。
さて、今日は「狷介」の読み方を考えてみましょう!
「狷介」読み方のヒントは?
「狷介」には、自分の意志を曲げず、他者に心を開こうとしないこと、という意味があります。
「あれは狷介な人だね」
のようなセリフには、少し皮肉的な、悪い意味で頑固だというニュアンスが含まれます。
四字熟語として使われることも多く、「狷介不羈」「狷介不屈」「狷介孤高」などなど。
とにかく自分の意志を押し通し、他人に絶対負けない!という力強いニュアンスです。
わかりましたか?
「狷介」の読み方、正解は……
「狷介」の正解は……
「けんかい」です!
かの有名な中島敦の『山月記』でも、李徴の性質を表す際に使われている言葉なんですよ。
性、狷介、自ら恃むところ頗る厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかった
これを分かりやすい言葉で言い換えると、
「(李徴は)自分の意志を曲げない性格で、他人に心を開かない頑固者で、自信過剰。下っ端の役人でいるだけでは満足しなかった」
という意味になります。
『山月記』はけっこう言葉が難しいので、学生時代は挫折してしまった人も多いのでは?
せっかくのおうち時間に、再チャレンジしてみるのも良いかもしれませんね!
最後はこの漢字!「空者」
漢字クイズのお時間です。
今回ご紹介するのは「空者」という漢字です。
タクシーの表示で良く目にする「空車」に引っ張られて「くうしゃ」「くうじゃ」のように読んでしまいがちですが、実はこの漢字の本当の読み方は全く違います。
あなたは読むことができますか?
「空者」の読み方のヒントは?
まずここでお伝えしておきたいのは、「空」を普通に読もうとしていては答えにたどり着けないということ。
「そら」でも「くう」でも「から」でもありません。
「空者」は、中身がしっかりしていない人や愚か者のことを指す言葉です。
あまりよく使う言葉ではありませんが、考えてみてください。
正解は…
正解は…
うつけもの
でした!
若き日の織田信長は、そのあまりの奇特さに「大うつけ」と呼ばれたそうです。
ここまでひどい言われようでしたが、実は人々を欺くために愚かな行動をとっていたという説もあるんだとか。
本当にそうだったとすると、騙されていた人々の方が「うつけもの」だったことになりますね。
真相は本人のみぞ知る…。
ここまでお読みいただきありがとうございました!